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第3章 勢力増強

第56話 魔道具事情

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 ☆★☆★☆★

 『名 前』 ローザ
 『年 齢』 11
 『種 族』 獣人
 『レベル』 11/456

 『体 力』 E/A
 『魔 力』 F/D
 『攻撃力』 E/EX
 『防御力』 E/S
 『素早さ』 D/EX
 『知 力』 G/D
 『器 用』 F/C

 『恩 恵』 戦闘学習
 『職 業』 剣士
 『属 性』 無 風

 ☆★☆★☆★

 「知力に変化が見られない」

 「勉強させてるんですけどね…」

 ローザがいつの間にか11歳になってたけど、それはさておき。
 知力がGから変わってないのもさておき。

 「ゴブリン程度なら余裕っぽいな」

 「複数に囲まれてもなんなく対処してますね」

 戦闘に関しては天性のモノがあるよな。恩恵の戦闘学習が大きいってのもあるんだろうけど。
 これでまだ身体強化を教えてないんだぜ。

 「てりゃー!!」

 10体程のゴブリンの群れを難なく殲滅した。
 早速レベルも1上がっている。

 「どうだったー?」

 「ゴブリンは余裕そうだったな。いつも鍛錬を頑張ってる成果がでてる。偉いぞ」

 「わっ! うっきゃきゃ!」

 わしゃわしゃと頭を撫でてあげる。
 その時にさり気なく耳を触るのも忘れない。
 うむ。モフモフはやはり良いモノだ。

 「良し。じゃあ他の魔物と戦ってみてから、今後のローザ育成計画を決めようか。無理はし過ぎるなよ?」

 「はーい!!」

 魔物狩りや鍛錬とかは素直に言う事を聞いてくれるのにな。
 勉強になれば途端に言う事を聞かなくなるのは何故なんだろうか。難しい事は言わないから文字の読み書きと四則計算ぐらいは出来るようになって欲しいな。



 「調子はどうだー?」

 「試行錯誤の真っ最中。素材を何回も無駄にして申し訳ない」

 ローザとの初外出から少しして。
 今日は庭に新しく建てられた生産工房にやってきた。
 そこでは今、エリザベスが魔道具作りに挑戦している。
 傘下の商会に魔道具作りの簡単な基礎が書いてある本を取り寄せてもらったんだけど、それでも始めたてだからか、かなり苦労してるようだ。

 「実験なんてのはそんなもんだ。気にせずじゃんじゃん繰り返していけ。将来的に利益が出ればそれでいいよ」

 「感謝」

 ☆★☆★☆★

 『名 前』 エリザベス
 『年 齢』 7
 『種 族』 ヒューマン
 『レベル』 11/456 

 『体 力』 F/C
 『魔 力』 D/S
 『攻撃力』 G/D
 『防御力』 G/D
 『素早さ』 G/C
 『知 力』 D/EX  
 『器 用』 D/EX

 『恩 恵』 精密操作
 『職 業』 錬金術師
 『属 性』 無 火 水

 ☆★☆★☆★

 因みにエリザベスには魔法を教えている。
 能力値はCに到達してないしルール違反なんだが、生産物や魔道具を作るのに魔力操作はあった方がいいかと思って。
 
 実際、魔力操作を覚えてる人と覚えてない人の品の出来は全然違うからね。
 生産部門では頑張ってる奴から順に教えていってる所だ。

 「とりあえず完成したのはこれ。火を付ける魔道具と綺麗な水が出る魔道具」

 「どれどれ」

 この世界の魔道具事情はかなり遅れてると思う。
 まぁ、参考は俺の記憶にあるラノベなんだが。
 戦闘系の魔道具を作る事に集中し過ぎて、生活を便利にする魔道具の開発はかなり疎かなんだよね。

 って事で、俺達が商会を作ったらその辺のシェアを独占しようかなと思いまして。
 簡単に真似されるだろうけど、魔道具職人はかなり少ないみたいなんだよね。
 いや、少ないというよりは生産者が軽視されてると言ってもいい。
 力こそ正義だと思ってる風潮がある。

 「ふむふむ。悪くないな。冒険者はこぞって欲しがる品だろう。原価はどれくらい?」

 「火を付ける魔道具はかなり安い。魔石もゴブリン程度で良いし、魔石を入れ替えれば何度でも使える。そのうち故障はするだろうけど。綺麗な水が出る魔道具は少し高め。それでも銀貨3枚ぐらいかな」

 「全然良いじゃん。量産は出来るの?」

 「勿論可能。でもこれを作るのに時間を取られたくないから、今新しい魔道具を作ってる。それに難航してるところ」

 ほむほむ? 別にエリザベスが作らなくても、まだ技術が未熟な奴の練習としてやらせれば良いと思うんだけど。

 「今作ってるのは魔道具を作る魔道具。材料さえ放り込めば自動で完成させてくれる代物」

 「ほー。それは考えましたな」

 一種の機械化みたいな感じか?
 ちょっと違うかもだけど。
 なんかこの子だけで産業革命とか起こせそうな事をしようとしてらっしゃる。

 「でもこれは今の私の技術じゃ無理。もう少し研鑽が必要」

 「そうか。欲しい素材とかがあったら言えよ? 無制限とはいかないけど、なるべく配慮はするから」

 「感謝」

 この世界の人間が馬鹿で良かったな。
 技術者や生産者を軽視するなんてありえん。
 この世界の産業を全て牛耳るぐらいのつもりでやりたい放題してやる。
 それにしても。

 「お前本当に7歳か? 賢過ぎると思うんだが」

 「スラムで暮らしてると自分の歳なんて分からない」

 それもそうか。
 ローザと同じくいつの間にか7歳になってたけど、あの子と比べるとかなり賢い。
 その分体はもやしみたいに弱いが。この庭にある工房から屋敷まで戻るのにも息切れしそうになってたからな。
 軽く体力をつけさせるトレーニングでもさせた方がいいのかもしれん。
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