サイコパス、異世界で蝙蝠に転生す。

Jaja

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第一章 名も無き蝙蝠

第8話 試行錯誤

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 結局、【音魔法】の練習をする事にした。
 新天地を開拓して、新しい敵を探して強くなりたい気持ちも勿論ある。
 進化だってしたいし。

 でも、未だに俺が戦った事があるのはネズミとゴブリンだけ。
 ラノベでは、最底辺のゴブリンだしこの世界ではもっと強い敵はいるだろう。
 ゴブリン相手に無双出来てるからといって、この先も出来るかわからない。
 特に人間。絶対負けたくないね。

 魔力操作がもっと上達すれば、出来る事がもっと増えるだろう。ネズミで実験しつつ、【音魔法】の可能性を追求しようと思う。


 とりあえず欲しいのは単体に攻撃出来る手段。
 サウンドボムは、使ったら結構周辺にも被害が出る。
 まぁ、音波を撒き散らしてるみたいなもんだし。
 これを全体攻撃用にして、単体で使えるのが欲しい。毎回音波を周りに出してると、すぐに気付かれる。隠密性があるのが望ましいな。

 うーん。どんなのが良いだろうか。
 例えば『矢』とかかな。
 直接、耳に届くようにしたい。
 最初はこれをサウンドボムでやろうとしたけど、ボムに意識を引っ張られすぎて中々上手くいかなかった。

 『矢』なら耳に突き刺すイメージでいけるんではなかろうか? いや『針』の方がいいか?
 小さければ小さい程いいしね。

 基本的に【音魔法】は不可視で音速。
 視界が届く所なら攻撃出来る。多分熟達したら索敵してる範囲全域に攻撃出来るようになると思う。

 これだけでも充分強いんだが、魔力を見れる敵が居るかも知れない。いや、居ると仮定しておくべきだろう。ラノベではお約束レベルなんだし。

 それなら少しでも見にくくする為に小さく『針』にするのは良い事ではないだろうか。
 うむうむ。早速実験、練習しよう。



 うーん。ネズミじゃわからんなー。
 上手くいってる筈だけど。

 あれから10日程経ったと思う。
 まずはひたすら魔力操作の訓練をした。体に流れてる魔力回路的なのを意識してぐるぐる回すように。

 最初は石でも詰まってるんじゃないかと思うぐらい、ちょびっとしか動かなかった。
 これで良く魔法を使えてたなと思うぐらい。
 それでも、根気よく押し込むように動かす事を意識すると段々と動く様になってきた。

 まだまだ、息をする様に動かす事は出来ないが、後は慣れだろう。継続的にやって熟練度を上げていきたい。

 それで『針』なんだけど…
 上手くいってるはず…たぶん…きっと…めいびぃ。

 だって見えないんだもん。音が見える訳ないじゃんね。さっき自分でドヤ顔で不可視とか言ってたもんね。

 魔力見れる能力が切実に欲しいぜ。魔眼とかさ。お決まりだよね。
 くっ。封印されし左眼が疼くっっ!
 …失礼しました。
 いくら家庭環境が悪くても厨二病ってくるんだよね。男の子だもの。

 でもでも、ほんとに多分上手くいってるんだよ!
 最初はネズミが爆散してたけど、今では原型をそのままで倒せてる。
 壁に向かって撃ってみても、小さい穴が開いてるような感じ。

 だから後は、発動速度。
 小さくしてるからか、かなり緻密な魔力操作を求められる。これは後で要練習だね。


 で、もう一つ試してみた魔法が消音。
 音を出す事が出来るなら消す事も出来るんじゃないかと。
 結果は簡単に出来た。まぁ、振動を消すだけですし。

 これで、周辺を覆って結界の様にする消音結界を作る事に成功した。
 これで隠密に行動しないといけない時もこの魔法があれば役に立つだろう。

 そういえば、ゴブリンはなんか詠唱的なのをブツブツ言いながら魔法を撃ってきたけど、俺は心の中でも出来る。無詠唱ってやつ?

 この消音結界で詠唱を聞こえない様にしたらどうなるのかな。試してみたいけど、魔法使う奴に会いたくないなぁ。ジレンマ。

 後、音魔法を使って喋る練習をしてる。
 いつまでも鳴き声で過ごしたくない。
 これに関してはかなり苦戦してる。
 声紋がなんなのかいまいちわからん。
 今まで意識した事無かったし。これも練習あるのみですかね。

 この辺の事がある程度出来るようになったら、新天地に飛び立とうと思います。
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