異世界帰りの憑依能力者 〜眷属ガチャを添えて〜

Jaja

文字の大きさ
上 下
110 / 152
第5章 海外遠征

第98話 広島観光

しおりを挟む

 
 「ほう。牡蠣の生産量が国内一とな? てっきり北海道とか東北地方が一位だと思ってたぜ。これは食べにいかねばなるまい」

 「お好み焼きも有名なんだって~。大阪じゃないんだ~」

 「なぬ? そうなのか? 広島侮りがたし」

 探索者学校を出てタクシーを拾い、最寄りの吉野さんへ。そこで牛丼特盛という名のオヤツを食べつつ、今日の晩御飯を何にするかスマホで調べる。
 調べてると、自分が知らなかった事を知れて楽しい。牡蠣とかお好み焼きとか予想外だったし。

 「つけ麺に穴子も有名なんだ~! これは退屈しなさそうだよ~!」

 「尾道ラーメンも気になりますな。これは楽しくなってきましたぞ!」

 「だんちょ~。さっきから喋り方が変だよ~」

 「すみません」




 「ぷりっぷり!! うましうまし!!」

 「牡蠣はやっぱり生だよね~!!」

 吉野さんを出てとりあえず牡蠣を食べに向かった。北海道でも食べたけどね。
 ここで食べたらいけない訳でもないですし。

 「もう三つぐらい頼もう。その後は焼き醤油で食べようかな」

 「あたしも~!」

 生牡蠣は当たる心配があるけどね。
 生牡蠣程度にやられる程ヤワな体はしてませんぜ。異世界で喰らった毒の方がよっぽど恐ろしい。

 「ん~! この焦げた醤油の匂いがたまらないね~!」

 「流石に広島プレミアムトップかきだな。北海道で食べのより断然美味しく感じるぜ」

 まぁ、気持ちの問題なんだが。
 馬鹿舌だからなんでも美味しいって言える。
 高貴な舌を持って生まれなくて良かったと思ってます。安いご飯でも幸せになれるので。

 「生と焼きを五つ追加でお願いします」

 「しま~す!」

 食べる手が止まらん。
 このお店は中々のお値段がするんだけど、そんなの全く気にならないぐらい美味しい。
 じゃんじゃん追加注文しちゃおう。


 「ふぃー食った食った」

 「じゃあ締めの穴子めしを食べに行こうか~!」

 一時間程ノンストップで牡蠣を食い散らかした。
 牡蠣って意外とお腹に溜まるんだな。後は締めの穴子めし三杯ぐらいしか入らないぞ。
 オヤツで牛丼特盛三杯は食べ過ぎたか。ちょっと勿体無い事したな。


 「うわぁ。なんか上品な味って感じ」

 「分かる~! このタレがいいのかな~? 脂が乗ってるのにしつこく感じないし~。ふっくらしててご飯との相性が抜群だよ~。お箸が止まらな~い」

 食レポ完璧かよ。
 聞いてるだけで涎が出そうになるじゃねぇか。
 実際に食べてるんだけどさ。

 うーん。正直広島にはあんまり期待してなかったんだけど、初日から中々楽しませてくれるね。



 「ポテちゃ~ん。どこかな~?」

 あなごめしをたらふく食べてホテルへ。
 そしてそこから憑依して転移。相変わらず転移酔い。これさえ無ければな。不快感が凄い。
 ポテの様子を見に戻ってきたんだけど。

 「にゃにゃ」

 「あ~! そんなとこに居た~!」

 キャットウォークの天井付近でふんぞり返っていた。まるで下々の民を見下す王様のように。
 ポテは桜が帰ってきたのを確認すると、立ち上がりジャンプの準備をする。
 桜も慣れたもので、その姿を見てすぐに糸の準備をしていた。

 「にゃにゃおーん」

 「んふふ~! 上手に出来たね~。ただいま~」

 しっかりジャンプ出来てご満悦の様子。
 ペットカメラで様子を見てみたけど、今回はかなりアクティブにはしゃぎ回ってたみたいだ。
 キャットタワーを高速で往復してたり、キャットウォークを高速移動したり。ん? 落ちてるじゃん。体は大丈夫なのか? 後でヒールを掛けておこう。

 「寂しくなかったかな~? 今日から当分夜しか帰ってこれないんだけど~。大丈夫かな~?」

 俺達は広島観光が終わった後はそのまま香川に飛ぶ。四国の探索者学校が香川にあるからね。
 そして次は沖縄。九州地方の探索者は沖縄に集められてるらしい。理由は知らん。
 福岡とかにあると思ってた。

 それが終わるとようやく一旦東京に帰って来るが、少ししたら次は名古屋と大阪だ。
 中部地方と近畿地方の探索者が集められてるからね。で、最後に北海道。これは東方地方が集められている。
 これで学校巡りは終了である。中々に忙しいスケジュールになっております。
 まぁ、自家用ジェットがあるから快適なんだが。
 フランスさんありがとう。

 「ペットホテルに預けようか迷ったけど、問題なさそうだな」

 「大丈夫かな~? 寂しくないかな~?」

 夜に帰ってこれるし大丈夫だろう。
 俺達が不在の間も楽しんでたみたいだしな。

 「ほーら。広島産のお魚を買ってきたぞー」

 「にゃ!」

 市場で売っていた魚の刺身をちらつかせる。
 ふっふっふっ。北海道産のもお気に召したみたいだし、こいつも中々のブツなのは間違いない。
 しっかり味見してますからな。

 「ふにゃー」

 「ふにゃー頂きました! やはり広島産も素晴らしいな!」

 しっかりポテをふにゃらせる事に成功。
 広島侮りがたし。


 「さて。ホテルに戻るか」

 「ポテちゃんいい子にしてるんだよ~」

 一時間ほどポテと交流して広島のホテルに戻る。
 ポテは刺身を食ってご満悦だ。
 お高い猫用ベッドで丸くなってらっしゃる。
 さーて。明日からも広島観光だ!
 まだまだ始まったばかりだぜ!!
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

無限の成長 ~虐げられし少年、貴族を蹴散らし頂点へ~

りおまる
ファンタジー
主人公アレクシスは、異世界の中でも最も冷酷な貴族社会で生まれた平民の少年。幼少の頃から、力なき者は搾取される世界で虐げられ、貴族たちにとっては単なる「道具」として扱われていた。ある日、彼は突如として『無限成長』という異世界最強のスキルに目覚める。このスキルは、どんなことにも限界なく成長できる能力であり、戦闘、魔法、知識、そして社会的な地位ですらも無限に高めることが可能だった。 貴族に抑圧され、常に見下されていたアレクシスは、この力を使って社会の底辺から抜け出し、支配層である貴族たちを打ち破ることを決意する。そして、無限の成長力で貴族たちを次々と出し抜き、復讐と成り上がりの道を歩む。やがて彼は、貴族社会の頂点に立つ。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~

はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。 俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。 ある日の昼休み……高校で事は起こった。 俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。 しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。 ……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

処理中です...