異世界帰りの憑依能力者 〜眷属ガチャを添えて〜

Jaja

文字の大きさ
上 下
97 / 152
第5章 海外遠征

第88話 モナコへ

しおりを挟む

 
 凱旋門を充分に堪能した。
 そしてその後も色々と回った。

 運転手さんに初めてだから王道コースでお願いしますって言ったら、本当に馬鹿な俺でも知ってる観光名所に連れてってくれた。

 ノートルダム大聖堂にエッフェル塔。
 凱旋門をバックにしたシャンゼリゼ通り。
 どれもこれも雄大で美しかった。

 「時間があればルーブル美術館にも行きたかったんだけどな」

 「あそこは回るのに一日かかるからね~。狭間を攻略してから観光したにしては充分でしょ~」

 残念ながら時間がね。
 明日は朝からまた飛行機に乗ってモナコに行かないとだし。

 「攻略が終わってからでも戻ってこれるしな。モナコでも行きたい場所はあるけど」

 「どこどこ~?」

 おや。桜さんは分からないのかな。
 それなら行ってからのお楽しみにしておこう。
 モナコで金持ちが行くってなったら一つしかありませんぜ。

 「内緒」

 「けち~!」



 そして翌日。
 美しい都、パリを後にしてモナコに向かった。
 今回も飛行機で向かい、約1時間ちょっとのフライトだ。

 「ここがモナコ。楽しみで仕方ないぜ」

 「だんちょ~がそんなに楽しみにする事ってなんだろ~?」

 着いたら前回と違う案内役の人がお出迎えしてくれた。そしてここでも人人人。
 パリでファンサービスしてここでやらない訳にはいかない。狭間攻略するのは明日だし、今日は朝早くから出て来たら時間はたっぷりある。

 「あ~! だんちょ~やらし~!」

 「やらしいとはなんだ、人聞きの悪い」

 前回、幼女にもらったお花を今回も胸ポケットに装備している。
 俺達がモナコに来るのは生放送されてるし、幼女にもらったお花を大事にしてますよアピールだ。
 このささやかなワンポイントに気付いたら、またまた俺のファンは増えてしまうだろう。困っちゃうね。実際大事に保管してたし。普通に嬉しかったので。

 「このロリコンめ~」

 「やめろ。あの女神が聞いてたらどうする」

 ロリでもいけるじゃないかと癇癪を起こすだろ。
 決して俺はロリコンではない。子供に純粋に応援されると心が洗われるんだよね。
 大人になってもその心が失われない事を祈る。

 「なんかパリより多くない?」

 「パリの2級攻略が大々的に報道されたからじゃな~い? あれで本当に攻略出来るのか不安だった人も安心したんだと思うよ~」

 なんだ、信用されてなかったのか。
 天魔君残念。まだまだ圧倒的な支持を得られていないとは。もう少し積極的に攻略する姿勢を見せるべきか? みんなの成長の機会を奪うみたいで申し訳ないんだけど。

 「まぁいいや。とりあえずはファンサだな。俺のイケメンスマイルに慄くがいい」

 「寒気がするほどの愛想笑いだよね~」

 そんな事言ってる桜もしっかり愛想笑いをして手を振っている。
 時には糸を使って子供をあやしたりしている。
 こういう時はお手軽に使える能力って羨ましいよな。俺は一々仰々しくなっちゃうから。

 「でも負けてられません」

 俺も憑依して対抗。
 地上での戦闘系能力行使は禁止されてるんだけどね。パリでもそうだったけど、見逃してくれるらしい。適当に浄化をばら撒きながら、少しずつ空港を進んでいく。

 「うーん。フランス人は美人が多いなぁ」

 眼福眼福。目の保養になりますな。これだけでもここに来た甲斐がありますわい。

 「桜ちゃんの方が美人だよね~?」

 「勿論でございます」

 束糸で俺の頭をペシペシ叩いてくる。
 これ、生放送されてるんだよ? 勘弁してよね。



 パリよりも長い時間ファンサービスをしてから、モナコの協会へ。
 そこで支部長に会ってから、一つお願いされる。
 せっかくなら攻略動画を撮ってくれませんかという簡単なお願いだ。

 「そういえば桜の攻略動画をアップするの忘れてたな」

 「そういえばそうだね~? ホテルに戻ってからアップしておくよ~。ついでに明日の攻略動画もアップ予定ってSNSで伝えとくね~」

 うっかりしてしました。
 後でアップするから許しておくんなまし。

 その後は今日泊まるホテルへ。
 パリに負けず劣らず、いやそれ以上かもしれないほど豪華なホテルだ。

 「それで~? だんちょ~が行きたい場所は~?」

 「行くのは夜だ。それまでゆっくりしようぜ」

 長時間のファンサービスで疲れました。
 桜はマジックリングから撮影器具やらパソコンを出してぽちぽちしてるけど。早速桜の攻略動画をアップしてるんだろう。
 なんか俺がダラダラしてるのは申し訳なくなってくるな。

 「桜様。肩などは凝っていませんか? 良ければマッサージ致します」

 「苦しゅうないぞ~」

 「いつもご苦労様です」

 「良きに計らえ~」

 桜の邪魔をしないようにうつ伏せでノートパソコンをぽちぽちしてる上に乗ってマッサージを開始する。決してやらしいマッサージじゃない。本当に善意からやらせてもらってます。

 「お加減いかがですか」

 「うむ~。悪うないぞ~。大儀である~」

 「ははぁ。ありがたき幸せ」

 「よ~し。終わった~」

 「はや。じゃあ俺も終わりだよ」

 「え~」

 パソコン弄り始めて10分ぐらいしか経ってないじゃん。そんな早くアップ出来るのかよ。無編集だからかな?

 その後も二人してベッドでひたすらゴロゴロ。
 そしてそろそろ時間かなって所で準備を開始する。いよいよ俺がフランスで一番楽しみにしてた所に行けるぜ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 この世界のモナコはフランスと併合してセレブが住む街みたいになっています。
 作者、最近までモナコってフランスの街の一つだと思ってました。
 リーグアンにもモナコってチームあるしさ…

 
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

無限の成長 ~虐げられし少年、貴族を蹴散らし頂点へ~

りおまる
ファンタジー
主人公アレクシスは、異世界の中でも最も冷酷な貴族社会で生まれた平民の少年。幼少の頃から、力なき者は搾取される世界で虐げられ、貴族たちにとっては単なる「道具」として扱われていた。ある日、彼は突如として『無限成長』という異世界最強のスキルに目覚める。このスキルは、どんなことにも限界なく成長できる能力であり、戦闘、魔法、知識、そして社会的な地位ですらも無限に高めることが可能だった。 貴族に抑圧され、常に見下されていたアレクシスは、この力を使って社会の底辺から抜け出し、支配層である貴族たちを打ち破ることを決意する。そして、無限の成長力で貴族たちを次々と出し抜き、復讐と成り上がりの道を歩む。やがて彼は、貴族社会の頂点に立つ。

【祝・追放100回記念】自分を追放した奴らのスキルを全部使えるようになりました! ~いざなわれし魔の手~

高見南純平
ファンタジー
最弱ヒーラーの主人公は、ついに冒険者パーティーを100回も追放されてしまう。しかし、そこで条件を満たしたことによって新スキルが覚醒!そのスキル内容は【今まで追放してきた冒険者のスキルを使えるようになる】というとんでもスキルだった! 主人公は、他人のスキルを組み合わせて超万能最強冒険者へと成り上がっていく! ~いざなわれし魔の手~ かつての仲間を探しに旅をしているララク。そこで天使の村を訪れたのだが、そこには村の面影はなくさら地があるだけだった。消滅したあるはずの村。その謎を追っていくララクの前に、恐るべき魔の手が迫るのだった。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

処理中です...