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51.ちょっとした波風。
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隈本一帆達は、例の病院に訪れている。
ここは、以前、大怪我させられた沖奈朔任隊長が完全に治癒してもらった診療所だ。
搬送された隊員らが、院長のスキルで次々と回復してもらっては、頭を下げて感謝していた……。
屋外にて。
「それでは…。」
「我々は、これにて。」
八幸隊長が告げ、
「ご協力、ありがとうございました。」
沖奈が返す。
そうして、[第十三番隊]と[第二百一番隊]のメンバーが、互いに会釈する。
この流れで、二台の車に別れた八幸たちは、敷地から去っていく。
それらを十三番隊が見送っていたところ、
「なかなか大変な状況になったらしいねぇ。」
いつの間にか足を運んできていた院長が、声をかけた。
後ろを振り向いて、
「ええ、まぁ。」
「……、できるだけ早いうちに関東司令官の身柄を押さえなければ、あとあと大惨事に繋がりかねないかもしれません。」
「上手くは説明できませんが、そのような予感がするんです。」
沖奈が胸騒ぎを吐露する。
「三上かい…。」
眉間に軽くシワを寄せた院長に、
「ご存知で??」
瞼を〝パチクリ〟する沖奈であった。
「まだアイツが平隊員だった頃は、妖魔との戦いで負傷しては治療を受けに来ていたもんだよ、ここに。」
「出世してからは現場に出なくなったのか、もう何年も顔を見せなくなったけどね。」
「それにしても……、何を考えているんだい? 三上のヤツは。」
こう院長に尋ねられ、
「残念ながら、僕達には、分かりません。」
沖奈が首を横に振る。
「ま、それもそうか。」
〝ふむ〟と頷いて、
「あんたら全員、何があっても死ぬんじゃないよ。」
目を細める院長だった…。
▼
[東京組第十三番隊]は、本拠地の“ビル”に帰還している。
事務室のドアを開けた沖奈が、応接用のソファに座っている二人を視界に捉え、
「おや??」
ふと足を止めた。
彼に気づいて、
「さくときゅん!」
勢いよく〝ガバッ!!〟と起立した女性に、
「原城さんたちが留守を預かってくださっていたのですか。」
「どうも、ご苦労様です。」
沖奈が微笑んだ。
〝ズッキュゥ―ン♡〟ときたらしい“十四番隊の副隊長”が、
「い、いいのよ、別にぃ~。」
おもいっきりデレる。
そのようなタイミングで、原城の対面に腰かけていた“黒髪ショートでボーイッシュな女性隊員”も立ち上がって、
「お疲れさまです。」
沖奈達に挨拶した。
十三番隊が〝ゾロゾロ〟と入室していくなかで、鐶倖々徠副隊長が、
「お二人は、こちらで、ずっと待機なさっていたのですか?」
素朴な疑問を投げかける。
「いえ、1時間ほど巡回した後に、二名の男性隊員と交代しました。」
「現在は彼らがパトロール中です。」
“黒髪ショートの女性”が答えたら、
「そうでしたか。」
理解を示した鐶が、
「これは失礼しました。」
お辞儀したのであった。
いささか気まずくなったところを、
「飲み物、お持ちしましょうか??」
「と言っても、麦茶ぐらいしかありませんけどね。」
沖奈が穏やかなムードに変える。
「それでしたら、私が取ってきます。」
こう述べた一帆に、
「じゃ、あーしも、お供するよ。」
「人数ぶん欲しいとこだしねッ。」
宮瑚留梨花が申し出た。
更には、
「アタシも行こうか?」
緋島早梨衣が訊ねたものの、
「大丈夫だよぉ、あーしと“くまりん”だけでぇ。」
宮瑚が断ったのである……。
冷蔵庫が置いてある隣室へ入った途端に、
「くまりぃ~ん、また“恋敵”が登場しちゃったね。」
宮瑚に指摘された一帆が、
「なんのことでしょう??」
白々しく惚けた。
「またまたぁ~。」
「いいのかなぁ? そんな調子でぇ。」
「うかうかしてると、あの副隊長に“さっくんたいちょー”を奪われるかもよ??」
〝ニヤニヤ〟しながら伝えた宮瑚に、一帆が〝ドキッ!〟とする。
宮瑚が面白がって、
「これは、もう、あれだねぇ~。」
「…、告るしかないっしょ?」
「“さっくんたいちょー”に。」
「〝大好きです〟〝付き合ってください〟って♪」
そのようにけしかけたら、〝ボッ!!〟と顔を赤くした一帆が、体を左へと向けるなり、壁に〝ズドンッ!〟と頭突きした。
まさに“電光石火”のリアクションに、
「やっぱ、あきないわぁー。」
おもわず笑ってしまった宮瑚である……。
▼
PM18:05過ぎ――。
[十三番隊]と[十四番隊]は、外に赴いていた。
沖奈が、
「お世話になりました。」
お礼を口にしたところ、
「あの、一つ宜しいでしょうか??」
“ボーイッシュな女性”が窺ったのである。
「はい? なんでしょう??」
半ば〝キョトン〟とする沖奈に、
「もし、皆さんがご迷惑でなければ、近日中に“飲み会”を開きませんか?」
「今回の慰労と、関東司令官たちとの対決を想定して親睦を深め団結を図っておきたいので。」
“黒髪ショートの隊員”が提案した。
「あぁー、成程。」
「悪くないですねぇ。」
「ですが…、普段の十四番隊は夜勤なので、無理なのでは??」
こう沖奈が返したら、
「我々の隊長に相談してみます。」
「参加するのは、今ここに居る四人だけなので、なんとかなるでしょう。」
“ボーイッシュな女性”が主張したのである。
「そうですか……。」
「でしたら、許可が下り次第、うちの事務所にお電話ください。」
「こちらもスケジュールを調整しますので。」
〝ニッコリ〟した沖奈に、
「はい、必ず。」
“黒髪ショートの隊員”が応えた。
約束が交わされたところで、
(でかした!! 富矩碼!)
心の中でガッツポーズする原城だった…。
[第十三番隊]と会釈し合った[第十四番隊]が、自分らの拠点へと歩いてゆく。
その最中に、富矩碼の背を、原城が左手で〝バン!! バン!!〟と叩きながら嬉しそうに喋っている。
おそらく、部下のファインプレーを褒めているのだろう。
これに視線を送る一帆は、どこか複雑そうにしているのであった―。
ここは、以前、大怪我させられた沖奈朔任隊長が完全に治癒してもらった診療所だ。
搬送された隊員らが、院長のスキルで次々と回復してもらっては、頭を下げて感謝していた……。
屋外にて。
「それでは…。」
「我々は、これにて。」
八幸隊長が告げ、
「ご協力、ありがとうございました。」
沖奈が返す。
そうして、[第十三番隊]と[第二百一番隊]のメンバーが、互いに会釈する。
この流れで、二台の車に別れた八幸たちは、敷地から去っていく。
それらを十三番隊が見送っていたところ、
「なかなか大変な状況になったらしいねぇ。」
いつの間にか足を運んできていた院長が、声をかけた。
後ろを振り向いて、
「ええ、まぁ。」
「……、できるだけ早いうちに関東司令官の身柄を押さえなければ、あとあと大惨事に繋がりかねないかもしれません。」
「上手くは説明できませんが、そのような予感がするんです。」
沖奈が胸騒ぎを吐露する。
「三上かい…。」
眉間に軽くシワを寄せた院長に、
「ご存知で??」
瞼を〝パチクリ〟する沖奈であった。
「まだアイツが平隊員だった頃は、妖魔との戦いで負傷しては治療を受けに来ていたもんだよ、ここに。」
「出世してからは現場に出なくなったのか、もう何年も顔を見せなくなったけどね。」
「それにしても……、何を考えているんだい? 三上のヤツは。」
こう院長に尋ねられ、
「残念ながら、僕達には、分かりません。」
沖奈が首を横に振る。
「ま、それもそうか。」
〝ふむ〟と頷いて、
「あんたら全員、何があっても死ぬんじゃないよ。」
目を細める院長だった…。
▼
[東京組第十三番隊]は、本拠地の“ビル”に帰還している。
事務室のドアを開けた沖奈が、応接用のソファに座っている二人を視界に捉え、
「おや??」
ふと足を止めた。
彼に気づいて、
「さくときゅん!」
勢いよく〝ガバッ!!〟と起立した女性に、
「原城さんたちが留守を預かってくださっていたのですか。」
「どうも、ご苦労様です。」
沖奈が微笑んだ。
〝ズッキュゥ―ン♡〟ときたらしい“十四番隊の副隊長”が、
「い、いいのよ、別にぃ~。」
おもいっきりデレる。
そのようなタイミングで、原城の対面に腰かけていた“黒髪ショートでボーイッシュな女性隊員”も立ち上がって、
「お疲れさまです。」
沖奈達に挨拶した。
十三番隊が〝ゾロゾロ〟と入室していくなかで、鐶倖々徠副隊長が、
「お二人は、こちらで、ずっと待機なさっていたのですか?」
素朴な疑問を投げかける。
「いえ、1時間ほど巡回した後に、二名の男性隊員と交代しました。」
「現在は彼らがパトロール中です。」
“黒髪ショートの女性”が答えたら、
「そうでしたか。」
理解を示した鐶が、
「これは失礼しました。」
お辞儀したのであった。
いささか気まずくなったところを、
「飲み物、お持ちしましょうか??」
「と言っても、麦茶ぐらいしかありませんけどね。」
沖奈が穏やかなムードに変える。
「それでしたら、私が取ってきます。」
こう述べた一帆に、
「じゃ、あーしも、お供するよ。」
「人数ぶん欲しいとこだしねッ。」
宮瑚留梨花が申し出た。
更には、
「アタシも行こうか?」
緋島早梨衣が訊ねたものの、
「大丈夫だよぉ、あーしと“くまりん”だけでぇ。」
宮瑚が断ったのである……。
冷蔵庫が置いてある隣室へ入った途端に、
「くまりぃ~ん、また“恋敵”が登場しちゃったね。」
宮瑚に指摘された一帆が、
「なんのことでしょう??」
白々しく惚けた。
「またまたぁ~。」
「いいのかなぁ? そんな調子でぇ。」
「うかうかしてると、あの副隊長に“さっくんたいちょー”を奪われるかもよ??」
〝ニヤニヤ〟しながら伝えた宮瑚に、一帆が〝ドキッ!〟とする。
宮瑚が面白がって、
「これは、もう、あれだねぇ~。」
「…、告るしかないっしょ?」
「“さっくんたいちょー”に。」
「〝大好きです〟〝付き合ってください〟って♪」
そのようにけしかけたら、〝ボッ!!〟と顔を赤くした一帆が、体を左へと向けるなり、壁に〝ズドンッ!〟と頭突きした。
まさに“電光石火”のリアクションに、
「やっぱ、あきないわぁー。」
おもわず笑ってしまった宮瑚である……。
▼
PM18:05過ぎ――。
[十三番隊]と[十四番隊]は、外に赴いていた。
沖奈が、
「お世話になりました。」
お礼を口にしたところ、
「あの、一つ宜しいでしょうか??」
“ボーイッシュな女性”が窺ったのである。
「はい? なんでしょう??」
半ば〝キョトン〟とする沖奈に、
「もし、皆さんがご迷惑でなければ、近日中に“飲み会”を開きませんか?」
「今回の慰労と、関東司令官たちとの対決を想定して親睦を深め団結を図っておきたいので。」
“黒髪ショートの隊員”が提案した。
「あぁー、成程。」
「悪くないですねぇ。」
「ですが…、普段の十四番隊は夜勤なので、無理なのでは??」
こう沖奈が返したら、
「我々の隊長に相談してみます。」
「参加するのは、今ここに居る四人だけなので、なんとかなるでしょう。」
“ボーイッシュな女性”が主張したのである。
「そうですか……。」
「でしたら、許可が下り次第、うちの事務所にお電話ください。」
「こちらもスケジュールを調整しますので。」
〝ニッコリ〟した沖奈に、
「はい、必ず。」
“黒髪ショートの隊員”が応えた。
約束が交わされたところで、
(でかした!! 富矩碼!)
心の中でガッツポーズする原城だった…。
[第十三番隊]と会釈し合った[第十四番隊]が、自分らの拠点へと歩いてゆく。
その最中に、富矩碼の背を、原城が左手で〝バン!! バン!!〟と叩きながら嬉しそうに喋っている。
おそらく、部下のファインプレーを褒めているのだろう。
これに視線を送る一帆は、どこか複雑そうにしているのであった―。
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