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第一章 名も無き蝙蝠

第10話 ゴブリン集団

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 作戦思いつきませんでした。
 という事で、バレない様に慎重に近付きながら観察して、単独行動か少人数で行動した所を消音結界で包んでサウンドボムで仕留めようと思います。


 「仲良しかよ」

 ぼそっと呟く。見えそうで見えない場所の天井に潜んで3日。
 こいつら、全然別れねぇ。
 獲物とか探しに行けよ。お腹空かないの?
 何体か待機させて、外に遠征行って下さい。
 お願いします。

 暇で暇で虚無感がね。杖持ちのゴブリンが居るから万が一、魔法の練習してバレたら嫌だし。
 ずっとゴブリン見てると頭おかしなってくるで。
 そりゃ、関西弁にもなるってもんや。


 それから更に、3日。
 ようやく、ようやく!
 ゴブリンリーダー? に指示されて出口とは逆の方向へ。つまり、俺が隠れてる方向に剣持ち2体と杖持ち1体が歩いてきた。

 出来れば杖持ちは来ないで欲しかった。
 あの魔力探知みたいなのされたらバレる。
 あれどうやってるんだろうね?
 俺も練習中にやってみたけど、【音魔法】で良くね? って思って結局先延ばしにしちゃったんだよね。

 幸いにも、俺の真下を通っても気付かれずに素通りして行った。
 こいつらは、何を指示されたんだろうか?
 とりあえず着いて行ってみる。
 このまま消音結界で覆って、殺してしまおうかとも考えたけどこっち側に来た理由を知りたい。

 そのまま、静かに着いて行くとゴブリン達がネズミを殺し始めた。食糧確保かな? ゴブリン達の主食はネズミか。
 まぁ、外に狩りに行かないならネズミか同族喰いしかないよな。それで、6日間も動かなかったのは驚きだけど。燃費がいいのかね。
 イメージでは悪いんだけどな。
 
 ふむ。こっちに来たのが食糧確保なら殺すか。
 こいつらが帰って来なかったら怪しむだろうけど、流石にいきなり全体で探しに来たりしないだろう。また少数に様子見に行かせるはず。それをまた殺す。
 いつかは、痺れを切らしてボスそのものが来るだろうが、それまでに出来るだけ数を減らそう。

 俺は、ネズミを殺し終わる瞬間を狙う為に息を潜める。倒し終わった後なら、少しでも油断してくれてるのではと思ったからだ。


 ………今! 消音結界! サウンドボム!

 俺はゴブリン達が居る所一帯を覆って、サウンドボムを使う。こちら側に音は聞こえなかったが、効果はあったようで3体ともふらつきながら膝をつく。
 
 ノーマルゴブリンならこれで終わってたのに。
 そう思いながら、ソニックニードルを3体に放つ。
 当たったゴブリン達は、口から血を吐きつつ倒れ込む。
 ああ! もったいない!まだ痙攣してるし、生きてそう。
 という事で、もう一発ずつ当てると器に経験値が流れてきた。

 この1年、ほとんどネズミしか倒してなかったので全然貯まってなかったが、今回の3体のゴブリンで10分の1ぐらいは貯まった。
 あそこのゴブリン全部倒したら、進化も見えてくるな。
 そんな事を考えながら、【吸血】を済ませて魔石を取る。大きさはノーマルゴブリンと変わらんな。

 俺は小さな体の全体を使って、ゴブリンをぐいぐい押しながら端に寄せる。
 血を全部抜き終えてるから軽いけど、俺の体が小さ過ぎて苦労した。

 よし! 特に苦戦せず倒す事が出来たな。
 杖持ちゴブリンに俺の魔法が勘付かれるかと思ったけどバレてなかったっぽい?
 鈍いだけか。俺は魔力探知された時は分かったし。

 とりあえず【音魔法】が通用する事はわかった。
 ボスゴブリンはどうか分からんが取り巻きはなんとかなりそう。
 このまま、杖持ちゴブリンの探知に気を付けつつこちら側に来たゴブリンを消していこう。

 あ、魔石は大きさは余り変わらんかったが、内包してた魔力量は全然違った。
 あの3体だけで、魔力量が1.5倍ぐらいになった。
 魔物が強くなるには進化もそうだけど、魔石を食べる事も重要になるんじゃないかな。
 これからも沢山食べていこう。
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