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第5章 クトゥルフ再始動

第104話 ローザの実戦

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 国境の兵士達との戦いが始まった。
 これ、なんか流れで戦う感じになっちゃったけど、大丈夫なんだろうか。
 いや、相手が相当あたおかなので、素直に通れないのは仕方ないにしても。
 事後処理的な意味で。面倒な事にならないかね?

 「まっ、いっか。後の事はその時のレイモンド君がなんとかしてくれるだろう。その場凌ぎに定評がある事だしね。きっと上手くやってくれるさ」

 そんな事よりも今はローザの勇姿を見守らないと。あんな可愛らしいパピーだったのに、今は立派な狼してらっしゃる。

 「ローザ、中々腕を上げたわね? 魔法剣もサマになってるじゃない」

 「えへへ。びっくりした? 頑張って練習したんだよ!」

 なんてほのぼの師妹トークを交わしながら、しっかりと殺しをこなしてらっしゃる。
 人の命を奪ってる事に何も感じてない模様。
 それはそれでどうなんだ。育て方を間違ったかしらん? 裏社会に染まりすぎたかも?
 それともこれが異世界のスタンダードなのかね。
 俺ちゃんには分かりませんな。

 合計30人ぐらいかな? とりあえず逃げられたら面倒な事になるのは間違いないので、逃がさないようにして、結局全員殺しました。

 「ローザどうだった?」

 「いつもの訓練の方が楽しかった!」

 そういう事を聞いたんじゃないんだけど。
 うーん。まぁ、良し! 実戦デビューおめでとう。今度お祝いだ! もしかしたら時間が経ってから自覚するタイプかもしれん。ちょっと様子見だな。カタリーナにお願いしよう。

 「さて。死体はとりあえず燃やすとして。この後どうすっかね」

 国境に誰も居ないってのはどうなんだろ。
 やっぱりまずいよねぇ。

 こんなときこそ年長者の知恵をと思ってアンジーを見てみるとローザときゃっきゃしてる。
 全く、いい歳して何やってんだか。
 ………。なんか殺気が…。

 「うん。うん。そうしよう」

 冷や汗をかきながら必死に考えました。
 我ながら悪くない案が浮かんだぞ。

 「国境なんて元から無かったんや」

 死体処理して、この門とか全部壊しちゃおう。
 更地にして普通の街道っぽくしちゃえば良い。
 無かった事にしちゃうぜ。

 「向こうの兵士達の人に何か聞かれても国境なんてありませんでしたよで通そう。うん。それが良い。いやぁ。やっぱり俺って冴えてるな」

 はーい。みんな集まってー。ここ壊すよー。



 「どうもご苦労をおかけします」

 「いえ、それは構いませんが。一体どうしてこうなったんですか?」

 カタリーナを呼びました。土の大精霊さんにお願いしたら一瞬でしたわい。
 ほんと精霊って便利ねー。

 「かくかくしかじかまるまるうまうま」

 「なるほど」

 事情を説明したらカタリーナさんに呆れた様な目で見られた。
 でも俺は悪くない。強いて言えば異世界民の頭が悪いんだよ。意味分からない理論で襲い掛かってきたからね。こっちとしても抗戦するしかない訳で。

 「それよりも忍術猫娘の様子はどう?」

 「特にこれといっては。他の面々と同様にメンタルケアをしながら徐々にですね」

 話を変える為にアリーナの事について聞いてみたんだけど。まぁ、まだ数日しか経ってないしそんなもんだよね。

 「とりあえず隣国の街に着いたら拠点を確保して転移装置を設置するし、その時に秘密基地に帰って詳しく聞いてみるか。忍術が楽しみで仕方ない」

 「聞いた事ないので手探りになると思いますが?」

 馬鹿言っちゃいけねぇ。忍者の国出身を舐めてもらっては困るぜ。俺も昔は忍者になる為に色々な訓練をしたものだ。その時の経験をまるっと話せば解決よ。JAPANには忍者の教科書がたくさんあるんだぜ? NARUT○とかNARUT○とかNARUT○とかね。

 「一つしか無いじゃないですか」

 「BORUT○もありますぅー」

 他って何かあったかな。バジリス○しか思い浮かばんのだが。見よ豹馬! つって。


 「じゃあ私達は戻りますね。もう隣国につくまでは問題を起こさないで下さい」

 カタリーナはローザを抱えて帰って行った。
 まぁ、俺が転移で飛ばしたんだが。
 ローザが馬車の中に隠れて帰ろうとしなかったからな。残念ながら尻尾が見えてました。可愛い。

 「さてさて隣国に向けて出発だ!」

 カタリーナに釘も刺されたからね。
 ここからは素直に街まで辿り着きたいところ。
 こういうのをなんて言うかご存知ですか?

 はい、そうフラグですね。
 皆さんが優秀そうで何よりです。
 お約束を踏襲しすぎてるこの異世界。
 何かストーリーでもあるのではってぐらいには、色々なお約束が張り巡らされてる訳ですが。
 フラグもしっかり回収してくれるんですねぇ。

 国境があった場所から約三日。
 隣国側の国境はあっさり抜けれたし、これは余裕では? なんて思ったのもいけなかったのでしょう。街まで後1日もないって事で気を抜いていました。

 「この馬車だけはなんとしてでも守り抜け!!」

 「「「おう!!」」」

 前方の馬車が襲われてらっしゃる。
 それはもう物凄い豪華な馬車が。
 テンプレみたいなオークの群れに。
 そして劣勢である。まさしくテンプレ。

 「こういうのさ。物語とかでもあるあるだけど。なんでオーク程度に勝てない奴が、いかにも高貴でございみたいな馬車の護衛やってるんだろうね」

 「あるあるなの? それよりも助けないの?」

 一旦素通りしたらどうなるか気になるけど。
 いや、やってみようかな。
 
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