上 下
16 / 172
第二章 名も無き吸血鬼

第14話 外の世界へ

しおりを挟む

 
 能力確認を終わらせた俺は早速外に飛び出した。
 洞窟から出ると、そこは鬱蒼とした森だった。

 「まあ、予想はしてたけどね」

 さてさて、これからどうするか。
 いずれは人里に行って情報収集したいけど、流石にこのボディでは行けない。
 進化して成長する事を切に願う。

 とりあえずこの森を把握する所からかな。
 軽く歩き回りつつ、【音魔法】でなんちゃってマッピングしましょうか。



 「広すぎる…」

 歩き始めて、2時間程が経過したと思う。
 マッピングしながらとりあえず、端を目指してるんだが終わりがら見えない。
 あれかな? ラノベとかで語られる魔の森的な。
 一度入ると出られませんみたいな森あるよね。
 魔物も姿もちらほらと見える。
 近付いてないので戦闘には至ってないが、恐らく勝てると思う。
 ボスゴブリン程の威圧感は無かった。

 「これは、作戦変更しよう。魔物を殺して回りつつ、森の終わりを探そう。当分見つかる気がしない」

 という事でレッツハンティング。
 見た事ない魔物ばっかりで、血の味が気になってたんだよね。
 魔法の使い勝手も確かめたかったし。

 まずは、さっきからちらほらと見かける狼から。
 【影魔法】のシャドウダイブで影に入る。
 まずはこれで近付いて行って、気付かれるのかのチェック。

 (ふむふむ。どうやらバレてないっぽいな。鼻をヒクヒクさせてるから匂いはあるのかも?)

 俺は影から狼の様子を伺っていたが、匂い以外は大丈夫っぽい。
 これだけでも【影魔法】有能だよね。
 あ! 【魔眼】使ってみよう。

 『フォレスト・ウルフ
  名前  無し
  【魔物能力】
  噛みつき
  嗅覚強化     』


 おお! やっぱり敵の情報も分かるのか!
 破格の【異能】だぞ、これは!
 誰か知らないけど【魔眼】くれた人ありがとう!

 さて、このまま影からサクッと殺ろう。
 影を『槍』の形にして、シャドウランス!
 フォレスト・ウルフの真下から突き上げる感じでお腹にぶっ刺す。

 「ギャン!」

 断末魔を上げながら、倒れていくのを見ながらすかさず【血液魔法】を使い血を回収する。
 うーん。鮮やか。
 攻撃手段が増えて嬉しい限りですね。  
 影から出て魔石を回収する。

 「うーん。手があるって幸せ。簡単に魔石取り出せるじゃん」

 今までは、足と口を使って抉り出してたからね。
 効率が段違い。

 「血は…うーん。美味しいっちゃ美味しいけどボスゴブリンのせいで舌が肥えてるな」

 俺も贅沢になったもんだね。
 ボスゴブリンの血は残して保管しておけば良かった。
 【血液魔法】でモンスター別に血を分けれる事がわかったから、今度から美味しかった血は一気に飲まずに、ちびちびと味わおう。


 「ふーむ。器の上昇量はゴブリンと大差無しか。もっと強いの狙わないといつまで経っても進化出来ないぞ」

 レッサー・ヴァンパイアになってから次の進化に必要な経験値が爆増した。
 ゴブリンやさっきのウルフ程度では増えたかどうかも分からないぐらいだ。

 「慎重にちりつも作戦でいくか、大物狙いでいくか」

 迷うなー。
 まあ、大物狙いといってもまず見つける所からだし、弱いのを狩りつつ大物を探しますか。
 もっと魔法の練習もしたいしね。

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした

宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。 聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。 「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」 イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。 「……どうしたんだ、イリス?」 アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。 だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。 そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。 「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」 女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

【R-18】吸血鬼の家庭教師~年下貴族に溺愛求婚されています【挿絵付】

臣桜
恋愛
魔族や様々な種族が入り乱れるエイダ王国で、人間のクレハは浮いた存在だった。一般母子家庭に育ち、沢山勉強をしていい職に就き母を楽させるのが夢だ。ある日クレハは喧嘩の現場を見てしまい、背後から襲われ昏倒した赤髪の青年を助ける。青年は高位魔族――吸血鬼の貴族だった。ノアと名乗る青年と一時は別れたものの、再び出会ったクレハは彼にどうしようもなく惹かれてゆく。 ※表紙はニジジャーニーで生成しました。

性奴隷を飼ったのに

お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。 異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。 異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。 自分の領地では奴隷は禁止していた。 奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。 そして1人の奴隷少女と出会った。 彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。 彼女は幼いエルフだった。 それに魔力が使えないように処理されていた。 そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。 でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。 俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。 孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。 エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。 ※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。 ※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。

三国志 群像譚 ~瞳の奥の天地~ 家族愛の三国志大河

墨笑
歴史・時代
『家族愛と人の心』『個性と社会性』をテーマにした三国志の大河小説です。 三国志を知らない方も楽しんでいただけるよう意識して書きました。 全体の文量はかなり多いのですが、半分以上は様々な人物を中心にした短編・中編の集まりです。 本編がちょっと長いので、お試しで読まれる方は後ろの方の短編・中編から読んでいただいても良いと思います。 おすすめは『小覇王の暗殺者(ep.216)』『呂布の娘の嫁入り噺(ep.239)』『段煨(ep.285)』あたりです。 本編では蜀において諸葛亮孔明に次ぐ官職を務めた許靖という人物を取り上げています。 戦乱に翻弄され、中国各地を放浪する波乱万丈の人生を送りました。 歴史ものとはいえ軽めに書いていますので、歴史が苦手、三国志を知らないという方でもぜひお気軽にお読みください。 ※人名が分かりづらくなるのを避けるため、アザナは一切使わないことにしました。ご了承ください。 ※切りのいい時には完結設定になっていますが、三国志小説の執筆は私のライフワークです。生きている限り話を追加し続けていくつもりですので、ブックマークしておいていただけると幸いです。

[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。 学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。 そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……

処理中です...