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38.隠伏
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先ほど三人の能力者と戦っていた場所にて。
逮捕された反社たちが、パトカーへと連れられていくなか、
「我々は、これから建物を含めた敷地内を徹底的に調査していきますので、皆さんはお帰りいただいて結構です。」
「ご協力ありがとうございました。」
宇山刑事が[H.H.S.O]に挨拶したのである。
「ご苦労様です。」
会釈した沖奈朔任隊長が、
「では、帰りましょうか。」
隈本一帆/宮瑚留梨花/意川敏矢といった隊員らと歩きだした。
「さくときゅ…、コホンッ。」
「さくと君、またね。」
[東京組第十四番隊]の副隊長に声をかけられ、
「あ、はい。」
「どうも、お疲れ様でした。」
沖奈が〝ニッコリ〟する。
その微笑みに〝ズッキューン♡〟ときたらしい原城に、どこか複雑そうな表情になる一帆だった……。
▼
AM11:00過ぎ。
筺健と緋島早梨衣が巡回から戻ってきたところで、沖奈が[漠皁組]の件を説明していく――。
「マジっすか?!」
「まぁーた、アタシがパトロールしてっ時に限って面白そうなことになって!」
「今回こそは参加したかったス!!」
あからさまに機嫌を損ねた緋島を、
「いや、四人とも大変だったみたいだから…、いささか不謹慎な感じがするぞ。」
筺が軽めに注意した。
「確かに、そうっすね。」
「すみませんした、隊長。」
「アタシが悪かったっす。」
謝罪した緋島に、
「いいえ、お気になさらず。」
沖奈が優しく返す。
「それで?」
「漠皁組の“若頭”は、どのようなスキルで姿を晦ましたのでしょうか??」
筺が素朴な疑問を口にしたら、
「そうですねぇ……。」
「〝テレポーテーション〟〝タイムストップ〟〝物質への擬態〟〝自身の存在を認識させない〟などが考えられるでしょうが、実際には分かりません。」
このように沖奈が答えたのである。
「そんなスキルがあるの?」
ディスク席より宮瑚が話しかけてきたところ、
「さぁ、どうでしょう??」
首を傾げた沖奈が、
「あくまで僕の仮説にすぎないので、別の可能性があるかもしれませんね。」
そう締め括ったのであった。
▼
PM20:00となり、十三番隊が解散していく…。
数分後に、本拠地の近くの[専用駐車場]に戻って来たのは、沖奈のようだ。
自身の車から降りた沖奈が、右隣に停まっている別の車の“助手席”に座る。
「人目を避けるためとはいえ、手間をお掛けして申し訳ございません。」
このように述べたのは、総監の“秘書”だった。
「いえいえ、総監の命令とあらば、仕方ありませんよ。」
苦笑いする沖奈に、
「早速ですが、本日の詳細を、お聞かせください。」
秘書が伺う。
「〝漠皁組に関して〟ですね。」
理解を示した沖奈が、
「実は――。」
一連の流れを報告していった。
同じ頃。
コンビニの[パーキングエリア]では、エンジンを止めた“原付バイク”に跨ったまま、ヘルメットを脱いだ意川が、上着のポケットの中からスマホを掴んだ。
「…………。」
「あー、もしもし?」
「お休みのとこ、すみませんね、鐶副隊長。」
「伝えておかないといけない事が、今朝がた発生しましたんで。」
そう語る意川であった。
とある駅にて。
「じゃ、くまりん。」
「あーしは“特急”に乗り換えるから、ここで。」
「おっつぅー☆」
手を振って電車からホームへと足を運ぶ宮瑚に、
「あ、はい。」
「おつかれさまでした。」
一帆が頭を下げる。
階段へと進んだ宮瑚は、ショルダーバッグからスマホを取り出した。
誰かに電話を掛けて、
「……。」
「…………。」
「……………………。」
「おっそぉーいッ!」
「なに!? ひょっとして、もう酔っ払ってんのッ??!」
怒りを露わにしたのである。
「まったく…。」
「え?」
「いや、トラブルってほどじゃないんだけど……、一応〝ミッツ―に教えておいたがいいかも〟と思ってさ。」
相手は間違いなく架浦聖徒であろう。
こうして、秘かに情報を共有していく“三派閥”だった…。
再びの車内では、
「……、その、“若頭”とは何者なのでしょう??」
「“H.H.S.O”に潜んでいるかもしれない敵と繋がっているとか?」
秘書に尋ねられ、
「んんー。」
「否定はできませんが、証拠が無いので、肯定もし兼ねます。」
沖奈が〝困り顔〟になる。
「そうですよね。」
納得した様子の秘書が、
「それにしても。」
「〝他者に見つからない能力〟とは…、厄介なのではありませんか??」
新たに質問したのであった。
それに対して、
「はい。」
「かなり。」
沖奈が静かに頷く。
しかし、次の瞬間には、
「ですが、まぁ、捜し出す方法はありますので、その人物の特徴も、総監の耳に入れておいてください。」
〝ニコッ〟としたのである……。
▼
五日が経った。
AM07:55あたりに、ビルの一階でエレベーターを待つ沖奈のスマホが鳴ったみたいだ。
「おはようございます。」
「…………、成程、そうですか。」
「動くとしたら明後日になりますので、総監にお知らせ願えますか?」
「…………、いえ、とりあえずは僕だけで探ってみます。」
「…………、大丈夫ですよ、危険そうであれば逃げますので。」
「…………、ええ、どうも、ありがとうございました。」
「それでは失礼します。」
穏やかに喋った後に電話を切り、いつになく真剣な目つきとなる沖奈だった―。
逮捕された反社たちが、パトカーへと連れられていくなか、
「我々は、これから建物を含めた敷地内を徹底的に調査していきますので、皆さんはお帰りいただいて結構です。」
「ご協力ありがとうございました。」
宇山刑事が[H.H.S.O]に挨拶したのである。
「ご苦労様です。」
会釈した沖奈朔任隊長が、
「では、帰りましょうか。」
隈本一帆/宮瑚留梨花/意川敏矢といった隊員らと歩きだした。
「さくときゅ…、コホンッ。」
「さくと君、またね。」
[東京組第十四番隊]の副隊長に声をかけられ、
「あ、はい。」
「どうも、お疲れ様でした。」
沖奈が〝ニッコリ〟する。
その微笑みに〝ズッキューン♡〟ときたらしい原城に、どこか複雑そうな表情になる一帆だった……。
▼
AM11:00過ぎ。
筺健と緋島早梨衣が巡回から戻ってきたところで、沖奈が[漠皁組]の件を説明していく――。
「マジっすか?!」
「まぁーた、アタシがパトロールしてっ時に限って面白そうなことになって!」
「今回こそは参加したかったス!!」
あからさまに機嫌を損ねた緋島を、
「いや、四人とも大変だったみたいだから…、いささか不謹慎な感じがするぞ。」
筺が軽めに注意した。
「確かに、そうっすね。」
「すみませんした、隊長。」
「アタシが悪かったっす。」
謝罪した緋島に、
「いいえ、お気になさらず。」
沖奈が優しく返す。
「それで?」
「漠皁組の“若頭”は、どのようなスキルで姿を晦ましたのでしょうか??」
筺が素朴な疑問を口にしたら、
「そうですねぇ……。」
「〝テレポーテーション〟〝タイムストップ〟〝物質への擬態〟〝自身の存在を認識させない〟などが考えられるでしょうが、実際には分かりません。」
このように沖奈が答えたのである。
「そんなスキルがあるの?」
ディスク席より宮瑚が話しかけてきたところ、
「さぁ、どうでしょう??」
首を傾げた沖奈が、
「あくまで僕の仮説にすぎないので、別の可能性があるかもしれませんね。」
そう締め括ったのであった。
▼
PM20:00となり、十三番隊が解散していく…。
数分後に、本拠地の近くの[専用駐車場]に戻って来たのは、沖奈のようだ。
自身の車から降りた沖奈が、右隣に停まっている別の車の“助手席”に座る。
「人目を避けるためとはいえ、手間をお掛けして申し訳ございません。」
このように述べたのは、総監の“秘書”だった。
「いえいえ、総監の命令とあらば、仕方ありませんよ。」
苦笑いする沖奈に、
「早速ですが、本日の詳細を、お聞かせください。」
秘書が伺う。
「〝漠皁組に関して〟ですね。」
理解を示した沖奈が、
「実は――。」
一連の流れを報告していった。
同じ頃。
コンビニの[パーキングエリア]では、エンジンを止めた“原付バイク”に跨ったまま、ヘルメットを脱いだ意川が、上着のポケットの中からスマホを掴んだ。
「…………。」
「あー、もしもし?」
「お休みのとこ、すみませんね、鐶副隊長。」
「伝えておかないといけない事が、今朝がた発生しましたんで。」
そう語る意川であった。
とある駅にて。
「じゃ、くまりん。」
「あーしは“特急”に乗り換えるから、ここで。」
「おっつぅー☆」
手を振って電車からホームへと足を運ぶ宮瑚に、
「あ、はい。」
「おつかれさまでした。」
一帆が頭を下げる。
階段へと進んだ宮瑚は、ショルダーバッグからスマホを取り出した。
誰かに電話を掛けて、
「……。」
「…………。」
「……………………。」
「おっそぉーいッ!」
「なに!? ひょっとして、もう酔っ払ってんのッ??!」
怒りを露わにしたのである。
「まったく…。」
「え?」
「いや、トラブルってほどじゃないんだけど……、一応〝ミッツ―に教えておいたがいいかも〟と思ってさ。」
相手は間違いなく架浦聖徒であろう。
こうして、秘かに情報を共有していく“三派閥”だった…。
再びの車内では、
「……、その、“若頭”とは何者なのでしょう??」
「“H.H.S.O”に潜んでいるかもしれない敵と繋がっているとか?」
秘書に尋ねられ、
「んんー。」
「否定はできませんが、証拠が無いので、肯定もし兼ねます。」
沖奈が〝困り顔〟になる。
「そうですよね。」
納得した様子の秘書が、
「それにしても。」
「〝他者に見つからない能力〟とは…、厄介なのではありませんか??」
新たに質問したのであった。
それに対して、
「はい。」
「かなり。」
沖奈が静かに頷く。
しかし、次の瞬間には、
「ですが、まぁ、捜し出す方法はありますので、その人物の特徴も、総監の耳に入れておいてください。」
〝ニコッ〟としたのである……。
▼
五日が経った。
AM07:55あたりに、ビルの一階でエレベーターを待つ沖奈のスマホが鳴ったみたいだ。
「おはようございます。」
「…………、成程、そうですか。」
「動くとしたら明後日になりますので、総監にお知らせ願えますか?」
「…………、いえ、とりあえずは僕だけで探ってみます。」
「…………、大丈夫ですよ、危険そうであれば逃げますので。」
「…………、ええ、どうも、ありがとうございました。」
「それでは失礼します。」
穏やかに喋った後に電話を切り、いつになく真剣な目つきとなる沖奈だった―。
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