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第4章 雌伏の時

第90話 大精霊

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 名前をつけてみなよと言ってみたけど、カタリーナはかなり悩んでるみたいだった。
 なので、俺が前世のド定番の名前を教える。

 サラマンダー、ウンディーネ、ノーム、シルフ。
 光と闇はなんか色々あると思うけど、ルクスとテネブラエ。

 多分こんな感じだったと思う。もしかしたら俺の記憶違いで、間違ってるかもだけど。
 まぁ、知ってる人なんて恐らく居ないだろうし大丈夫だろう。

 カタリーナはそれで納得したみたいで、一体ずつ名付けをしていく。
 側からみたら何もない所に喋ってるやばい奴だ。
 そして、最後の闇の精霊に名付けが終わった時。

 「こ、これは…!」

 なんか空中を見てびっくりしている。
 俺には何がなんだか分からんのだが。

 「最初から契約していた四属性の精霊の位階が上がりました…。これが大精霊…」

 フラグ回収はやすぎわろた。
 適当に言っただけなのに、なんたるご都合主義。
 名付けが重要なのかな? 異世界あるあるが通用してしまったぜ。ほんと、なんかラノベとかでよくある設定が踏襲されてるな。

 もしかして、前に冗談半分で思ってたゲームとかラノベの世界だったり? 恐竜はモロ図鑑で見た通りだったからなぁ。俺が知らない作品だっていっぱいあるもんね。
 こういうのは知ってる世界に転生するのがお約束だと思うんだけど。
 ……まぁ、流石にそれはないか。

 「強さとかそういうのはどう?」

 「段違いですね。持っていかれる魔力量も相応に増えましたが。これは鉱石の抽出する時間が大幅に短縮出来るかもしれません」

 カタリーナが珍しく興奮気味に話してくる。
 中々レアな光景だ。

 「光と闇は?」

 「そちらはまだ低位のままですね」

 ふむ。中位精霊は既に位階が上がる準備は出来てて、名付けを契機に上がったって感じか。
 光と闇はまだ契約したてで、何かしらの要素が足りてないとかそんな感じかな? 知らんけど。

 「精霊ってやっぱりチートだよ。レベルやら能力値は上がってないのに、戦闘能力が上がるんだもん」

 エルフって種族は恵まれすぎでは?
 美男美女、精霊と契約出来て、長寿。
 極める気があるなら、エルフで世界征服出来てもおかしくない。まぁ、カタリーナを嫉妬やらで追放してるところを見ると、上層部は馬鹿が多いんだろうなって印象だが。
 あ、胸ぺったんもマイナスポイントか。

 「ボスの二つの恩恵も反則だと思いますけどね。鑑定も複職も」

 それを言っちゃいけねぇ。
 隣の芝生は青いってやつだな。
 なんだったら、ローザの戦闘学習だって欲しいし、アンジーの超直感も欲しいし、ゴドウィンの金剛城塞も欲しかった。
 無いものねだりはしても仕方ないよね。
 今でも充分恩恵にあやかってるし、努力次第では強くなれるんだ。これからも精進するとしよう。



 「いやいやいやいや。効率上がりすぎだろ」

 「ノームが張り切ってますからね」

 カタリーナの契約精霊が大精霊になった翌日。
 岩山を見に行くと、鉱石の山が出来上がっていた。整理する人員が追い付いていないほどだ。
 精霊チートを遺憾なく発揮し過ぎである。

 「マジでやばいな。これは想像以上だ」

 「目算ではありますが、半年は巻けますね」

 しかし、やはり魔力はかなり消費しているみたいだ。カタリーナの傍には魔力ポーションの瓶がたくさん転がっている。

 「これは壁作りを急がないといけないな。エリザベスがまだ配合に凝ってるみたいなんだけど」

 どうせならペテス領の外壁に負けないぐらいの頑強さで作りたい。
 エリザベスの配合通りなら、普通にそれ以上になるのは確実なんだけど。

 「早く終わらせてレベル上げに戻りたいですね。この前の戦いで思いましたが、やはり強さは重要です、いくら権力があろうが、お金があろうが、死んだら何の意味もありません」

 「だよなぁ。でも深層の魔物をそれなりに狩ってるんだけど、全然上がんないの」

 250を超えた辺りから、必要経験値が爆上がりしてるように思う。
 それなのに、300目前のアンジーとか超えてたゴドウィンはやばいんだよ。

 やっぱり魔物を殺すより、人を殺した方が効率が良いのかね。アンジーは傭兵時代に殺しまくってるだろうし、ゴドウィンも戦争やらで殺りまくってるだろう。俺もスラムで最初の方は人を殺してレベルを上げてたけど、そっちの方が上がりやすかったような気がする。

 レベルが低かったせいもあるだろうけどさ。
 検証したいけど、流石になんの罪もない人間とかを殺すのは気が引ける。
 敵対してたりしてるなら話は別だけど。

 擬似スタンピードを起こしたくせに何言ってんだって話だけどね。
 一応被害が少なくなるように、騎士とか衛兵をなるべく生かして撤退させて対応させたんだから、それで許しておくんなまし。

 「深層の更に奥にある山に行ってみるか?」

 「アンジェリカがやめておいた方が良いと言っていたのなら、時期尚早ですよ」

 深層の奥にいかにもやばそうな山があるんだよね。実際は分からないが富士山よりデカいんじゃなかろうか。ただの体感なんだけど。

 あの山に挑戦出来る日は来るのだろうか。
 とりあえず200でカンスト組では無理だ。
 最低でも456で恩恵持ちじゃないときつい。
 もっとスカウトに力を入れたい。
 大要塞を完成させたら他国に行かないとな。
 
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