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第二章 名も無き吸血鬼
第14話 外の世界へ
しおりを挟む能力確認を終わらせた俺は早速外に飛び出した。
洞窟から出ると、そこは鬱蒼とした森だった。
「まあ、予想はしてたけどね」
さてさて、これからどうするか。
いずれは人里に行って情報収集したいけど、流石にこのボディでは行けない。
進化して成長する事を切に願う。
とりあえずこの森を把握する所からかな。
軽く歩き回りつつ、【音魔法】でなんちゃってマッピングしましょうか。
「広すぎる…」
歩き始めて、2時間程が経過したと思う。
マッピングしながらとりあえず、端を目指してるんだが終わりがら見えない。
あれかな? ラノベとかで語られる魔の森的な。
一度入ると出られませんみたいな森あるよね。
魔物も姿もちらほらと見える。
近付いてないので戦闘には至ってないが、恐らく勝てると思う。
ボスゴブリン程の威圧感は無かった。
「これは、作戦変更しよう。魔物を殺して回りつつ、森の終わりを探そう。当分見つかる気がしない」
という事でレッツハンティング。
見た事ない魔物ばっかりで、血の味が気になってたんだよね。
魔法の使い勝手も確かめたかったし。
まずは、さっきからちらほらと見かける狼から。
【影魔法】のシャドウダイブで影に入る。
まずはこれで近付いて行って、気付かれるのかのチェック。
(ふむふむ。どうやらバレてないっぽいな。鼻をヒクヒクさせてるから匂いはあるのかも?)
俺は影から狼の様子を伺っていたが、匂い以外は大丈夫っぽい。
これだけでも【影魔法】有能だよね。
あ! 【魔眼】使ってみよう。
『フォレスト・ウルフ
名前 無し
【魔物能力】
噛みつき
嗅覚強化 』
おお! やっぱり敵の情報も分かるのか!
破格の【異能】だぞ、これは!
誰か知らないけど【魔眼】くれた人ありがとう!
さて、このまま影からサクッと殺ろう。
影を『槍』の形にして、シャドウランス!
フォレスト・ウルフの真下から突き上げる感じでお腹にぶっ刺す。
「ギャン!」
断末魔を上げながら、倒れていくのを見ながらすかさず【血液魔法】を使い血を回収する。
うーん。鮮やか。
攻撃手段が増えて嬉しい限りですね。
影から出て魔石を回収する。
「うーん。手があるって幸せ。簡単に魔石取り出せるじゃん」
今までは、足と口を使って抉り出してたからね。
効率が段違い。
「血は…うーん。美味しいっちゃ美味しいけどボスゴブリンのせいで舌が肥えてるな」
俺も贅沢になったもんだね。
ボスゴブリンの血は残して保管しておけば良かった。
【血液魔法】でモンスター別に血を分けれる事がわかったから、今度から美味しかった血は一気に飲まずに、ちびちびと味わおう。
「ふーむ。器の上昇量はゴブリンと大差無しか。もっと強いの狙わないといつまで経っても進化出来ないぞ」
レッサー・ヴァンパイアになってから次の進化に必要な経験値が爆増した。
ゴブリンやさっきのウルフ程度では増えたかどうかも分からないぐらいだ。
「慎重にちりつも作戦でいくか、大物狙いでいくか」
迷うなー。
まあ、大物狙いといってもまず見つける所からだし、弱いのを狩りつつ大物を探しますか。
もっと魔法の練習もしたいしね。
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