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第3章 秋までの道程
第53話 お勉強
しおりを挟む投手の適正を全員見終わった後。
お昼を挟んで、午後からはお勉強である。
「みんな、夏休みの宿題は持って来ましたね? この合宿で終わらせる気持ちでやりますよ」
この合宿は、昼間は練習しない。
暑さ対策で少しはするべきなんだろうが、そもそもこのクソ暑い中スポーツするのは間違いなんだよね。
暑さでダレるし、集中力は落ちるし怪我の元。
それが分かってるのに甲子園を目指す。
高校野球は業が深いね。
「とりあえず、進めて行きましょう。写したりするのは禁止! 自分の力でやるように! 分からない所があれば、1年生はレオンに。それ以外は俺が教えまーす」
勿論、俺はもう終わらせている。
夏休み入ってから、1日2時間ぐらいやれば普通に終わった。
前世でそれなりに勉強してて良かった。
「何度も言うがパンが頭良いのは、なんか違うんだよなぁ。レオンは分かるんだがよぉ」
「わかる! しかもパンに教えて貰うのは分かり易いんだけど、なんか腹が立つんだよね! 馬鹿にされてる感じ!」
馬鹿にしてるからね。
分かり易いとか言ってる割には点数ギリギリだよね。
ほんとに分かってるのか不安になる。
「隼人とタイガは、もう教えなくていいのかな? 腹立つみたいだし? 俺ちゃん拗ねました」
「いや、俺達はレオンに教えてもらうし。パンは上級生相手に頑張って下さい」
そうでした。
でも、上級生ってあんまり馬鹿がいないんだよね。
俺達同期が馬鹿過ぎるのか、上級生が優秀なのか。
「それで。どこがわかんないんすか?」
「うーん。どこが分かってないのか分からない。とにかく書いてる事全てがわからない」
たのんますよ、キャプテン。
典型的に勉強出来ない人みたいな事言ってるじゃないっすか。
「じゃあ、まず数学から行きますか」
「微分積分とか三角関数とか最早呪文だよね」
大丈夫大丈夫。
高校レベルの数学なんて公式に当てはめりゃなんとかなるもんよ。
俺的には国語の方が嫌だね。
国語は担当の先生の好みがあるからさ。
英語もだけど、一応父さんがメジャー行ってた影響でペラペラである。
テストになると逆に答え方に迷う時がある。
そんなこんなで、キャプテンだけでなく他の人も教えていく。
休憩を挟みつつ、涼しくなってくるまでやる予定。
「歴史はもう暗記っすね。偉人に興味持ったりすると一気に捗るんすけど」
まぁ、興味ない人はとことん興味ないよね。
こればっかりは頑張って下さいとしか言えない。
「今日は、この辺にしときましょーか」
周りから喜びの声が上がってるが、宿題終わるまでは毎日やるからね?
頭から煙出そうな人もいるけど。
前途多難ですな。
ささっ!
みんなお待ちかねのナイター練習ですよ!
応援ありがとうございます!
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