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第5章 甲子園へ
第101話 頑張ったで賞
しおりを挟む結局、金子は江陵高校相手に九回二失点と力投した。
打線も序盤は打ちあぐねるかと思ったが、秋季大会からの好調を維持。
レオンはスランプの鬱憤を晴らすかのように、猛打賞2ホーマーを記録。
大浦、隼人、清水先輩にはホームランは出なかったものの、それぞれ打点を上げ8ー2と快勝した。
「金子が良く粘ったなぁ。最後へろへろだったけど」
「これ、2日後また試合なんだけどいけるの?」
学校に戻って来て、金子はすぐに部室でダウンした。
7回辺りで代えようと思ってたんだけど、金子が志願したから。
それなら行こうかとGOサインを出した訳だけど。
「うぅ。体力の無い自分が恨めしい」
「金子の課題はとりあえずスタミナだなぁ。俺も連投は中々きつかったけど」
「一安打完封してるくせにそんな事言われても嫌味だよね」
てへぺろ。
でも3日ぐらいは疲労抜くのに時間かかったし。
いや、3日で済んだのか。
若い体っていいな。
「スタミナはそんなすぐに解決する問題でもないしな。冬頑張れとしか言えないな。ただ走れば良いってもんでもないし」
自転車はいいぞぉ。
足腰とスタミナ両方鍛えれる。
他の学校からとかでなんで導入しないのか分からないレベル。
「とりあえず次の試合どないしよか。金子は無理やろこれ」
「俺が投げるっすか? 正直、ぼこぼこに打たれると思うっすよ?」
なんちゃって投手だもんな。
それに完投とか出来るタイプでもないし。
「しゃーない。俺が投げるか。打者一巡ぐらいは大浦が投げて欲しいけど」
やばいな。
いざ、投げるってなってもやる気が出ない。
なんとかしないと。
プロ行ったらやる気出ないとか言ってられないし。
「じゃあ先発は大浦でいこか。出来るだけ引っ張って豹馬と交代で」
「了解っす!」
「かしこまり」
とりあえずレオンと勝負でもして、無理矢理にでもやる気を引き出そう。
ぼろくそに打たれたら目も覚めるだろう。
「えーっと、次の相手は北信越代表の極陸高校か。名前は知ってるけど強いイメージはないなぁ」
「甲子園には出てるけど1.2回戦で負けてる印象が強い」
「甲子園に出れてる時点で強いと思うけど」
うーん、でもこれ三高より強いか?
映像だけじゃなんとも言えないけどさ。
「特に目立った選手がいる訳でもないけど、堅実な野球をやってるよな。守備も良いし、ランナーを出したら得点圏にしっかり進めてどんな形からでも点に繋げようとする。大浦と相性悪そう」
大浦のボールって言っちゃ悪いけど強豪校からしたら打ちごろのボールだしな。
地区予選レベルなら通用するんだけど。
「俺が投げるとしても、何か課題が欲しいな。縦スラの有効活用とストレートの質。これに重視して投げようか」
「レオンに全く通用してなかったよね、縦スラ」
う、うるせぇ!
鼻で笑って柵越えまで持っていかれたわ!
まだまだ完成には程遠いな…。
「負けても良い強豪校との公式戦なんて滅多にないからな。しっかり試そう」
お? なんだかやる気が出てきたような?
やはりレオンにしこたま打たれたのが良かったのかもしれんな。
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