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第4章 秋の戦い
第79話 VS秀徳2
しおりを挟む結果的に三者凡退に終わった一回表の攻撃。
出来れば、先制点を取って金子には楽に投げて欲しかったんだけど、世の中そう甘くはない。
一回裏。
金子は1.2番を内野ゴロに抑えるも、3番に四球で出塁を許してしまう。
「あー、4番のイライジャを意識しすぎだな。明らかに力が入ってる」
まあ、気持ちは分からんでもないけど。
この打者の前にランナーを出すのはダメだよね。
「うわー。打席に入ると更にデカくみえるなー。インコースとか苦手そうだけど」
逆にアウトコースは、ボール2つぐらい外さないと届きそう。
リードするのもかなり難しそうだな。
初球は、アウトコースへのスローカーブ。
イライジャはヘッドを走らせて上手く合わせてきたがファール。
2球目も、アウトコース。
しかし今度はパワーカーブだ。
球速差がそれなりにあったがこれにも合わせてきてファール。
ミートはそこそこって話じゃなかった?
ファールにはなってるけど、俺にはしっかり合わせてる様に見えるんだけど。
3球目もアウトコースへのパワーカーブ。
これは大きく外していたので見逃してボール。
4球目はインコースへのツーシーム。
窮屈な打ち方になって、根っこで打った打球になる。
よし、レフトフライと思って打球を見ていたが意外に伸びてる。
レフトの曽根先輩も、一旦捕球体勢に入っていたが慌てて下がる。
そしてフェンス手前で止まりなんとかキャッチ。
スリーアウトでチェンジである。
「脳筋がすぎる。ドン詰まりであんなとこまで持っていくなよ」
「ね。打球見ながらヒヤヒヤしたよ」
金子はベンチに戻って来てホッと一息。
あれ、ストレートなら持ってかれてたんじゃないかな。
多分ストレートと思って振りに行って、ツーシームだったからなんとか詰まらされたみたいな感じだろう。
「付け焼き刃でもツーシーム覚えてて良かったな」
「いや、本当にそうだよ。次からも苦労しそう」
ランナー有りで対決はしたくないな。
それまでのバッターをしっかり抑える事はが重要になりそう。
そんなこんなで二回表は大浦から。
「おお。身長差が凄い」
大浦はかなり粘ってるけど、結構厳しそう。
ストレートをファールにする時は顔を顰めてるし。
「おっ!」
変化球を上手く合わせていい当たりだったけど、レフトライナーだった。
「くっそー! ストレートのタイミングが上手く取れないっす! でも次は打つっすよ!」
まあ俺からしたら当てるだけ凄いと思うんだが。
流石に俺と比較されたくはないよね。
その後隼人もセンターフライに倒れたが、清水先輩が右中間を破るツーベース。
「さっすがゴリラ2世! パワーならチーム最高峰なだけあるぜ!」
「それでも、少し押され気味だったけどね」
うむ。やっぱり球数投げさせて後半勝負では?
結局続くバッターは三振に倒れたし。
「前半は投手戦になりそうだな。きばれよ金子!」
「かなり全力で投げてるから、バテるのは早いと思う。準備お願いね」
「任せろってんだ!」
三回辺りから準備始めるかね。
イライジャは要注意選手として、心のノートに刻んでおこう。
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