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素直なキモチ
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「お前、どうしたの?あれから半年経って、もうここには帰ってこないと思っていたのに」
目の前にいるさよりの姿を見て、茫然とした恭介は、思わず、持っていたカバンと弁当を落としてしまった。
「あら、弁当買ってきたの?せっかく作ってたのに、夕食」
「だって、さよりからのLINEも電話も、何も入っていないんだもん」
「そうね。突然だもんね。ごめんね、連絡しておけばよかったね」
そういうとさよりは、カバンと弁当を拾い、テーブルの所へと持ち去った。
長かった髪は肩のあたりまで短くなり、以前よりもちょっとボーイッシュなイメージになった。
「さ、食べよ。恭介くんが買ってきた弁当も、勿体無いから、おかずにしながら食べようよ」
テーブルには、ご飯と豚肉の生姜焼きと味噌汁が載っていた。
「いただきます」
以前は料理が苦手だったさよりだったが、生姜焼きを一口食してみると、タレの風味も香ばしく、肉も柔らかく焼き上がっていて、なかなか美味しい。
シンプルなレシピながら、だいぶ腕を上げているようであった。
食べている最中、さよりの額の上の方に、大きな絆創膏が貼ってあることに気づいた。前髪を垂らして隠しているようだが、髪の毛の隙間から、絆創膏がはっきりと見て取れた。
「さより、額の絆創膏は一体どうしたんだ?」
「見えちゃった?隠そうとして前髪を下ろしてたんだけど」
さよりは、バレたかというような表情で、ちょっと舌を出して笑った。
「彼と、喧嘩したんだ」
「彼?」
「前に話した、昔好きだった人のこと。大学時代のサークルの2年先輩でね、伊賀徹也っていうんだけど。同じ大学の工学部出身で、大学院まで行って、その後大手建設会社に入ってね。高層ビルやマンション建築の設計関係の仕事してるんだ。2年前にシンガポールでの仕事が入って、それっきりずっと音信不通だったの。で、帰国して、私がピアノ弾きのバイトをしているレストランにやってきて」
「そこで、復縁しようと思ったの?」
「うん」
「そうか」
「徹也くん、私が恭介くんと結婚することを受け入れられなくて。別れろって何度も迫られて。私、すごく辛くなって、あなたに会うのも段々辛くなってきちゃって。でも、彼が私を一途に思う気持ち、すごく嬉しかった。ずっと離れてたけど、私のこと、覚えててくれたんだ、好きでいてくれたんだって」
さよりはうつむいて、徐々に話のトーンが下がってきた。
「恭介くんと別れた後、徹也くんに恭介くんとの結婚を保留したことを話したら、彼、すごく嬉しがって。その後お付き合いが再開したんだ。でもさ……」
「ん?何か?何かあったのか?」
「私をすごく束縛するようになったんだ。どこにもお前を行かせない、婚約者という奴が目の前に現れたら、ぶっ殺してやるって言って」
「ええ?マジで?俺、ぶっ殺されるんだ?」
震え上がる恭介を見て、さよりはクスッと笑いながら、口を開いた。
「大丈夫よ。だって彼とはもう、別れたんだ」
「別れた?」
そういうと、さよりは額の絆創膏を見せてくれた。さらに、スカートを少し捲りあげ、右腿に巻かれた包帯を見せてくれた。
「彼とは大喧嘩しちゃった。すごく感情的になって、私を殴って蹴って。彼、シンガポールの同じ営業所に勤めていた女性を好きになって、付き合ってたんだって。でも、上手く行かなくなって別れて、辞令が出て失意のまま帰国して……だから、心の支えが、私だったみたい。私を失うのが怖かったんだって」
「彼の束縛に耐えられなくなって、別れようとして、喧嘩になったんだね」
「そうなのよ。私、徹也くんの命令で、恭介くんを電話して呼び出そうと思った。でも、自分の心に素直になって、徹也くんと付き合うことを決めたのは私だから、私が自分でその決断に、責任を負わなくちゃいけないって思って…。だから、電話しないで、自分で全て解決しようと思ったの」
恭介は次第にいたたまれなくなり、震える拳を握りしめ、目から涙がこぼれ堕ちてしまった。
「馬鹿だな。責任なんて一人で背負うなよ!俺が居るんだから、俺をもっと頼ってくれよ!自分に素直になって選んだことだからって、責任まで負わなくたっていいんだよ、自分の身体、自分の命の方がもっと大事だろ?」
さよりは、うつむいたまま鼻をすすり、声を出して泣き出してしまった。
「さより、ごめん。お互い落ち着いてから、話の続きをしようか」
さよりは小さく頷いた。
夕食を食べ終え、片付けた後、2人でソファに腰掛け、お茶を飲みながらテレビを見始めた所で、さよりは再び、話し始めた。
「徹也くん、私をさんざん殴った後、私を置き去りにしてそのままどっかに行っちゃったんだ。親は傷だらけの私を見てびっくりして、警察にも相談してくれて。その後は何にも無いんだけど、しばらくは外出するのが怖くて、1ヶ月位仕事休んで家で引きこもってて。やっと外出するようになった後も、髪型変えて、メガネかけたりして。かなり変装して出歩いていたんだ」
さよりは、ボブヘアにした髪を何度も触りながら、ちょっとだけ笑った。
「それで髪を、切ったんだね」
「似合う?ずっと伸ばしてたんだけど、半分くらい切っちゃったの」
「うん、可愛いよ。さよりの丸い顔がもっとまんまるに見えるから」
「何よそれ、褒めてるの?」
「一応、褒め言葉だよ。俺なりの」
恭介は笑いながら、さよりの髪をなでた。
「でもさ、思い返すと俺、さよりに無責任なこと、言ったかも。あの時、自分の気持ちに素直になんて突き放すようなことを言わず、俺のそばを離れるなって言って、引き留めておけば良かったんだ。そうでなければ、さよりがそんな痛い目に合わないで済んだのに」
さよりはしばらく物思いに耽った顔をし、ちょっとため息を付いた後に
「ううん、私以前、恭介くんに言ったよね?嘘を付く人は嫌いだって。だから、恭介くんは、そんな私の気持ちを分かってくれてたんだと思った。お互いに嘘で固めて、繕っても、いずれギクシャクするだけだったと思う。それにさ、徹也くんがシンガポールに行って離れ離れになり、音信不通になった時、すごく寂しくって…。そして、徹也くんが帰ってきて、せっかく決まった恭介くんとの結婚を突然保留にしてさ……周りを振り回してる無責任な人間は、他ならぬ私だよ」
さよりは、テレビに視線を向けながらも、申し訳無さそうな顔で、目を閉じながら恭介への気持ちを口にした。
「じゃあ、おあいこってことか。悪い意味でだけど」
恭介は笑いながら、さよりを向いて語りかけた。
「そうだね」さよりも笑って、恭介の方に視線を合わせた。
「恭介くんに、ずっと会いたかった。でも、しばらくは怖くて外出できなかったし、気分も落ち着かなかった。そして何より、ケガしてアザだらけの顔なんて見せたくなかったから」
「き、気にすんなよ、俺はアザだらけであろうと、さよりを受け入れるよ」
「でも、イメージ壊しちゃいそうで嫌だった。すごく腫れぼったい顔してたんだよ私。家にいる間はずーっとやることがなくて、料理を勉強してたの。今まで、恭介くんになかなか美味しいものを食べさせてあげられなくて。だから、料理本を読んで勉強したり、お母さんに聞いたりして、練習に練習を重ね、何とか人並みになったかなあ?って感じかな」
「そうか。だから、今日の生姜焼き、すごく美味しいって感じたわけだ」
「ホント?嬉しいな、料理の得意な恭介くんに言われるとすごく嬉しいかも」
さっきまでどこか悲しげな表情をしていたさよりは、すっかり穏やかでにこやかな、いつものさよりの表情に戻っていた。
「恭介くん、私、今の素直な気持ち、言っていい?」
「ああ、いいよ。でも、何だか怖いなあ」
さよりはリスのようにクスッと笑い、そして恭介に顔を近づけた。
「恭介くん、だ~い好き!」
そういうと、恭介の頬にキスした。
「さ、さより!?」
恭介は突然のキスにたじろぎながら、さよりの耳元で尋ねた。
「さより、俺……。俺の素直な気持ちも、言っていいか?」
「いいけど、恭介くんの答えを聞くの、何だか怖いな」
「俺も……大好きだよ」
「嬉しい!」
さよりと恭介は、腕を互いの肩に置き、ゆっくりと唇を重ね合わせた。
水槽のメダカ達は、夜も遅いせいか、底に集まり、すっかりおやすみモードである。ついこないだまで離れて休んでいたたえ子とジョリーは、この日は互いの体をくっつけ、寄り添うように休んでいた。
目の前にいるさよりの姿を見て、茫然とした恭介は、思わず、持っていたカバンと弁当を落としてしまった。
「あら、弁当買ってきたの?せっかく作ってたのに、夕食」
「だって、さよりからのLINEも電話も、何も入っていないんだもん」
「そうね。突然だもんね。ごめんね、連絡しておけばよかったね」
そういうとさよりは、カバンと弁当を拾い、テーブルの所へと持ち去った。
長かった髪は肩のあたりまで短くなり、以前よりもちょっとボーイッシュなイメージになった。
「さ、食べよ。恭介くんが買ってきた弁当も、勿体無いから、おかずにしながら食べようよ」
テーブルには、ご飯と豚肉の生姜焼きと味噌汁が載っていた。
「いただきます」
以前は料理が苦手だったさよりだったが、生姜焼きを一口食してみると、タレの風味も香ばしく、肉も柔らかく焼き上がっていて、なかなか美味しい。
シンプルなレシピながら、だいぶ腕を上げているようであった。
食べている最中、さよりの額の上の方に、大きな絆創膏が貼ってあることに気づいた。前髪を垂らして隠しているようだが、髪の毛の隙間から、絆創膏がはっきりと見て取れた。
「さより、額の絆創膏は一体どうしたんだ?」
「見えちゃった?隠そうとして前髪を下ろしてたんだけど」
さよりは、バレたかというような表情で、ちょっと舌を出して笑った。
「彼と、喧嘩したんだ」
「彼?」
「前に話した、昔好きだった人のこと。大学時代のサークルの2年先輩でね、伊賀徹也っていうんだけど。同じ大学の工学部出身で、大学院まで行って、その後大手建設会社に入ってね。高層ビルやマンション建築の設計関係の仕事してるんだ。2年前にシンガポールでの仕事が入って、それっきりずっと音信不通だったの。で、帰国して、私がピアノ弾きのバイトをしているレストランにやってきて」
「そこで、復縁しようと思ったの?」
「うん」
「そうか」
「徹也くん、私が恭介くんと結婚することを受け入れられなくて。別れろって何度も迫られて。私、すごく辛くなって、あなたに会うのも段々辛くなってきちゃって。でも、彼が私を一途に思う気持ち、すごく嬉しかった。ずっと離れてたけど、私のこと、覚えててくれたんだ、好きでいてくれたんだって」
さよりはうつむいて、徐々に話のトーンが下がってきた。
「恭介くんと別れた後、徹也くんに恭介くんとの結婚を保留したことを話したら、彼、すごく嬉しがって。その後お付き合いが再開したんだ。でもさ……」
「ん?何か?何かあったのか?」
「私をすごく束縛するようになったんだ。どこにもお前を行かせない、婚約者という奴が目の前に現れたら、ぶっ殺してやるって言って」
「ええ?マジで?俺、ぶっ殺されるんだ?」
震え上がる恭介を見て、さよりはクスッと笑いながら、口を開いた。
「大丈夫よ。だって彼とはもう、別れたんだ」
「別れた?」
そういうと、さよりは額の絆創膏を見せてくれた。さらに、スカートを少し捲りあげ、右腿に巻かれた包帯を見せてくれた。
「彼とは大喧嘩しちゃった。すごく感情的になって、私を殴って蹴って。彼、シンガポールの同じ営業所に勤めていた女性を好きになって、付き合ってたんだって。でも、上手く行かなくなって別れて、辞令が出て失意のまま帰国して……だから、心の支えが、私だったみたい。私を失うのが怖かったんだって」
「彼の束縛に耐えられなくなって、別れようとして、喧嘩になったんだね」
「そうなのよ。私、徹也くんの命令で、恭介くんを電話して呼び出そうと思った。でも、自分の心に素直になって、徹也くんと付き合うことを決めたのは私だから、私が自分でその決断に、責任を負わなくちゃいけないって思って…。だから、電話しないで、自分で全て解決しようと思ったの」
恭介は次第にいたたまれなくなり、震える拳を握りしめ、目から涙がこぼれ堕ちてしまった。
「馬鹿だな。責任なんて一人で背負うなよ!俺が居るんだから、俺をもっと頼ってくれよ!自分に素直になって選んだことだからって、責任まで負わなくたっていいんだよ、自分の身体、自分の命の方がもっと大事だろ?」
さよりは、うつむいたまま鼻をすすり、声を出して泣き出してしまった。
「さより、ごめん。お互い落ち着いてから、話の続きをしようか」
さよりは小さく頷いた。
夕食を食べ終え、片付けた後、2人でソファに腰掛け、お茶を飲みながらテレビを見始めた所で、さよりは再び、話し始めた。
「徹也くん、私をさんざん殴った後、私を置き去りにしてそのままどっかに行っちゃったんだ。親は傷だらけの私を見てびっくりして、警察にも相談してくれて。その後は何にも無いんだけど、しばらくは外出するのが怖くて、1ヶ月位仕事休んで家で引きこもってて。やっと外出するようになった後も、髪型変えて、メガネかけたりして。かなり変装して出歩いていたんだ」
さよりは、ボブヘアにした髪を何度も触りながら、ちょっとだけ笑った。
「それで髪を、切ったんだね」
「似合う?ずっと伸ばしてたんだけど、半分くらい切っちゃったの」
「うん、可愛いよ。さよりの丸い顔がもっとまんまるに見えるから」
「何よそれ、褒めてるの?」
「一応、褒め言葉だよ。俺なりの」
恭介は笑いながら、さよりの髪をなでた。
「でもさ、思い返すと俺、さよりに無責任なこと、言ったかも。あの時、自分の気持ちに素直になんて突き放すようなことを言わず、俺のそばを離れるなって言って、引き留めておけば良かったんだ。そうでなければ、さよりがそんな痛い目に合わないで済んだのに」
さよりはしばらく物思いに耽った顔をし、ちょっとため息を付いた後に
「ううん、私以前、恭介くんに言ったよね?嘘を付く人は嫌いだって。だから、恭介くんは、そんな私の気持ちを分かってくれてたんだと思った。お互いに嘘で固めて、繕っても、いずれギクシャクするだけだったと思う。それにさ、徹也くんがシンガポールに行って離れ離れになり、音信不通になった時、すごく寂しくって…。そして、徹也くんが帰ってきて、せっかく決まった恭介くんとの結婚を突然保留にしてさ……周りを振り回してる無責任な人間は、他ならぬ私だよ」
さよりは、テレビに視線を向けながらも、申し訳無さそうな顔で、目を閉じながら恭介への気持ちを口にした。
「じゃあ、おあいこってことか。悪い意味でだけど」
恭介は笑いながら、さよりを向いて語りかけた。
「そうだね」さよりも笑って、恭介の方に視線を合わせた。
「恭介くんに、ずっと会いたかった。でも、しばらくは怖くて外出できなかったし、気分も落ち着かなかった。そして何より、ケガしてアザだらけの顔なんて見せたくなかったから」
「き、気にすんなよ、俺はアザだらけであろうと、さよりを受け入れるよ」
「でも、イメージ壊しちゃいそうで嫌だった。すごく腫れぼったい顔してたんだよ私。家にいる間はずーっとやることがなくて、料理を勉強してたの。今まで、恭介くんになかなか美味しいものを食べさせてあげられなくて。だから、料理本を読んで勉強したり、お母さんに聞いたりして、練習に練習を重ね、何とか人並みになったかなあ?って感じかな」
「そうか。だから、今日の生姜焼き、すごく美味しいって感じたわけだ」
「ホント?嬉しいな、料理の得意な恭介くんに言われるとすごく嬉しいかも」
さっきまでどこか悲しげな表情をしていたさよりは、すっかり穏やかでにこやかな、いつものさよりの表情に戻っていた。
「恭介くん、私、今の素直な気持ち、言っていい?」
「ああ、いいよ。でも、何だか怖いなあ」
さよりはリスのようにクスッと笑い、そして恭介に顔を近づけた。
「恭介くん、だ~い好き!」
そういうと、恭介の頬にキスした。
「さ、さより!?」
恭介は突然のキスにたじろぎながら、さよりの耳元で尋ねた。
「さより、俺……。俺の素直な気持ちも、言っていいか?」
「いいけど、恭介くんの答えを聞くの、何だか怖いな」
「俺も……大好きだよ」
「嬉しい!」
さよりと恭介は、腕を互いの肩に置き、ゆっくりと唇を重ね合わせた。
水槽のメダカ達は、夜も遅いせいか、底に集まり、すっかりおやすみモードである。ついこないだまで離れて休んでいたたえ子とジョリーは、この日は互いの体をくっつけ、寄り添うように休んでいた。
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