異世界帰りの憑依能力者 〜眷属ガチャを添えて〜

Jaja

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第6章 シークレット始動

第107話 歓迎会

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 新しくガチャから出て来た紫陽花と蒲公英。
 八重桜もそうだけど、ガチャから出てくる奴らは植物の名前に因んでるのは何故なんだろう。
 別にいいんだけど、ちょびっと気になります。

 そして現在。
 我が家のリビングはカオスである。
 出来れば二人の能力を早く聞きたいところだったんだけど。

 「あらあら? 良質なお酒がたくさん置いてあるわぁ」

 まず行動を起こしたのは陽花。
 とりあえず家の案内と個室を紹介しようと玄関からスタートしたんだけど、ラウンジのバーの所から動かなくなってしまった。
 そしてそれに公英も便乗。何故か桜も加わって、真昼間から酒盛りが始まってしまった。

 「常識人がいねぇなぁ」

 「にゃーご」

 俺とポテは離れた所で楽しそうにしてるのを眺めてる。なんか打ち解けるの早くない? 知り合いだったのかと思うレベルで仲が良いんだけど。
 桜の社交性のお陰か、二人の話しやすい雰囲気のお陰なのか。

 「考えても仕方ないか。よーし! 俺も混ぜてくれーい!」

 「にゃごにゃご」

 楽しそうにしてるのを見てると俺もソワソワしてきた。なんだかんだ御託を並べてたけど、俺も参加したいのです。
 ポテがやれやれって感じの呆れた視線を向けてきたけど気にしない。
 お前にはチュールをプレゼントしてやろう。

 「きたきた~。はいだんちょ~。麗しいお姉さんが入れてくれたお酒だよ~」

 「うふふ。召し上がれ」

 バーの所に立ってる陽花は銀座のママにしか見えませんぜ。行った事ないからイメージになるけども。

 「くあーっ! 酒はうめぇなぁおい!」

 「たんぽぽちゃんは一々声が大きいよ~」

 それな。体とおんなじで声もでかい。
 身長って何cmあるんだろう。180後半の俺が軽く見上げないといけないって事は、2mは超えてるんだろうなぁ。
 2m超えのゴリゴリマッチョって恐怖しかないんだが。

 「うまいなこれ。我が家にこんな美味しい酒があったとは」

 「団長さん、こんなお酒を死蔵しておくなんて勿体ないですよぉ?」

 「お酒よりジュースとかコーヒーの方が好きなんだよね。後、ラウンジにズラーっとお酒が並んでるのはカッコいいよねと思って」

 あれだ。ルシファ〇ってNetfli〇の海外ドラマの主人公の家みたいな感じ。
 憧れてたんだよねぇ。ああいう雰囲気のラウンジというか家に。

 「うふふふ。じゃあ今日は団長さんにお酒の美味しさを存分に味わってもらいましょうか」

 「喜んで!!」

 「だんちょ~ってこういうお店に行ったら言われるがままに高いお酒頼みそうだよね~」

 陽花の流し目がたまらないっす。
 キャバ嬢に注ぎ込む世の男性の気持ちが今はっきり分かりました。これは仕方ない。理性が全く仕事しないんだもん。

 「がっはっはっは! 団長は単純な男だな!!」

 そうだね。俺は単純な男だと思う。
 公英には言われたくないかなぁ。まだ付き合いは二時間程度だけど、絶対お前の方が単純だよね?
 世の事象を全て筋肉で解決出来ると思ってそう。

 「よし! 今日は飲むぞー!!」

 「いえ~い!」

 「うふふ」

 「がっはっはっは!」

 能力の事について聞きたかったけど、そんなのは後回しだ。今日は親睦会も兼ねてひたすら飲みまくってやるぜー!!



 「いやぁ。昨日は飲んだなぁ」

 翌日。昼過ぎから始まった飲み会は深夜まで及んだ。全員お酒が強かったお陰でやめ時を見失ってしまった感がある。俺は異世界で肝臓をかなり鍛えたからね。ってか、人前で酔っ払ったりしたら暗殺されるから強くならざるを得なかったって感じ。

 「だんちょ~って普通にお酒が強かったんだね~。観光に行っても料理に合いそうなお酒しか飲まなかったからそんなに強くないと思ってたよ~」

 「普通にジュースの方が美味しい」

 カルピスソーダと林檎ジュースが大好きです。
 無理してお酒を飲むほどでもないかなって。
 でも、今回加わった二人はお酒が好きそうだから、付き合いで飲む機会が増えるかもね。
 後で昨日消費したお酒を追加しておかないと。


 「はい。じゃあ気を取り直して、お家紹介をしていきますねー」

 ラウンジからリビング、庭やお風呂とか一通り見せて個室へ。
 二人に好きな部屋を決めてもらって終了である。

 「一通り見てもらった訳だけど、何か欲しいものとかある?」

 「私は化粧品が欲しいですねぇ。後で桜ちゃんとお出かけしようかしらぁ?」

 「んふふ~! あたしが東京を案内してあげるよ~!」

 「じゃあ桜にカードを渡すから好きに買ってきてくれい」

 桜が昨日からずっとテンション高いんだよね。
 余程女性友達が増えたのが嬉しいんだろうか。

 「俺様はマシンが欲しいな!! どこかの部屋を改造して筋肉部屋を作りたいんだが!?」

 筋肉部屋って言うのをやめてもらいたい。
 せめて筋トレ部屋にして欲しい。なんか暑苦しい。

 「下の階層にジムがあるんだけど。それで我慢してくんない?」

 「何!? 団長! それを早く言わんか!! ほら!! 早速下の階層に見に行くぞ! 昨日筋トレをしてないから筋肉が悲しんでおる!!」

 うるさい。とりあえず声のトーンをだね。
 もう少し静かにして欲しい。静音の魔道具でも持たせておこうかな。

 「待って待って。俺は昨日から二人の能力が気になってるんだよ。とりあえず教えてくんない? その後に適当に狭間を落札して、実際に戦ってる所を見てみたいんだけど」

 「あらあら。すっかり忘れてましたわぁ」

 「む!? 言ってなかったか!?」

 勝手に戦闘系の能力って思ってるけど、狭間に行くって否定しなかったからそうなのかな?
 いや、これで陽花はともかく、公英が戦闘系能力者じゃなかったらびっくりなんだけど。
 流石に家事とかの能力だったら笑っちゃうよ? 能力に貴賤はないとはいえ、解釈違いがすぎる。

 明日には神田さんも到着するし、それらを連れて狭間攻略といきたいところだね。今のうちに何級でもいいから落札しておこう。
 神田さんの能力も面白いし。
 はてさて二人の能力はなんなのかな?
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