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第6章 シークレット始動

第121話 みんなでお出かけ

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 結局『シークレット』の戦闘員五人でアキバにやってきた。神田さんは何故か恐縮してたけど。
 別にアキバをぶらつくだけだし、仲間外れは良くないかなと思って気軽に誘っただけなんだよね。
 そんな大層な目的はないし、普通に楽しんでほしい。
 適当なパーキングに車を停めて降りると、周りが騒つく。

 「たんぽぽちゃんが居ると目立つよね~」

 「でかいからな」

 「がっはっはっは!」

 今までは俺と桜だけだし、バレるにしてももう少し時間が掛かった。
 でも公英はとにかく目立つ。
 日本人離れした体格。色黒のスキンヘッドなんて、目立たない訳がない。

 「まぁいいや。DVDが売ってそうな場所に行こうぜ」

 「私、秋葉原に来るの初めてです!!」

 「あらあら。じゃあ今日はいっぱい堪能しましょうねぇ」

 神田さんは目をキラキラさせてきゃっきゃしてる。今まで九州地方から出た事がなかったらしい。
 中学の修学旅行とかどこに行ったのかな。

 「だんちょ~こっちだよ~」

 桜がスマホのマップを片手に道案内してくれる。
 DVDを売ってる店を探してくれたらしい。
 意外と需要があるみたいで、何店舗か売ってる店があるらしい。今時の人間は動画サイトで見るもんだと思ってたからびっくりした。
 俺みたいにかなり古めの作品を求めてる人も多いんだろうか。

 その後、何店舗か回って満足いくぐらいのDVDを購入。ジブリはほとんどの作品買ったし、他にも古き良き名作をいくつも購入。
 俺の今日の目的は終わった訳だが。

 「せっかく外出したし、他に行きたい所がある人はいますかー?」

 ゾロゾロと野次馬を引き受けつつ、ホクホク顔の俺。特に、神田さんは初めてだって言ってたし、行きたい所はいっぱいあるんじゃなかろうか。

 「わ、私、家電ショップに行きたいです! 引っ越したばかりで足りないものが多くて…」

 「ほう。じゃあ次はそこだな。HEY! 桜! ここから一番近い家電ショップは?」

 「AIみたいに言わないでよね~」

 社宅には最低限の家具家電は置いてあるんだけどな。本当に生活できる最低限だから。
 と、いうことで家電ショップでお買い物。

 「ほわー! これが東京! 都会!」

 「家電ショップなんてどこも大抵一緒だと思うけど」

 何故かウキウキしてる東京すごいすごい言ってるけどさ。福岡だって充分都会だったぞ?
 東京に変なバイアスがかかってるんじゃないですかね。

 「晩飯どうする?」

 「吉野さ~ん」

 「鳥貴品に行きたいわぁ」

 「玉将!!」

 「や、焼肉に行きたいです!」

 見事にバラバラだ。
 協調性がないギルドだぜ。
 神田さんが物怖じする事なく自己主張出来てるのは良いことだけど。

 「神田さんの初遠出って事で、彼女の意見を採用します。焼肉も久々に食べたいし」

 「じゃあ私が道案内するよ~」

 「お酒がたくさん置いてあるお店でお願いねぇ」

 「ふむ!! 肉も悪くない!!」

 そしてやって来たのはお高そうな焼肉屋さん。
 これは中々期待出来そうだ。

 予約無しで入れるのかと思ったけど、俺達が行くと滅茶苦茶歓迎された。
 こういう時有名人お得だよね。こっちが何も言わなくても忖度してくれるんだもん。

 「牛タン20人前~。特上ハラミ30人前~。あ、ユッケもあるよ~。これは5人前~」

 桜がタッチパネルを操作してペコペコと注文してくれる。俺達は基本的に大食いだからな。
 神田さんも平然としてるし、食べる方なんだろうか。

 「俺はホルモン食べたい」

 「私はレバーをお願いしますぅ」

 「ほう! セセリがあるではないか!」

 「わ、私はカルビがたくさん欲しいですっ!」

 そんなこんなで焼肉開始。
 俺、焼肉は大好きなんだけど、焼くのは好きじゃないんだよね。なんか面倒で。焼き加減とか文句言わないから焼いてほしい。

 「牛タン分厚いな」

 「仙台で食べたのに負けてないよ~」

 ここで意外だったのが、公英がせかせかと焼いてくれる事だ。
 桜は食べながら、体から糸を出して焼いてくれている。なんて便利なんだ。手が何本もあるようなもんじゃん。

 「この焼き加減! 絶妙!!」

 「これが焼肉奉行ってやつか」

 「ああいう人達って色々口出ししてくるんじゃないの~? たんぽぽちゃんは何も言わないよ~」

 「それもそうか」

 その後もとにかく肉を注文しては焼いていく。
 神田さんも中々の剛の者で、俺達の食事ペースに序盤はついてきていた。
 陽花もお酒と肉を交互に、そしてハイペースで仕留めていくしさ。

 「うーん。大満足。良い肉ってのはほんと食べたら幸せになれるよなぁ」

 会計額に神田さんが目玉が飛び出そうになってたのをみんなで笑ってからパーキングへ。

 「ん?」

 胸ポケットのスマホがバイブしてるのに気付き取り出すと、事務所から電話が掛かってきていた。

 「もしもし、織田です」

 「あ、織田さん!! 山田です! 急いで事務所に戻って来てください!! 緊急事態です!」

 魔道具師の山田さんはそれだけ言って電話を切った。相当焦ってるらしい。
 山田さん関連というと、狭間探知機しか思い浮かばないんだけど、なんか不味い事でもあったのかしらん?

 「なんか緊急事態みたいなんで急いで帰りまーす」

 「何があったんだろうね~?」

 なんかやばい物でも発明したのか。
 期待半分恐れ半分ですな。
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