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第4章 秋の戦い
閑話 レオンとの出会い2
しおりを挟む「豹馬の家は凄いな…」
レオンの妹と合流して、俺の家に着いたらレオンが家をみて圧倒的にされていた。
俺はすかさず父親自慢をする。
「俺の父さんが現役時代に滅茶苦茶稼いだからな。今はその稼いだ金を使ってスーパー銭湯やらなんやらの複合施設を経営してるんだ」
「現役時代? まさかと思ったが三波ってあの三波勝弥か!? 俺、三波選手を見てからパンサーズの大ファンなんだ!」
おお。東京の人気の無い方のファンになるとは。
こやつ、中々通の者であるな?
「へぇ! 父さんも喜ぶよ。後で俺達の練習も見てくれるからその時に会えると思うぞ」
「そ、そうか!」
レオンはクールな奴と思ってたが、違ったみたいだな。
顔がかなりウキウキしてやがる。
うむうむ。これだけ喜んでもらえると俺も嬉しくなってくるね。
「じゃあ、室内練習場いって練習始めるか。アップしてレオンに合わせる感じで。レオンは右利き?」
「ああ」
「じゃあグローブは一通りあるな。とりあえず内野用を使ってマリンとキャッチボールでもやってみるか。マリンはああ見えても、かなり上手いからな」
「ああ見えてもってどうゆう事ー? どっからどう見ても上手そうでしょー?」
やいのやいの言いながら、室内練習場に向かう。
途中、レオンの妹を家に預けて神奈と顔合わせ。
持ち前のコミュ力で一気に仲良くなって、直ぐに自分の部屋に連れて行っていた。
「凄いな。家にこんな施設があるなんて」
「まぁ、全部親のお陰なんだけどな。俺は有り難くこの環境を享受して、プロ野球選手になったら恩返しするって寸法よ」
「そのおこぼれに俺達も使われて貰ってるって訳。俺達も目標はプロだしね」
「この歳で既にプロを見据えているのか」
「豹馬のお父さんに才能は文句無いって言って貰えたからね。馬鹿の僕でもやる気にさせられるよ」
軽く喋りながらアップをして、練習を開始する。
レオンはやってみたいポジションとかあるのかな?
「サードをしてみたい」
「父さんと一緒か」
恥ずかしそうに言うレオンだが、憧れの選手と同じポジションをやってみたいと思うのは普通じゃんね。
まあ父さんの守備はそこまで上手くはないけど。
「ま、とりあえずキャッチボールをしっかり出来る様になる事からだな。サードは強い打球が良く飛んで来る所でもある訳だし」
「分かった」
さて、俺もピッチング練習を始めましょうかね。
小学生では変化球はカーブしか投げてないからな。
他の変化球もこの体で投げれるか試してみないと。
「ふむ。初心者にしては上手いな。てか、上手すぎる。ちゃんと、逆シングルでも取れてるし」
送球はまだまだだけど、地肩は良さそう。
普通に練習したらサードも出来そうだな。
「いいね! レオン君はセンスあると思うよ! 私には才能見抜く目なんてないから、勝手な事は言えないけどね。この調子でバッティングもやってみようか!」
「是非やらせてくれ」
バッティングと聞いて目を輝かせてますな。
やっぱり打つのって楽しいもんねぇ。
「ちゅーす!!」
「はい、こんにちわ」
「おお…本物だ…」
バッティングの準備をしてると、室内練習場に父さんがやって来た。
レオンからのキラキラオーラが半端ない。
「おや? 初めましてだよね?」
「あ、浅見レオンです! 小さい頃から三波選手の大ファンでした!」
「あははは。ありがとう。三波勝弥です。豹馬の父親だね。浅見君は今日はどうしたのかな?」
「野球部の練習を見てたからやりたいのかなと思って連れて来たんだ。妹も連れて来てて、神奈と遊んでるよ」
「そうかい。初心者って事かな? バッティング練習始めるみたいだし、簡単なアドバイスをしてあげよう」
「あ、ありがとうございます!」
今思えば、あの時レオンをここに連れてこなければ、この才能が無駄になってたんだよなぁ。
俺、ファインプレーすぎるだろ。
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