95 / 171
第4章 秋の戦い
第84話 ベスト4
しおりを挟む秋季東京都大会のベスト4が出揃った。
龍宮高校×関東一高
日本三高×帝邦
わはははは!
向こうで甲子園ベスト4同士が潰し合ってくれるぜ!
関東一も調子に乗れる相手ではないけど、ラッキーだよね。
「あ、イレバン…。ほんと勘弁してよね」
現在授業中なり。
後ろの席のマリンは、モンスターバウンドをやってる模様。
「マリン、成績悪いんだから授業はちゃんと聞いとけよ」
「パンだって、授業聞いてないじゃない。それにゲームは記憶力を高めるって、えっと…あー…その何かで言ってたのよ」
「それ憶えてない時点で、実証されてないよね。また俺かレオンが教える事になるじゃん」
「この時間に欲しかった進化素材を降臨させる運営に文句言ってちょうだい」
ダメだこりゃ。
龍宮高校はついてこれない奴は置いていくぜってスタイルなので、授業中にアイポンを触っていても怒られる事はない。
授業の邪魔になる様な事をしたら話は別だが。
爆音で音楽を流したりね。
俺もぴこぴことアイポンを触ってはいるが、ノートはちゃんと取ってある。
いくら人生2周目とはいえ、忘れてる箇所もちらほらとあるのだ。
それにしても、関東一か。
前の試合で、松美林を下して勝ち上がって来たから注意が必要だな。
相変わらず、漆黒の白馬は4安打1HRと大活躍だったらしいけど。
松美林は白馬君以外がちょっとな。
上から目線で申し訳ないけど、お世辞にも優れてるとは言い難い。
「よし、進化素材集まった。これで次の超絶はもらったわね」
ん? 今なんか聞き捨てならん事が?
「え? もしかして何かガチャで当たった?」
「朝に、タイガと引いた時にね。次の超絶の適正キャラなのよ」
「ほら、これ」って見せられたのは、最近出た新キャラだった。
「ふざけんなよ。なんでお前らはそんなポンポン当たるんだよ」
俺のガチャ運は一向に良くならない。
いや、当たる事は当たるんだけど時代遅れのキャラだったり、評価が微妙なキャラだったり。
「そういえば、最近このゲームやってる人増えたわよね」
「CMとかバンバンやってるからな」
「ヒーハーな人が増えたって事?」
「んふっ。ミーハーな」
真顔でヒーハー言うな。
なんな変な笑い声でたわ。
え? ウケ狙いだよね?
真剣に間違った訳じゃないよね?
授業が終わって放課後。
みんな大好き部活の時間である。
「あー今日も勉強頑張った! 体動かしてスッキリしたいね!」
「お前ほとんど寝てたじゃん」
「睡眠学習ってやつ? 寝てたら勉強した事になるんだって!」
ウルと部室に向かいながら、話してたら頭が痛くなる様な事を言われた。
こいつ、自分の都合の良い様に曲解しすぎだろ。
「そんな訳ないだろ。勉強した後に睡眠を取るんだよ」
「えー? そんなの楽できないじゃん!」
楽できる勉強なんてないだろ。
自分が好きな教科ならまだしも。
それも楽な訳じゃなく、楽しいだからな。
「お前ほんと馬鹿だよな」
「それでも生きてこれたので」
まだ子供だからだよ。
大人になったら苦労するぞー。
プロ野球選手になっても引退してからの方が大体の人間は長いんだから。
今やってる勉強が役に立つとは限らないけど、やっておいて損はないからな。
1
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説


ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる