44 / 296
― 第二章・それぞれの成長 ―
第44話 清虎の実力
しおりを挟む
「くッ!」
と、左(紫蓮たちからは右)に逃れようとするも、躱しきれなかった神の右の翼に、
ボォワッ!
と引火する。
「一刀では足りなんだか…。」
「皆、すまんが、30秒、時間を稼いでくれ。」
と、告げた清虎に従い、片翼の4割を焼失してバランスを崩し、着地した相手に、紫蓮らが挑む。
しかし、右腰に備えていた鞭で牽制されてしまう。
幅30㎝×長さ5Mの鞭を、左手で縦横無尽に振るう敵によって、地面が、
ドゴォンッ!!
バゴォンッ!!
と派手に削られていく。
その衝撃にダメージを負いながらも、紫蓮たちが、スキルや魔法に武器で対抗していた。
彼らの反撃は一応にヒットしているが、致命傷を与えることは出来ていなさそうだ。
女型の神が、地上10Mの位置に、直径5Mの魔法陣を出現させる。
そこから、幅15㎝×長さ70㎝の白い光線が、100発ほど降り注ぐ。
紫蓮らは一斉に避けたものの、完全には間に合わず、全員が怪我してしまったようだ。
そこを、金時が【癒しの光】で即座に回復させていく。
と同時に、30秒が経ち、リキャストタイム(クールタイム)を終えた侍王が、刀を左手に持ち替え、空いた右手で脇差を抜いた。
「ふぅ――ッ。」
と、息を吐いて、
「どれ。」
と狙いを定めた総帥が、炎を宿した2本の刃を、
「ふんッ!!」
と、突き出す。
1つに重なった“火炎の渦”が、先程よりも速度と威力を増して、紫蓮たちの頭上を、
ヒュゴオオオオオオオオッ!!!!
と通過していく。
直径は4Mぐらいであろう。
それが、神の胸から上に、
ズボォゥワッ!!!!
と、直撃した。
片方の翼を失っていた女型の神は、機敏な動きが出来なかったようだ。
全身の上部が消し炭になってしまった敵が、仰向けで、
ドォオンッ!!
と倒れる。
「ふぃ―ッ。」
と、一仕事終えた感の清虎に、ウィッチである孫の幸永歌が、
「お祖父様、凄ぉ~い。」
と驚き、紫蓮らも目を丸くした。
千代の、
「これが、清虎様の本気…。」
との呟きに、
「ん?」
「今ので、まだ7割くらいじゃぞ。」
と、侍王が返す。
この発言には、誰もが、再び、ビックリさせられたようだ…。
総大将である南方領主の死を目の当たりにした敵兵たちが散り散りに逃げていく。
ヒーゴン軍の中央隊・左翼隊・右翼隊が勢いづき、最後尾も押し上がって来た。
その場に待機しているラルたちに、総帥が優しく、
「ここはもういいから、保次とバンヌを宿営地まで運んでやれ。」
と促す。
ラルが、
「ありがとうございます!」
と、頭を下げ、ヴォニーも会釈する。
「俺も構いませんか?」
「班長らには世話になったんで。」
と窺う紫蓮に、
「うむ。」
「少しでも側に居てやるが良い。」
と、目を細める清虎だった―。
と、左(紫蓮たちからは右)に逃れようとするも、躱しきれなかった神の右の翼に、
ボォワッ!
と引火する。
「一刀では足りなんだか…。」
「皆、すまんが、30秒、時間を稼いでくれ。」
と、告げた清虎に従い、片翼の4割を焼失してバランスを崩し、着地した相手に、紫蓮らが挑む。
しかし、右腰に備えていた鞭で牽制されてしまう。
幅30㎝×長さ5Mの鞭を、左手で縦横無尽に振るう敵によって、地面が、
ドゴォンッ!!
バゴォンッ!!
と派手に削られていく。
その衝撃にダメージを負いながらも、紫蓮たちが、スキルや魔法に武器で対抗していた。
彼らの反撃は一応にヒットしているが、致命傷を与えることは出来ていなさそうだ。
女型の神が、地上10Mの位置に、直径5Mの魔法陣を出現させる。
そこから、幅15㎝×長さ70㎝の白い光線が、100発ほど降り注ぐ。
紫蓮らは一斉に避けたものの、完全には間に合わず、全員が怪我してしまったようだ。
そこを、金時が【癒しの光】で即座に回復させていく。
と同時に、30秒が経ち、リキャストタイム(クールタイム)を終えた侍王が、刀を左手に持ち替え、空いた右手で脇差を抜いた。
「ふぅ――ッ。」
と、息を吐いて、
「どれ。」
と狙いを定めた総帥が、炎を宿した2本の刃を、
「ふんッ!!」
と、突き出す。
1つに重なった“火炎の渦”が、先程よりも速度と威力を増して、紫蓮たちの頭上を、
ヒュゴオオオオオオオオッ!!!!
と通過していく。
直径は4Mぐらいであろう。
それが、神の胸から上に、
ズボォゥワッ!!!!
と、直撃した。
片方の翼を失っていた女型の神は、機敏な動きが出来なかったようだ。
全身の上部が消し炭になってしまった敵が、仰向けで、
ドォオンッ!!
と倒れる。
「ふぃ―ッ。」
と、一仕事終えた感の清虎に、ウィッチである孫の幸永歌が、
「お祖父様、凄ぉ~い。」
と驚き、紫蓮らも目を丸くした。
千代の、
「これが、清虎様の本気…。」
との呟きに、
「ん?」
「今ので、まだ7割くらいじゃぞ。」
と、侍王が返す。
この発言には、誰もが、再び、ビックリさせられたようだ…。
総大将である南方領主の死を目の当たりにした敵兵たちが散り散りに逃げていく。
ヒーゴン軍の中央隊・左翼隊・右翼隊が勢いづき、最後尾も押し上がって来た。
その場に待機しているラルたちに、総帥が優しく、
「ここはもういいから、保次とバンヌを宿営地まで運んでやれ。」
と促す。
ラルが、
「ありがとうございます!」
と、頭を下げ、ヴォニーも会釈する。
「俺も構いませんか?」
「班長らには世話になったんで。」
と窺う紫蓮に、
「うむ。」
「少しでも側に居てやるが良い。」
と、目を細める清虎だった―。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
碧天のノアズアーク
世良シンア
ファンタジー
両親の顔を知らない双子の兄弟。
あらゆる害悪から双子を守る二人の従者。
かけがえのない仲間を失った若き女冒険者。
病に苦しむ母を救うために懸命に生きる少女。
幼い頃から血にまみれた世界で生きる幼い暗殺者。
両親に売られ生きる意味を失くした女盗賊。
一族を殺され激しい復讐心に囚われた隻眼の女剣士。
Sランク冒険者の一人として活躍する亜人国家の第二王子。
自分という存在を心底嫌悪する龍人の男。
俗世とは隔絶して生きる最強の一族族長の息子。
強い自責の念に蝕まれ自分を見失った青年。
性別も年齢も性格も違う十三人。決して交わることのなかった者たちが、ノア=オーガストの不思議な引力により一つの方舟へと乗り込んでいく。そして方舟はいくつもの荒波を越えて、飽くなき探究心を原動力に世界中を冒険する。この方舟の終着点は果たして……
※『side〇〇』という風に、それぞれのキャラ視点を通して物語が進んでいきます。そのため主人公だけでなく様々なキャラの視点が入り混じります。視点がコロコロと変わりますがご容赦いただけると幸いです。
※一話ごとの字数がまちまちとなっています。ご了承ください。
※物語が進んでいく中で、投稿済みの話を修正する場合があります。ご了承ください。
※初執筆の作品です。誤字脱字など至らぬ点が多々あると思いますが、温かい目で見守ってくださると大変ありがたいです。
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる