異世界帰りの憑依能力者 〜眷属ガチャを添えて〜

Jaja

文字の大きさ
上 下
84 / 152
第4章 ギルド拡充

第77話 無計画

しおりを挟む

 
 「宝箱はっと」

 「少しの金銀財宝にポーション~。それにこれは鞄~?」

 「おっ。マジックバッグじゃん。容量次第では高値で売れるぞ」

 3級の狭間にしては悪くないんじゃないかな。
 どれもこれも良いお値段になりそう。

 「全部売るの~?」

 「何か欲しいもんがあるのか?」

 「あたしもマジックバッグを持ってた方が便利かな~って思って~」

 「なんだ。それなら早く言えよな」

 俺は慈悲ミカエル忍耐アズラエルに憑依して空間魔法のアイテムボックスを起動。
 ゴソゴソと中を漁り一つのアイテムを桜に放り投げる。

 「マジックバッグの指輪バージョンだな。いつ手に入れたか忘れたけど、それあげるよ」

 「え~!? 良いの~!? だんちょ~大好き~!!」

 ひしっと抱きついてくる桜。
 お胸の感触が素晴らしい。薄着の桜さんだからより一層そう感じるね。

 「俺はアイテムボックス使えるから要らないし。憑依するのは面倒だけどな」

 異世界ではどこでも憑依出来たから無用の長物だったんだ。
 現代では少し人目を気にしないといけないけど、使うほどでもない。

 「って事で、今回手に入れたのは全部売りまーす」

 「ういうい~」

 マジックバッグだけで億は超えるだろう。
 俺のアイテムボックスの中身も少し混ぜようかな。家の金庫内に飾りたいけど、それを差し置いても金銀財宝は大量にあるから。

 「さて、外に出るぞ。協会に寄ってドロップ品を査定してもらった後はお買い物タイムだ!」

 「いえ~い!」




 「んふふ~!」

 「テンション高いな」

 「お買い物は楽しいんだよ~!」

 狭間を出てから、野次馬の応対をしつつパーキングへ。
 車に乗った桜さんのテンションはMAXだ。

 「どこに行く?」

 「とりあえずご飯~」

 それもそうか。
 現在時刻は15時過ぎ。昼ご飯には遅いけど、確かにお腹は空いている。
 俺は車を走らせて吉野さんへ。

 「はっ! 自然に吉野さんに来てしまった!」

 「慣れって怖いよね~」

 ご飯と言われて何を食べるかも聞かずに吉野さんに向かっていた。
 俺はいつのまに洗脳されてしまったんだ。嫉妬レヴィアタンの出番か?

 いつも通りネギ玉牛丼特盛とチーズ牛丼特盛を頼む。桜さんは絶対ノーマルな牛丼を頼む。他にも頼むけど。

 「時間が時間だからなぁ。そんなに多くは回れないけどどうする?」

 「明日は探索者学校に行く日でしょ~? それ用の服を見に行くとかは~?」

 え? スーツじゃダメなの? 俺は面接の時に仕立ててもらったのを着て行く気満々だったんだけど。

 「スーツは固すぎるんじゃないかな~? いやでもスーツの方がいいかな~」

 「それに服ってのは選ぶのに時間がかかるもんだろ? 女性なら特に。もっと時間がある時の方が良いんじゃないかな」

 「一理ある~。美味し~!!」

 俺達は牛丼をむしゃつきながら話を進める。
 桜さんにそう提案したものの、時間が微妙すぎてどこに行くか迷うな。

 「だんちょ~はゲームが欲しいんじゃなかった~?」

 「そうだけど。そんなに時間は掛からないと思うよ?」

 欲しいのを片っ端から買って行くだけだし。
 お金はあるんだ。気になったのは全部買えば良いだろう。迷う必要がない。

 「それにゲームはネットでもポチれるし」

 「だんちょ~が異世界に行く前の骨董品ゲームを探すならネットの方が良いかもね~」

 骨董品って言うな。
 面白いゲームが沢山あるんだぞ。
 とりあえず龍が如○は絶対買う。俺の古い記憶では4で止まってるんだ。続きが気になってしょうがない。

 「なんかあれだな。面倒になってきた」

 「分かる~。なんかご飯食べたら動く気無くなってきちゃった~」

 わいわいとどこに行くか話してたけど、満腹になって人心地つくと、家に帰りたくなってきた。
 この計画性のなさよ。これぞ天魔クオリティ。

 「帰るか。ポテが待ってる」

 「買い物は早起きしてから行こ~う」

 それな。こんな中途半端な時間に行くもんじゃねぇや。閉店時間を気にしながら買い物なんて楽しくないしな。うんうん。完璧な理論武装だ。

 「協会寄って帰ろう。明日は学校に行くんだし、英気を養わないと」

 「ポテちゃんは良い子にしてるかな~」

 案外寂しくしてるかもしれんぞ。
 ごろにゃーして玄関で待ち構えてるかもしれん。




 「ただいまーっと」

 「ポテちゃ~ん」

 残念ながら玄関で待ってるという可愛らしい展開はなかった。
 少し期待してスマホを構えてたんだけどな。

 ラウンジには見当たらないので、リビングに向かう。どこにいるんだろうか。

 「にゃにゃ」

 「大物かよ」

 「ポテちゃんただいま~!」

 猫用ベッドに寝転がり片足を上げておかえりみたいな雰囲気を出してくれている。
 こいつ、俺達が家を出ました時と格好がほとんど変わってないんだが?
 まさか、ずっとベッドでくつろいでたんでは?
 ニートみたいな野郎だぜ。

 「ごろにゃー」

 「良い子にしてたかな~?」

 桜が早速構い倒してるので、俺はペットカメラを起動する。
 ペットショップの人に勧められて買ったんだよね。不在時のペットの様子が分かるらしい。

 「こ、こいつ…っ!」

 マジでベッドから動いてねぇ。
 偶に毛繕いはしてるものの、ずっとベッドで転がってやがった。

 「猫ってもっと活発に動くもんだと思ってたぜ」

 キャットウォークとかに興味はないのかね。
 そのうち遊んでくれるんだろうか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 はい。って事で今章は終了です。
 お疲れ様でした。
 ギルドの面接をして~家族が増えたって感じですかね。
 後は待望の新居。事務所等の施設はまだですが、作者の妄想を詰め込んだ家になってるかなと思います。

 次章はようやく学校巡りですね。
 まぁ最初は詳しくやって、後はご当地巡りになりそうな感じですが。
 ゆるっと進めていけたらなと思います。

 作者は他にも作品を更新してますので良ければそちらもご覧下さーい。

 ではではまた次章で~。

 
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

無限の成長 ~虐げられし少年、貴族を蹴散らし頂点へ~

りおまる
ファンタジー
主人公アレクシスは、異世界の中でも最も冷酷な貴族社会で生まれた平民の少年。幼少の頃から、力なき者は搾取される世界で虐げられ、貴族たちにとっては単なる「道具」として扱われていた。ある日、彼は突如として『無限成長』という異世界最強のスキルに目覚める。このスキルは、どんなことにも限界なく成長できる能力であり、戦闘、魔法、知識、そして社会的な地位ですらも無限に高めることが可能だった。 貴族に抑圧され、常に見下されていたアレクシスは、この力を使って社会の底辺から抜け出し、支配層である貴族たちを打ち破ることを決意する。そして、無限の成長力で貴族たちを次々と出し抜き、復讐と成り上がりの道を歩む。やがて彼は、貴族社会の頂点に立つ。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~

はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。 俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。 ある日の昼休み……高校で事は起こった。 俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。 しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。 ……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

『自重』を忘れた者は色々な異世界で無双するそうです。

もみクロ
ファンタジー
主人公はチートです!イケメンです! そんなイケメンの主人公が竜神王になって7帝竜と呼ばれる竜達や、 精霊に妖精と楽しくしたり、テンプレ入れたりと色々です! 更新は不定期(笑)です!戦闘シーンは苦手ですが頑張ります! 主人公の種族が変わったもしります。 他の方の作品をパクったり真似したり等はしていないので そういう事に関する批判は感想に書かないで下さい。 面白さや文章の良さに等について気になる方は 第3幕『世界軍事教育高等学校』から読んでください。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

処理中です...