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第2章 夏の始まり
第25話 VS創英高校2
しおりを挟む1.2番バッターをストレート3つで三球三振に仕留め、迎えるは3番の内海。
クリーンナップは要注意である。
軽くしか投げてないのにストレートが走り過ぎて逆に怖いんだが?
力入れてなげたら怪我しそう。
そして初球、ここまでストレートしか投げてないので、あえてチェンジアップから。
ストレートにヤマを張ってたのか、空振りでストライク。
2球目はインハイにストレート。
内海は差し込まれ、詰まったファールになる。
3球目は高目からボールゾーンまで落ちてくるナックルカーブ。
先程のインハイのボールに釣られてこれも空振りで三振。
三者連続三球三振とこれ以上ない立ち上がりである。
「怖い怖い怖い。調子が良すぎる。力入れて投げたらどうなるか分からんから軽くしか投げてないのに打たれる気が全くしない。まさか…これが覚醒?」
「はいはい、すごいすごい」
「けっ。調子に乗って一発貰うのが想像できるぜぇ」
みんな冷たくない? ねぇ? まぁ? 時々? 絶好調ーと思って投げてたらポカりと一発打たれた事はあるけれども?
もうちょっと労いとかあっても良いんじゃないですかねぇ。
「豹馬調子良さそうやし、そう簡単には打たれへんやろ。一巡目は相手エースの球をよーく見て、目ぇ慣らしていけ。一巡目は捨ててもええ! 二巡目で捉えるで!」
おぉ。監督も絶好調。俺も絶好調。
そして、一回裏の攻撃。
監督の言葉通り、目を慣らす目的なのかウル、タイガ、レオンはファールで粘りながから全球種を引き出しつつも三者凡退で終わった。
マウンドに向かいながらタイガと話す。
「どうだった?」
「うーん。レオンならなんとかなりそうだけど俺は二巡目もきついかも。完璧にコースと球種を読んでないと、簡単に詰まらされそう」
ほほー。ミートも上手いタイガが言うなら相当か。
やっぱ、手元で変化するボールって高校生のパワーじゃ無理やり持って行くのも難しいよなぁ。
メジャーとかならアッパースイングでパワーでゴリ押しで持っていけるんやろうけど。
「ふーむ。まぁ、俺が抑えてれば問題ないか。マジで今日調子良いし」
「スライダー系とツーシームは投げる?」
「いや、ピンチになるまで封印。ギリギリまで隠したい。スラッターは国無舘で投げてるからバレてるかもやけど」
「了解」
二回表。
4番の中居から。
初球にインローへのクロスファイヤー。
左バッター絶対殺すマンの俺だけど、右バッターもちゃんと抑えている。
サイドスロー気味だからかかなりの角度から右バッターを抉り込むわけで。
それなりに打ち辛いと自負している。
中居も窮屈そうにバットを振っていったが、詰まりながらファール。
うむうむ。悪くない。
2球目はアウトハイへのストレート。
かなり遠く見えた事だろう。
見逃していたがストライクである。
そして3球目はトドメにチェンジアップ。
バットはくるりと回り三振である。
打たれる気しねぇ。
5番の外川はナックルカーブ、ストレートナックルカーブで三振。
6番はストレート2つにチェンジアップで三振でたる。
一回から続き二回も三者連続三球三振で相手ベンチもかなり動揺してるようにみえる。
自分でも今日は出来杉くんだと思ってる。
三波豹馬。確変タイム突入です。
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