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第3章 勢力増強

第73話 職業過多

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 ☆★☆★☆★

 『名 前』 レイモンド
 『年 齢』 14
 『種 族』 ヒューマン
 『レベル』 200/999 

 『体 力』 C/S
 『魔 力』 B/S
 『攻撃力』 C/A
 『防御力』 C/A
 『素早さ』 B/S
 『知 力』 B/S
 『器 用』 C/A

 『恩 恵』 鑑定 複職
 『職 業』 高位暗殺者 大魔法使い 格闘家 将軍 大道士 文官 道化師 魔法闘士 怪盗 高位錬金術師 伯爵 拷問官 隠者 薬師 役者 商人 賭博師 鍛治師 教育者 神官 男娼
 『属 性』 無 光 闇

 ☆★☆★☆★

 長かった。本当に長かった。
 それでも。それでもだ。

 「レベル200じゃーい!」

 「毎日外に通った甲斐がありましたね」

 「それな。魔物全然減らないし」

 噂を流してから二ヶ月。
 書類仕事はジェイクを筆頭に育ってきた下っ端に任せて、毎日の様に外に通った。
 朝から夕方まで狩りをして、帰ってきたら俺かカタリーナにしか出来ない書類を片付ける。
 そんな求道者みたいな生活をしていたら、これだけレベルが上がるってもんよ。

 「職業が多くて見にくい」

 「羨ましいですけどね。色々な事に挑戦できて」

 なんか、将来は器用貧乏になってしまわないか心配である。器用大富豪になりたい。器用万能? なんでも良いけど、それになりたいよ。

 指揮官が将軍に。
 曲芸師が道化師に。
 錬金術師が高位錬金術師に。
 男爵が子爵を飛ばして伯爵に。
 これらは無事に上位職になった。

 「そろそろ、武器を使う系の職にも手を出すべきかな」

 「ボスは武器を使う事をあまり好んでませんよね? 何故ですか?」

 「武器がないと戦えないってなるのが嫌だったんだ」

 でも魔法も結構習熟してきたし、格闘家や魔法闘士、大道士といった体一つで戦う系の職業に慣れてきた。
 もう、武器がなくてワタワタするような状況にはならないだろう。なんか、なんとなくで覚えてる職業もあるし、入れ替えとかも検討してみるべきかな。
 あ、男娼は外さないぞ。イケメンになれるかもしれないからな。


 「レベルカンストした奴も増えたな」

 騎士男とか、戦闘部門の最初に魔法を教えた組が続々とレベルカンストの200になっている。
 そういう奴はまだカンストしてない奴の補助をしたり、縄張りの警備の仕事に従事してもらっている。子供の指導とかな。
 お陰でクトゥルフの戦闘部門は下っ端までレベルが上がりまくっている。

 「給料がなぁ。外に行かなくなったから、精鋭部隊の手取りが減るんだよね」

 「戦闘部門は魔物素材が主な収入源ですしね」

 カンスト者は月給を上げるべきかな。
 せっかくカンストしたのに、給料が減るとかやってらんないだろ。まぁ、全く外に行かなくなる訳じゃないから、大丈夫かなとも思うけど。
 限界突破をする方法とかないかな。そういうお薬とかさ。エリザベスが作れないかね。
 
 「能力値だけ見れば俺とカタリーナ、他の精鋭部隊でアンジーを囲めばやれそうな気もするけど」

 「私達は対人戦の経験が不足してますからね。あちらは傭兵もしてたみたいですし、歴戦の猛者達も多い筈です」

 クトゥルフの対人戦って、ここであった抗争ぐらいしか無いんだよね。
 それもほとんどが奇襲だったり、漁夫って縄張りを掻っ攫っただけだし。

 「訓練の模擬戦だけでどれだけ習熟できるか」

 「本物の命のやり取りをしないと得られない経験は絶対ありますからね」

 何かで見たんだが、武術というか戦闘において重要なのは恐怖だと思う。
 特に死の恐怖。なんとしても状況を打破しないといけないという焦燥感は、普段は発揮できない本来持ってる技術を限界以上に引き出す。
 そして一度引き出してしまえば、それが可能だと分かってしまえば、無意識に技量の水準がそこになる。短期間で普段の技量が以前の限界のそれになり、限界点もそれに伴って伸びるのだ。
 どれほど厳しい鍛錬より、一度命を落としかけた状況から生還する方がはるかに伸びるのだ。

 何で見たんだっけなこれ。
 多分戦闘系の少年漫画だと思うけど。これを見た時はなるほどと思ったもんだ。

 「俺達は結構安全マージンを取ってるからなぁ」

 「人員を消費したくないので仕方ないとはいえ、成長の阻害をしている事はあると思います」

 甘やかしすぎなんだろうか。
 でも、ここまで育てるのにも苦労したし、死地に放り込んで失ったりしたら大損なんだよね。
 そういうリスクを冒してこそ本物になれるんだろうか。

 「深層に放り込んでみるか?」

 「死の恐怖を味合わせる事からですか」

 昔の領主の精鋭部隊は深層にも入っていたと聞く。その全員が上限456の奴じゃないだろうし、やり方次第では深層に入れるって事だ。

 「多分その精鋭部隊は死の危険を何度も経験してたから強かったんだろうな。レベルや能力値は上がらなくても、技術は伸びる訳だし」

 「それをまとめて叩き潰したレーヴァンのボスは異常ですね」

 うむ。そう考えると囲んで叩いては無理かもしれんな。やっぱり騎士団長とぶつかって、両者が良い感じに消耗してる所を漁夫るしかあるまい。
 結局奇襲か。

 「なんか滅茶苦茶強いけど、殺されない練習相手とかいないかな。毎回死ぬ一歩手前まで追い込んでくれるような」

 「都合が良すぎますね」

 回復魔法があれば部位欠損も治せる。
 心さえ折れなければ強くなれるから、とことんやってほしいけど。
 そんな師匠キャラが出てきてほしいなぁ。
 
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