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第2章 夏の始まり
第23話 試合後の日常
しおりを挟む八王学園戦の翌日。
土曜日だが試合後ということもあり、軽いリカバリーの練習とミーティングを午前で終わらせて、午後は自由時間である。
負担にならない程度に自主練するも良し、帰っても良し、勉強するも良しとなんでもありである。
そして、俺は今タイガ、レオン、マリンでクーラーの効いた部室でアプリのモンスターバウンドをしている。
「やっぱ俺のPSずば抜けてない?」
「いや、それはそうなんだけどキャラ弱すぎない? 倒し切れてないじゃん」
「そうだよねー。結局私達が尻拭いしてるもん」
「いくら上手くても、弱すぎて俺達とやってる事が変わらんではないか」
俺氏。フルボッコである。
現在とある超絶クエストに挑戦中なんだが、適正キャラがいないのである。
降臨キャラで誤魔化して戦っているがガチャ限には勝てぬ。
「うるせー!! お前らみたいにポンポン当たりを引けねぇんだよ!」
「それはねぇ…もう魔法の桃カードを買うしかないんじゃない?」
「馬鹿野郎! 俺みたいな奴が一回でも課金に手を出してみろ! 次こそは、次こそはってなって泥沼にハマる未来しか見えねぇだろうがよ!」
「まぁ、確かに」
「現状で我慢出来てるのが不思議である」
前世で課金して痛い目にあった事があるんだよ。
あの、ふと襲われる、何やってるんだろう感は筆舌にしがたい。
だから今世では、どんなに面白いソシャゲでも自分で遊んで暮らせるぐらい稼ぐまで課金はしないと決めてるんだ。
「てか、勝てそうなんだからいいじゃんか」
「いや、これ周回するんでしょ?」
「そうだよ! 周回するのにこんな長い時間かけてらんないよ!」
「運極ならまだしも、43って中途半端するぎるではないか」
「練習ばっかで中々時間が合わないんだから仕方ないじゃん」
「授業中もやってるくせに」
「あ! ちょっと! パン! 何よその必殺技! 役に立ってないじゃない!」
「なんで使ったのだ? 意味が無いではないか」
いや、とりあえず溜まったし使おうかと…すみません。
「あ、そういえば今日、俺ん家で晩飯食う? レオンとウルは来るみたいだけど」
「行く行くー! 隼人は?」
「彼女とデート。爆発しろってんだ」
「あはははは! でも隼人が彼女って意外だったよね。人相悪いのに」
「そう? 女性人気は高かったよ? 友達もかっこいいーって言ってたし」
なるほど?
最近のトレンドは悪ぶってる男という事ですか?
それは、最近ってよりは学生のトレンドって感じがしますが…参考にすべきでしょうか。
いやいや、学生のうちはそうでも、いざ社会人になったら、真面目の人が良いのだの、もうちょっと落ち着いてる人が良いだの、すぐ手のひら返しやがるからな。
焦るべきではないのだ。
でも青春したい。
アオハルに憧れます。
「はい、勝ったー。お! しっかりドロップしてるな!」
「じゃあもう一回って…時間過ぎて終わってるじゃん!」
「あーパンのキャラが弱いから」
「す、すみません。でも今回のクリアで宝石貯まりましたんで! この10連でなんか当たれば!」
「お前は毎回そのような事を言って当たった試しがないのである」
確率は収束する。古事記にも書いてある。
「豹馬いっきまーす!」
宝石を使って、ガチャを回す。
むむ。確定演出は無しと。
既に雲行きが怪しいが果たして!!
「良し!帰ってジムで汗流そうぜ!やっぱり俺には野球しかない!!」
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