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― 第二章・それぞれの成長 ―
第40話 絶命
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こちらからは軍鼓が、あちらからは陣鐘が、ほぼ同時に鳴り響く。
それに伴い、双方の兵が、
「うおおおお――ッ!!」
と、突撃を開始した。
どちらにも、人間・獣人・半獣が、見受けられる。
一進一退の攻防が繰り広げられること5~6分、均衡が崩れ、味方が敵を押し戻す。
ヒーゴン軍のあちらこちらから、
「いけ! いけぇッ!!」
「このまま進めーッ!!」
といった声が聞こえてくる。
保次が、
「こりゃ、勝てそうだな。」
〝ニィ〟と口元を緩めたその時だった。
50M程前方から、幅10㎝×長さ50㎝の白い光線が、100発ぐらい放たれたのは。
それらが、仲間である筈の兵らの、背中や、後頭部を、容赦なく襲う。
そして、その流れ弾が、保次の心臓を、
ズバシュッ!!
と貫いたのである。
「がはッ!」
と、血を吐いて、うつ伏せで倒れる彼の、右斜め後ろにいたラルと、左斜め後ろのヴォニ―が、
「え?!」
「な!?」
と目を丸くした。
3人の一番後ろにいたバンヌが、
「班長!!」
と、血相を変える。
敵の後方から光線を打ったらしい銀甲冑に白い翼が二枚生えている奴が、兜の面を上げ、
「敗北など決して許さない!」
「僕に殺されたくなったから、敵の命を奪え!!」
と配下の者どもを恫喝した。
身長は2Mといったところで、瞳は青く、15~16歳の顔立ちをしている美少年だが…、おそらくは神の一族に間違いなさそうなので、実年齢は100を越えているだろう。
「なにをボサッとしている?」
「聞こえなかったのか!!?」
と、怒鳴りつけるソイツに、〝ハッ〟とした連中が前を向き直し、突撃を再開した。
「ごほッ! がぁはッ!」
と咳き込む保次の右側で両膝を着き、
「今すぐ治してあげるからな、班長!」
と、述べたバンヌの左側頭部に、敵の槍が、
ズンッ!!
と刺さる。
それは、紺色の鎧を纏ったホブゴブリンによる一撃だった。
額に“契約の紋章”があったので、誰かしらのサーヴァントなのだろう。
ともかく、バンヌが、全身の力が抜けたかのように、横倒れになっていく。
その光景を目の当たりにしたラルが、
「よくも…、よくもぉおおおッ!!!!」
と、飛び掛かりながら、ホブゴブリンの左首に、ダガーを突き刺した。
そこへ、敵の後続が殺到してくる。
「危ないッ!!」
と駆け寄ったヴォニ―が、戦士用の大剣を薙ぎ払う。
その後は、ラルと、ヴォニ―が、それぞれに、20数くらいを仕留めていった。
だが、結局は、そこまでだったようだ。
何故なら、気が付けば、50数を超える敵兵によって、完全に周りを囲まれていたからだった―。
それに伴い、双方の兵が、
「うおおおお――ッ!!」
と、突撃を開始した。
どちらにも、人間・獣人・半獣が、見受けられる。
一進一退の攻防が繰り広げられること5~6分、均衡が崩れ、味方が敵を押し戻す。
ヒーゴン軍のあちらこちらから、
「いけ! いけぇッ!!」
「このまま進めーッ!!」
といった声が聞こえてくる。
保次が、
「こりゃ、勝てそうだな。」
〝ニィ〟と口元を緩めたその時だった。
50M程前方から、幅10㎝×長さ50㎝の白い光線が、100発ぐらい放たれたのは。
それらが、仲間である筈の兵らの、背中や、後頭部を、容赦なく襲う。
そして、その流れ弾が、保次の心臓を、
ズバシュッ!!
と貫いたのである。
「がはッ!」
と、血を吐いて、うつ伏せで倒れる彼の、右斜め後ろにいたラルと、左斜め後ろのヴォニ―が、
「え?!」
「な!?」
と目を丸くした。
3人の一番後ろにいたバンヌが、
「班長!!」
と、血相を変える。
敵の後方から光線を打ったらしい銀甲冑に白い翼が二枚生えている奴が、兜の面を上げ、
「敗北など決して許さない!」
「僕に殺されたくなったから、敵の命を奪え!!」
と配下の者どもを恫喝した。
身長は2Mといったところで、瞳は青く、15~16歳の顔立ちをしている美少年だが…、おそらくは神の一族に間違いなさそうなので、実年齢は100を越えているだろう。
「なにをボサッとしている?」
「聞こえなかったのか!!?」
と、怒鳴りつけるソイツに、〝ハッ〟とした連中が前を向き直し、突撃を再開した。
「ごほッ! がぁはッ!」
と咳き込む保次の右側で両膝を着き、
「今すぐ治してあげるからな、班長!」
と、述べたバンヌの左側頭部に、敵の槍が、
ズンッ!!
と刺さる。
それは、紺色の鎧を纏ったホブゴブリンによる一撃だった。
額に“契約の紋章”があったので、誰かしらのサーヴァントなのだろう。
ともかく、バンヌが、全身の力が抜けたかのように、横倒れになっていく。
その光景を目の当たりにしたラルが、
「よくも…、よくもぉおおおッ!!!!」
と、飛び掛かりながら、ホブゴブリンの左首に、ダガーを突き刺した。
そこへ、敵の後続が殺到してくる。
「危ないッ!!」
と駆け寄ったヴォニ―が、戦士用の大剣を薙ぎ払う。
その後は、ラルと、ヴォニ―が、それぞれに、20数くらいを仕留めていった。
だが、結局は、そこまでだったようだ。
何故なら、気が付けば、50数を超える敵兵によって、完全に周りを囲まれていたからだった―。
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