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第2章 抗争
第32話 拷問の恐ろしさ
しおりを挟む「怖いぐらい順調だな」
ラブジーと争っていた中堅組織を壊滅させた。
縄張りは放置しておいたけど、アジトにあった物資は根こそぎ回収した。
他の縄張りにもある程度お金やらはあるだろうけど、ラブジーは大打撃を受けただろう。
そしてその一週間後。
俺達の縄張りに隣接してる最後の中堅組織との抗争が開始された。
しかし、相手は士気は高くない。
「今回の戦いは中々精神的にきつかったな」
「未だに飯を食うのがきついっす」
抗争が始まるまで、徹底的にゲリラ戦で相手の人数を減らした。
そして、殺した相手の死体を辱める。
それはもう、徹底的に。そしてそれを相手の縄張りに送りつけてやった。
中途半端な拷問は相手の士気を高めるけど、行きすぎた拷問は相手の士気を挫く。
キングダ○の桓○から学びました。
「拷問に付き合ってくれた奴らには悪い事をしたな」
「っすね」
組織の人間でも俺達の拷問を知るのは極小数だ。
流石にこんなのをみんなに見せる訳にはいかない。汚れ役を引き受けてくれた奴らには感謝。
「よーし。どんどん確保していけー。やる気ない戦闘員には手を出すなよー。貴重な人手だ」
「使いもんになりやすかね?」
「そう願う」
ちょっとやりすぎた感は否めない。
初めてする事だったから加減がいまいちね。
漫画と同じようにやってみたんだけど。
敵の顔が恐怖で引き攣りまくってて、戦いにならない。この後ちゃんと働いてもらえるのかな。
こうして抗争開始から僅か二日で戦いは終結した。人手と縄張りを加味したら二大巨頭に引けを取らないぐらいになったんじゃなかろうか。
質はまだまだだけどね。
「さっさと安定させてしまおう。これからスラムがどう動くか。ちょっと読めませんなぁ」
領主を巻き込もうとしたのは早まったかも。
最初からこうして、中堅組織を取り込んで対抗すれば良かった。
無駄な事をしたせいで、領主サイドがどう動くか分かんねぇや。
☆★☆★☆★
『名 前』 レイモンド
『年 齢』 13
『種 族』 ヒューマン
『レベル』 30
『体 力』 E/S
『魔 力』 C/S
『攻撃力』 E/A
『防御力』 E/A
『素早さ』 D/S
『知 力』 D/S
『器 用』 D/A
『恩 恵』 鑑定 複職
『職 業』 盗人 暗殺者 魔法使い 拷問官
『属 性』 無 光 闇
☆★☆★☆★
「むふふ。Cになった」
今回のゲリラで経験値が溜まってレベルが30になった。その影響なのか、魔力の能力値がとうとうCまで上昇。
これは今までの感じとは全然違う。
やっぱり、Cの手前には大きな壁があるのかな。
魔力の増え方が今までの倍はあるんじゃないかな。
因みに職業はコロコロ変えている。
暗殺者と魔法使いはほとんど固定だけど。
下っ端にその職業の使い方を教える時とか、情報が必要なんだよね。
拷問官を取得した時は地獄だったな。
拷問の正しいやり方みたいなのが、頭に叩き込まれるんだ。そして、拷問してる時は精神が安定する。外したら吐くから今はそのまま。
慣れるまではこの職業のままになりそう。
「さーて。ここからどう動くか。流れで三つ巴みたいになるのは勘弁してほしいんだけど」
あ、13歳になりました。
いつの間にって感じなんだけど。
気付いたら表記が変わっててびっくりです。
☆★☆★☆★
「やっとレーヴァンとの争いに集中出来るようになりやしたね」
「なんで俺達が行った時には壊滅してたんだ?」
「情報を集めてますけど不明っすね。他に戦線を抱えててそこにやられたんじゃないかと思ってるっすけど」
いつもの屋敷の一室で。
ラブジーのボスとNo.2のアハムが話し合っていた。
屋敷を襲った中堅組織は潰した。いや、正確には潰す寸前で美味しい所を持って行かれた。
アジトには何も残ってなく、アテにしていた物資や金が思ったより少ない。
そのせいで、未だにラブジーは資金繰りで苦しい状況が続いている。
「それよりも新興勢力っす。どうやら俺達がレーヴァンとやり合ってる間に、急激に力を付けてきてる組織があるんすよね」
「どこだ?」
「それがあんまり情報を掴めてないんすよ。ボスや幹部は不明っす。噂では成人もしていないガキがトップを張ってるって眉唾な情報が流れてくるくらいっす」
アハムは顰めっ面をしながらボスに話す。
レーヴァンと中堅組織の戦いに気を取られすぎて、情報収集を怠っていたのだ。
少し落ち着いてから、周りの状況を探ってみて驚いた。
今では縄張りも、組織を一つ挟んだ所にあり、気を抜くと一気に食い破られる可能性がある。
「ガキだぁ? そんな奴にスラムの人間が従う訳ねぇだろ」
「っすよね。情報に余程気を遣ってるのか、欺瞞情報だらけなんすよ。どれが本物で偽物か。精査するのはかなり骨っす」
「ちっ。めんどくせぇ。今はそれどころじゃねぇってのによ」
ラブジーは中堅組織との戦いが終わって、レーヴァンに集中出来るようになったとはいえ、ここまでで人員もかなり消耗している。
質で劣っている分、数で対抗するしかなく、とてもじゃないが新しい組織に構ってる暇はなかった。
「交渉して味方につけたいところなんすけど、ボスも分かってない状態じゃきついっすね」
「レーヴァンに気を付けつつ、その組織の情報を集めろ。あっちに味方されたら俺達は終わりだぞ。組織名はなんて言うんだ?」
「それは分かってるっす。クトゥルフって名前ですね」
ボスはその名前を心の隅においておく。
その組織も得体が知れないが、今はレーヴァンとの戦いに集中したい。
こうして、ラブジーにとうとうクトゥルフの名前が知れ渡るようになった。
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