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第三章 人間の街
第33話 図書館
しおりを挟む色々考えたけど、結局見つからない様にお祈りするぐらいしかなかった。
追いかけて行って、そのまま喧嘩売ろうかとも考えたんだけどな。
負けたくないからヒヨった。
ギリギリの戦いとかしたくねぇ。
「なんか精神的に疲れたな。宿でも取って寝るか」
影の中で寝てもいいけど、フカフカのベッドで寝たい。
金はあるし、高級宿に行こう。
「んあー。良く寝た」
精神的に疲れてたのか、ベッドに入った瞬間ぐっすりだった。
やっぱりフカフカのベッドは良いね。
「ん? ベッドを買って影の中に放り込んでおけばいいのでは?」
なんと。
こんな簡単な事も思い付かないとは。
やっぱり適度に睡眠は取るべきだね。
寝る必要がなくても寝るべきか。
「さーて、時間は昼を少し回ったところかな? とりあえず魔物について書かれた本を読みたいな」
本屋か図書館があるなら図書館へ。
宿の人に聞いて出発しますかね。
やって来ました、中央図書館!
中央広場来た時はでかい建物があるなと思ってたけど、図書館だったとは。
「入館の際には金貨1枚をお預かりしています。お帰りの時に何も不備が無ければそのままお返し致します」
「じゃあ、これで」
破損させたりするとこの金貨は持っていかれるらしい。
やっぱり中世レベルでは紙は貴重なのかね。
その割にはインフラは整ってるけど。
なんかアンバランス。
「まあいいや。とりあえず魔物の本を探そう」
あ、これなんて良いじゃん。
魔物図鑑。そのまんま。
後はついでにこの世界の事とか分かる物。
アインドルト創世記。これにしよう。
ふんふん。
魔物の成り立ちについては2種類。
繁殖と自然発生。
自然発生とはこれいかに?
魔力溜まりから、魔物が形成される?
まあ、ありがちな設定か。
魔力溜まりがどこにあるのかはわからんけど。
へー。魔境なんてのもあるんだ。
いつか行ってみたいね。
「えっ。くっ殺出来ないじゃん」
魔物の繁殖は同族同士でしか行われない。
薄い本みたいにオークが女騎士をちょめちょめなんて事もない訳だ。
「まあ、言わせるだけ言わせるか。生のくっ殺は捨てがたい」
本物の女騎士が居るのに、くっ殺しないのは異世界転生に対する冒涜ですよ。
俺はなんとしてでも義務を果たします。
「ほう。魔物の強さのランク分けまであるのか」
冒険者ギルド監修って書いてる。
なるほどなるほど。
大体の目安が分かるな。
「ゴブリンはやはり雑魚か。Gランクが最低かな?」
そういえばスライムを見てないな。
この図鑑にはG~Aって振れ幅大きいけど。
見た目で判別がつきにくいから注意が必要。
まあ、俺には【魔眼】があるからなんとかなるか。
「オークはDランクで、オーガがBランクか」
上位種はまた別だけど。
うーむ。
って事は俺の現時点は大体Bランクぐらいかな?
あの強かった盗賊は中堅より少し上ぐらいって言ってたからCランクの上澄みと考えて。
あれから俺は進化したけど、自分の実力を過信しなければこんなもんだろう。
「Sランクは、やっぱりドラゴンとかか。グリフォンやらと地球でもお馴染みの魔物ばっかりか」
因みに、魔王のランク付けはない。
強いて言うなら魔王ってランクかな。
現存してる魔王は最低でも4体。
エンシェント・ドラゴン
フェニックス
フェンリル
エンペラー・リッチ
うーん。ありきたり。
まあ、とりあえず全部強そうだよねって事で。
いつかは喧嘩売りたいと思ってます。
「で、ヴァンパイアも載ってないし、妖狐の情報も無しと」
これだけありきたりな設定のくせに、ヴァンパイアの始祖が俺ってどうなの?
うーん。わっかんねぇなー。
情報漏れがないのは良さそうだけどさ。
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