異世界帰りの憑依能力者 〜眷属ガチャを添えて〜

Jaja

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第5章 海外遠征

第96話 Like a Dragon

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 「ただいま」

 「おかえり~」

 秋葉原からの帰りに近くの吉野さんで牛丼を大量購入して帰宅。
 桜とポテはソファの上で戯れていた。

 「うわ~。なにその紙袋~。買い過ぎじゃな~い?」

 「面白そうな作品が多くて…」

 俺の手には三つの大きな紙袋。
 しかもアイテムボックスの中にもまだ入っている。持ちきれなかったので、車の中で憑依して放り込んでおいた。後で出しておこう。

 「後でどんなの買ったか見せてね~。それよりもご飯食べた~い。あ~牛丼だ~!」

 そういえば何を食べたいとか言われてないのに、当たり前の様に牛丼を買ってきたな。
 桜ならこれを与えとけば間違いないから良いんだけど。
 フランスで高級料理を食べ漁ったし、そろそろチープな味が恋しくなってきてたから丁度良かったんだけど。

 「ポテちゃんはダメだよ~。後でお刺身をあげようね~」

 「にゃごにゃご」

 テーブルの上の牛丼に興味津々なポテ。
 猫に牛丼ってありなのかな? 不安だからやめておいた方がいいだろう。
 後で俺のアイテムボックスに眠ってる北海道産の魚を提供してやるから今は我慢しておくれ。


 「じゃあ俺は今からひたすらゲームするけど」

 「あたしはどうしようかな~。とりあえず見とくよ~」

 取り出したるは龍が如○。
 TVゲームで初めて俺がハマった作品である。
 内容はほとんど忘れてるから。
 しっかりとサブストーリーまでクリアさせてもらいますよ。

 「ねぇねぇ~。なんでこのおじさんはムービーで撃たれたら瀕死になるのに戦闘中は平気なの~?」

 ゲームを開始してから三時間。
 始めは軽くチラ見してる程度だった桜が今ではストーリーに夢中である。
 ほんと面白いよね、これ。

 「そこ気にしちゃうの?」

 「気になるよ~。戦闘中は体力がちょびっとしか減らないのにさ~。ムービーになった途端大ダメージだよ~? 堂○の龍の名が泣くよ~」

 お前は桐○さんの何を知ってるんだ。
 そこは物語の進行上触れないのが暗黙の了解でしょうが。

 「真○の兄さんはカッコいいね~。いい具合に狂ってる所が桜ポイント高めだよ~」

 「それは分かる」

 この人はシリーズを通してカッコいいんだ。
 なんでも○島の兄さんを操作出来る作品もあるとか。発売順にやっていくつもりなんだけど、今からその作品をやるのが楽しみだ。

 俺の目標はこの一週間で全シリーズクリアする事だからな。
 勿論サブストーリーもだ。流石に一週間もあればクリアできるだろ。



 「これ、マジで設定入ってんのかよ」

 「ね~。諦めて次に進もうよ~。ストーリーが気になってしょうがないんだよ~」

 引きこもり生活三日目。
 俺は未だに無印に苦戦していた。
 バトル系は問題なかったんだ。
 俺を苦しめてるのはサブストーリーのスロット。
 規定枚数を出さないといけないんだけど、全然クリア出来る気配がない。

 「ここまできたら意地でもクリアしてやる」

 「も~。動画サイトで続きのストーリー見ちゃおうかな~」

 「ネタバレはするなよ。一回やった事があるとはいえほとんど忘れてるんだから」

 「う~。ポテちゃ~ん。だんちょ~が頑固だよ~」

 「にゃ」

 「え? あ、おい」

 桜に泣きつかれたポテがコントローラーをペシっと叩く。すると何故か7が揃っていた。

 「はぁ?」

 いや、まぁありがたいけどさ。
 一回当たったぐらいじゃ意味ないんすわ。
 4000枚以上出さないといけないので。

 「にゃ。にゃ。にゃ」

 「え、ちょっ、マジ?」

 ポテがコントローラーを叩く度に揃う7。
 待て待て。何か不正でもしてんのか?
 やり方があるなら教えて下さい。

 そして1時間後。
 俺はサブストーリーをクリアしていた。

 「納得がいかん!!」

 「ポテちゃんすご~い!!」

 「にゃにゃおーん!」

 俺の三日間は一体なんだったんだ!!
 大体昔のスロットはいまいち良く分からんのだ!
 せめてもう少し分かりやすい機種なら俺だって頑張れた筈だ!!

 「まぁ良い。クリア出来たんだし、これまでの遅れを取り戻さなければ!」

 「これ一週間で全部クリア出来ないよね~」

 言うな。まさか無印でこんなに苦戦するとは思ってなかったんや。

 「ほう。これが隠しボス」

 「ラスボスより全然強いじゃ~ん。錦○さんがカマセ犬っぽくなっちゃったよ~」

 ストーリー、サブストーリーを全てクリアし、出てきたのは亜○。
 一応、ストーリークリア前にも対戦出来たらしいけど。先にストーリーを優先したんだよね。
 ○山より強くて桜さんは納得してないけど。

 隠しボスなんてそんなもんでしょ。
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