31 / 60
31.暗雲・破
しおりを挟む
約25分後に、沖奈朔任隊長がタクシーを降りた所は、板橋区にある“元スクラップ工場”の出入口あたりだった。
ここは、[第二次妖魔大量発生]の際に、経営陣が亡くなってからというもの、閉鎖されているらしい。
[第一次]のときもそうであったが、“妖魔の大量発生”は、〝世界中いろんな地域で同時に勃発した〟との事だ。
沖奈は、今、幾つもの廃車が山積みになっている敷地を、注意深く進んでいる。
彼の視線の先には、トタン製の大きな建物が存在感を放っていた。
壁も鉄扉も錆びついており、全体的に茶色い。
その扉は、80㎝ほどだけ開かれている。
まるで沖奈を招くかのように。
(どうやら、あそこのようですね。)
察した沖奈は、落ち着いた様子で、“トタンの建物”へと歩いていくのであった…。
内は割と広めみたいだ。
天井には、笠つきの“電球ランプ”が、等間隔に設置されている。
「沖奈隊長!!」
彼の右斜め前から声をかけてきたのは、隈本一帆だった。
白の長袖シャツ/紺色で薄手のジャケット/ジーンズ/黒のスニーカーである彼女は、縦2M×横4Mの箱型といった[黒鉄の檻]に閉じ込められている。
「隈本さん!」
沖奈が気付いたところで、
「来たね。」
離れた位置より、10人ぐらいの男性たちを引き連れて、ある女性が近づいてきた。
女は、グレーの半袖シャツ・ブラックの指なし革手袋・迷彩柄のパンツ・ダークブラウンのショートブーツを、着用していた。
背丈は185㎝くらいで、筋肉質な体型だ。
ライトブラウンの髪を“三つ編み”にしている。
ラテン系なのか? 肌は小麦色であった。
年齢は30歳ぐらいであろう。
そんな彼女の後ろに控えている男どもは、明らかに“チンピラ”のようだ。
ある程度の距離を保って止まった集団を、
「あなた方は??」
「それに……、これは一体どういう状況なのでしょうか?」
沖奈が静かに睨みつけた。
このタイミングで、
「すみません。」
「一時間ほど前に電話が掛かってきまして、〝沖奈隊長が捕まっている〟とのことで、不審に思いながらも、私が信じてしまったばかりに、このような事態になってしまいました。」
一帆が申し訳なさそうにしたのである。
「つまり…、隈本さんを利用したというわけですか。」
「僕を誘き寄せるために。」
そう推理した沖奈に、
「ま、そうなるね。」
〝フッ〟と不敵な笑みを零す“リーダー格の女性”だった。
▼▽▼▽
話しは少し遡って、PM16:30頃のことである。
自宅に居た一帆のスマホが鳴った。
彼女もまた、“非通知”に怪しみながらも、取り敢えず応対したらしい。
内容としては、
『クマモトカズホ、ダナ??』
『オキナサクト、ヲ、アズカッタ。』
『カエシテ、ホシケレバ、コチラガ、シテイスルバショ、マデ、イマカラ、ヒトリデ、コイ。』
『イウコトヲ、キカナケレバ、オキナサクト、ノ、イノチハナイ、ゾ。』
このような具合で、沖奈のときと、あまり変わらなかったようだ。
どこか胡散臭さを感じながらも、〝事実だとしたら沖奈隊長を助けねば!!〟と考えた一帆は、急ぎ、家を飛び出したのである。
その後は、電車を乗り継いだりしながら、“元スクラップ工場”に辿り着いたのであった。
屋内へと足を運んだら、件の者らが待ち受けていたらしい。
慎重に間合いを詰めていき、
「沖奈隊長は、どこです?」
こう窺った一帆に、
「そこで止まりな。」
「隊長を殺されたくなければね。」
“マッチョな女性”が指示する。
「…………。」
致し方なく、それに従ったところ、
「動くんじゃないよ。」
「さもないと、隊長の安全は保障できない。」
と、脅されてしまったのである。
「卑劣な…。」
怒りを堪える一帆の、頭上から、〝ヒュ――、ガシャアンッ!!!!〟と[鉄の檻]が下降した。
「これは??」
眉をひそめた一帆に、
「悪いが、アンタには、沖奈を呼ぶためのエサになってもらうよ。」
女が冷酷に述べる。
その周囲では、男性陣がニヤついていた。
「……、そういう企みでしたか。」
理解した一帆が、
「しかし、予定どおりにはさせませんよ。」
「このような代物で、私を閉じ込め続けられるとでも?」
両の拳を合わせつつ、
「発動!」
スキルを用いた流れで、柵を左右に開こうと、“鉄の棒”を握るなり、〝ビリビリビリビリィ―ッ!!〟と感電したのである。
「ぁがッ?!」
まともにくらった一帆は、不覚にも“コンクリートの床”に両膝を着いてしまったのだった…。
▼▽▼▽
「細胞が十倍に活性化されていたので、火傷などは殆どありませんが……、“高圧電流”には勝てませんでした。」
このように報せた一帆が、いささか俯く。
見れば、檻の上部には、“太めの鎖”と“黒いケーブル”が付属していた。
おそらく、鎖は鉄檻を吊るすためのものであり、ケーブルで電気を供給しているのだろう。
ともあれ。
「経緯は分かりました。」
「が。」
「何故、僕たちを狙うんです?」
「あなた方とは初対面であり、遺恨などは無い筈ですが??」
沖奈が首を傾げたら、
「まぁ、“雇われの身”である私は、憎んでなんかいないさ。」
「ただ…、こっちの男たちは、アンタらを怨んでいるみたいだよ。」
「なにせ、“俟團組《きせんぐみ》”だからね。」
“ラテン系の女性”が伝えたのである。
「あー、……、組織が崩壊したきっかけとなった僕らへの復讐を果たしたいのですね?」
納得した沖奈が、
「で??」
「どうするつもりです?」
そう尋ねたところ、
「まず、腰の武器を、こっちに投げな。」
「おかしなマネしたら、嬢ちゃんが“蜂の巣”にされちまうよ。」
女が忠告するなり、反社どもが懐から取り出した[ハジキ]を、一帆へと向けた。
軽く〝ふぅー〟と息を吐いた沖奈が、観念したかのように、自分の[ピストル]と[スタンガン式警棒]を掴む。
「いけません! 沖奈隊長!!」
「私はどうなっても構いませんので、戦ってください!」
焦りながら願った一帆は、
「そうはいきませんよ。」
「僕は、隊長として、貴女を護る義務と責任があるのですよ、隈本さん。」
優しく微笑む沖奈に、いつもの如く〝キュン♡〟としたものの、すぐに〝そんな場合ではない〟と思い直したようだ。
とは言え…、為す術のない一帆であった―。
ここは、[第二次妖魔大量発生]の際に、経営陣が亡くなってからというもの、閉鎖されているらしい。
[第一次]のときもそうであったが、“妖魔の大量発生”は、〝世界中いろんな地域で同時に勃発した〟との事だ。
沖奈は、今、幾つもの廃車が山積みになっている敷地を、注意深く進んでいる。
彼の視線の先には、トタン製の大きな建物が存在感を放っていた。
壁も鉄扉も錆びついており、全体的に茶色い。
その扉は、80㎝ほどだけ開かれている。
まるで沖奈を招くかのように。
(どうやら、あそこのようですね。)
察した沖奈は、落ち着いた様子で、“トタンの建物”へと歩いていくのであった…。
内は割と広めみたいだ。
天井には、笠つきの“電球ランプ”が、等間隔に設置されている。
「沖奈隊長!!」
彼の右斜め前から声をかけてきたのは、隈本一帆だった。
白の長袖シャツ/紺色で薄手のジャケット/ジーンズ/黒のスニーカーである彼女は、縦2M×横4Mの箱型といった[黒鉄の檻]に閉じ込められている。
「隈本さん!」
沖奈が気付いたところで、
「来たね。」
離れた位置より、10人ぐらいの男性たちを引き連れて、ある女性が近づいてきた。
女は、グレーの半袖シャツ・ブラックの指なし革手袋・迷彩柄のパンツ・ダークブラウンのショートブーツを、着用していた。
背丈は185㎝くらいで、筋肉質な体型だ。
ライトブラウンの髪を“三つ編み”にしている。
ラテン系なのか? 肌は小麦色であった。
年齢は30歳ぐらいであろう。
そんな彼女の後ろに控えている男どもは、明らかに“チンピラ”のようだ。
ある程度の距離を保って止まった集団を、
「あなた方は??」
「それに……、これは一体どういう状況なのでしょうか?」
沖奈が静かに睨みつけた。
このタイミングで、
「すみません。」
「一時間ほど前に電話が掛かってきまして、〝沖奈隊長が捕まっている〟とのことで、不審に思いながらも、私が信じてしまったばかりに、このような事態になってしまいました。」
一帆が申し訳なさそうにしたのである。
「つまり…、隈本さんを利用したというわけですか。」
「僕を誘き寄せるために。」
そう推理した沖奈に、
「ま、そうなるね。」
〝フッ〟と不敵な笑みを零す“リーダー格の女性”だった。
▼▽▼▽
話しは少し遡って、PM16:30頃のことである。
自宅に居た一帆のスマホが鳴った。
彼女もまた、“非通知”に怪しみながらも、取り敢えず応対したらしい。
内容としては、
『クマモトカズホ、ダナ??』
『オキナサクト、ヲ、アズカッタ。』
『カエシテ、ホシケレバ、コチラガ、シテイスルバショ、マデ、イマカラ、ヒトリデ、コイ。』
『イウコトヲ、キカナケレバ、オキナサクト、ノ、イノチハナイ、ゾ。』
このような具合で、沖奈のときと、あまり変わらなかったようだ。
どこか胡散臭さを感じながらも、〝事実だとしたら沖奈隊長を助けねば!!〟と考えた一帆は、急ぎ、家を飛び出したのである。
その後は、電車を乗り継いだりしながら、“元スクラップ工場”に辿り着いたのであった。
屋内へと足を運んだら、件の者らが待ち受けていたらしい。
慎重に間合いを詰めていき、
「沖奈隊長は、どこです?」
こう窺った一帆に、
「そこで止まりな。」
「隊長を殺されたくなければね。」
“マッチョな女性”が指示する。
「…………。」
致し方なく、それに従ったところ、
「動くんじゃないよ。」
「さもないと、隊長の安全は保障できない。」
と、脅されてしまったのである。
「卑劣な…。」
怒りを堪える一帆の、頭上から、〝ヒュ――、ガシャアンッ!!!!〟と[鉄の檻]が下降した。
「これは??」
眉をひそめた一帆に、
「悪いが、アンタには、沖奈を呼ぶためのエサになってもらうよ。」
女が冷酷に述べる。
その周囲では、男性陣がニヤついていた。
「……、そういう企みでしたか。」
理解した一帆が、
「しかし、予定どおりにはさせませんよ。」
「このような代物で、私を閉じ込め続けられるとでも?」
両の拳を合わせつつ、
「発動!」
スキルを用いた流れで、柵を左右に開こうと、“鉄の棒”を握るなり、〝ビリビリビリビリィ―ッ!!〟と感電したのである。
「ぁがッ?!」
まともにくらった一帆は、不覚にも“コンクリートの床”に両膝を着いてしまったのだった…。
▼▽▼▽
「細胞が十倍に活性化されていたので、火傷などは殆どありませんが……、“高圧電流”には勝てませんでした。」
このように報せた一帆が、いささか俯く。
見れば、檻の上部には、“太めの鎖”と“黒いケーブル”が付属していた。
おそらく、鎖は鉄檻を吊るすためのものであり、ケーブルで電気を供給しているのだろう。
ともあれ。
「経緯は分かりました。」
「が。」
「何故、僕たちを狙うんです?」
「あなた方とは初対面であり、遺恨などは無い筈ですが??」
沖奈が首を傾げたら、
「まぁ、“雇われの身”である私は、憎んでなんかいないさ。」
「ただ…、こっちの男たちは、アンタらを怨んでいるみたいだよ。」
「なにせ、“俟團組《きせんぐみ》”だからね。」
“ラテン系の女性”が伝えたのである。
「あー、……、組織が崩壊したきっかけとなった僕らへの復讐を果たしたいのですね?」
納得した沖奈が、
「で??」
「どうするつもりです?」
そう尋ねたところ、
「まず、腰の武器を、こっちに投げな。」
「おかしなマネしたら、嬢ちゃんが“蜂の巣”にされちまうよ。」
女が忠告するなり、反社どもが懐から取り出した[ハジキ]を、一帆へと向けた。
軽く〝ふぅー〟と息を吐いた沖奈が、観念したかのように、自分の[ピストル]と[スタンガン式警棒]を掴む。
「いけません! 沖奈隊長!!」
「私はどうなっても構いませんので、戦ってください!」
焦りながら願った一帆は、
「そうはいきませんよ。」
「僕は、隊長として、貴女を護る義務と責任があるのですよ、隈本さん。」
優しく微笑む沖奈に、いつもの如く〝キュン♡〟としたものの、すぐに〝そんな場合ではない〟と思い直したようだ。
とは言え…、為す術のない一帆であった―。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
ワガママ令嬢に転生かと思ったら王妃選定が始まり私は咬ませ犬だった
天冨七緒
恋愛
交通事故にあって目覚めると見知らぬ人間ばかり。
私が誰でここがどこなのか、部屋に山積みされていた新聞で情報を得れば、私は数日後に始まる王子妃選定に立候補している一人だと知る。
辞退を考えるも次期王妃となるこの選定は、必ず行われなければならず人数が揃わない限り辞退は許されない。
そして候補の一人は王子の恋人。
新聞の見出しも『誰もが認める王子の恋人とワガママで有名な女が王妃の座を巡る』とある。
私は結局辞退出来ないまま、王宮へ移り王妃選定に参加する…そう、参加するだけ…
心変わりなんてしない。
王子とその恋人の幸せを祈りながら私は王宮を去ると決めている…
読んでくださりありがとうございます。
感想を頂き続編…らしき話を執筆してみました。本編とは違い、ミステリー…重たい話になっております。
完結まで書き上げており、見直ししてから公開予定です。一日4・5話投稿します。夕方の時間は未定です。
よろしくお願いいたします。
それと、もしよろしければ感想や意見を頂ければと思っております。
書きたいものを全部書いてしまった為に同じ話を繰り返しているや、ダラダラと長いと感じる部分、後半は謎解きのようにしたのですが、ヒントをどれだけ書くべきか書きすぎ等も意見を頂ければと思います。
宜しくお願いします。

婚約者が実は私を嫌っていたので、全て忘れる事にしました
Kouei
恋愛
私セイシェル・メルハーフェンは、
あこがれていたルパート・プレトリア伯爵令息と婚約できて幸せだった。
ルパート様も私に歩み寄ろうとして下さっている。
けれど私は聞いてしまった。ルパート様の本音を。
『我慢するしかない』
『彼女といると疲れる』
私はルパート様に嫌われていたの?
本当は厭わしく思っていたの?
だから私は決めました。
あなたを忘れようと…
※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。

魔喰のゴブリン~最弱から始まる復讐譚~
岡本剛也
ファンタジー
駆け出しの冒険者であるシルヴァ・ベルハイスは、ダンジョン都市フェルミでダンジョン攻略を生業としていた。
順風満帆とはいかないものの、着実に力をつけてシルバーランク昇格。
そしてついに一つの壁とも言われる十階層の突破を成し遂げた。
仲間との絆も深まり、ここから冒険者としての明るい未来が待っていると確信した矢先——とある依頼が舞い込んできた。
その依頼とは勇者パーティの荷物持ちの依頼。
勇者の戦闘を近くで見られることができ、高い報酬ということもあって引き受けたのだが、この一回の依頼がシルヴァを地獄の底に叩き落されることとなった。
ダンジョン内で勇者達からゴミのような扱いを受け、信頼していた仲間にからも見放され……ダンジョンの奥地に放置されたシルヴァは、匂いに釣られてやってきた魔物に襲われた。
魔物に食われながら、シルヴァが心の底から願ったのは勇者への復讐。
そんな願いが叶ったのか、それとも叶わなかったのか。
事実のほどは神のみぞ知るが、シルヴァは記憶を持ったままとある魔物に転生した。
その魔物とは、最弱と名高いゴブリン。
追い打ちをかけるような最悪な状況に常人なら心が折れてもおかしくない中、シルヴァは折れることなく勇者への復讐を掲げた。
これは最弱のゴブリンに転生したシルヴァが、最強である勇者への復讐を果たす物語。


投獄された聖女は祈るのをやめ、自由を満喫している。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「偽聖女リーリエ、おまえとの婚約を破棄する。衛兵、偽聖女を地下牢に入れよ!」
リーリエは喜んだ。
「じゆ……、じゆう……自由だわ……!」
もう教会で一日中祈り続けなくてもいいのだ。

オウマは辺境に行きたい~適当なコトを言って、左遷希望中~
ブラックベリィ
ファンタジー
オウマと呼ばれる神官は、常に辺境へと行きたいと思っていた。
が、彼を溺愛する父親は、あの手この手を使って、オウマの野望?を阻止する。
オウマは、父親の溺愛を振り切って、辺境へと旅立つ………コトができるかな?
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる