異世界帰りの憑依能力者 〜眷属ガチャを添えて〜

Jaja

文字の大きさ
上 下
83 / 152
第4章 ギルド拡充

第76話 桜の攻略

しおりを挟む

 
 「束糸~」

 桜さんのオマージュ戦法は続く。
 まぁ、糸使いってのは似たり寄ったりな性能になりがちだし? 仕方ない所もあるよね。うん。

 「グェェエ!?」

 「グワァァア!?」

 二羽で飛んできたフォレスト・イーグルを鞭な様なもので叩き落とす。
 これは何本もの糸を一つに束ねて、鞭のように使う技らしい。

 「超過鞭○そっくりなんだよなぁ」

 含み笑いのジョーカーさんは糸使いとして参考にするには都合が良すぎる。
 どれもこれもカッコいいしな。

 「○NE PIECEは参考にしやすい」

 桜さんがドレスロー○編を何回も読み返してた意味が分かりましたぜ。

 「あ~肉を落としたよ~!」

 「確保!!」

 今宵の晩飯は唐揚げじゃい!!
 俺はいそいそと風魔法を使って、丁寧に鞄の中に入れる。あー想像しただけで涎が…。

 「思いっ切り戦えるのって楽し~!」

 桜はご機嫌な様子。
 本格的な戦闘はガチャから出て来て初だもんな。
 この調子で思う存分楽しんで下さい。

 「接近戦も練習したいところだったんだけど~。空を飛んでるから出来ないね~」

 雲を掴んで空中機動とか出来ないのかな。
 まぁ、実際は雲を掴むって無理な話だし。

 「森の木々を上手い事利用して、立体機動みたいな事は出来るんじゃね? 糸を使ういい練習になりそうだし」

 「なるほど~! まさしく立体機動装置みたいにするって事だね~? あたしミカ○役やるよ~!」

 役とかはなんでも良いけど。
 まぁ、イメージし易いって事なのかな。
 じゃあ俺は、兵長役やらせてもらっても?

 「フォレスト・イーグルを駆逐してくれ」

 「心臓を捧げよ~!」

 手を胸に当てて敬礼する桜。
 こいつも中々オタクになってるよな。
 俺の影響かしらん?

 「いやっほ~!」

 「器用だな」

 さっそく糸を巧みに使って木の間を飛んでいく。
 すぐに実行出来るあたり、桜のスペックは優れている。

 「爪糸~!」

 片手は空中機動するのに使い、もう片手で接近した敵に指先から出した鋭利な糸で斬りつける。
 なんかそれも見た事あるな。名前忘れたけど。

 「ってか、これは撮影するの難しいぞ」

 縦横無尽に動き続ける桜を捉えるのは一苦労だ。
 ちゃんと映ってるんだろうか。
 一応、俺は空を飛べるからついて行けているけど。

 「んふ~! 立体機動はもう少し練習が必要だね~。自分の思った場所に中々行けないよ~」

 「充分動けてるように見えたけどな」

 まぁ、本人が納得してないなら練習あるのみですよ。いくらでも付き合いますぜ。

 「え~っと~後試してない技は~。これはボス戦で使うとして~」

 桜はポケットからスマホを取り出して、何かを操作している。
 狭間内では電波は届かないので、わざわざメモしてたんだろうか。真面目。

 「うんうん~。後は並列操作の練習かな~」

 「家でも偶に練習してるよな」

 「指先から出した糸を全部別々に操作したいんだよ~。これが難しくてね~」

 暇な時に糸をふよふよさせてるのをよく見かける。別々に操作するのは難しいだろうなぁ。

 「あたしは体の何処からでも糸を出せる訳だし~? 指先からだけじゃ勿体無いんだよね~。まずは指先から並列操作の練習してるんだけど~」

 「脳みその数が足りてませんぜ」

 想像しただけでヘッドがペインになる。
 戦ったりしてると気にならないのかな? 俺も反転の計算とかしてる時とか、滅茶苦茶脳みそ使ってそうだけど、気になってないし。

 「ここからはサクサクいくよ~!」

 「頑張ってくだせぇ」

 宣言通り、桜さんは向かってくるフォレスト・イーグルを指先から出した糸で上手に首を刎ねていく。回数を重ねる毎にスピードも上がっていき、1時間程でボスが居そうな場所までやってきた。

 「思ったよりも早かったな」

 「操作に慣れてきたからね~」

 練習しながらだから、もっと時間がかかるかと思ったけど。桜さんは天才ですか。
 俺の方が撮影やら素材回収で慌ただしくしてたぐらいだ。

 「どうするの? まさか鳥籠を使っちゃう感じ?」

 「あれは通常操作の応用で簡単に出来ちゃうからしないよ~」

 なんだ。ちょっと期待してたのに。
 後、ジョーカーさんの技ってなんかあったっけ?
 いや、いっぱいあるんだろうけど。

 「マリオネット~」

 「ほう! ほうほう! ほうほうほう!」

 桜が少し手を捏ねてるなと思ったら、糸で作った等身大の人形が完成した。

 「うんうん~。流石に自動で動かしたりは出来ないけど~。悪くない出来だね~」

 「ロマン! ロマンを感じる技だな!! ん? 誰かに似てるような?」

 「安藤さんだよ~。なんか強い女性を思い浮かべたら自然にこうなっちゃった~」

 『暁の明星』の筋肉女子安藤さん。
 確かにあの人見た目強そうだもんな。

 「よ~し! このままボスも倒しちゃうよ~!」

 ボスの場所に飛び込んだ桜は多数のフォレスト・イーグルとフォレスト・マザー・イーグルと対峙する。
 マザーがボスなのか。そんなに強くないんだけど。ってか、産卵特化な感じだった気がする。
 3級だしそんなもんか。

 「いけ~! 安藤さん一号~!」

 「お前怒られるぞ」

 片手の手でマリオネットを操作し、敵をどんどんと叩き落としていく。
 もう片方の手は指先から出した弾糸で撃墜。

 「マリオネットに前衛をやらせて、桜が後衛から弾を撃っていくってムーブも出来そうだな」

 「操作が難しいんだよ~!」

 良く見たら桜さんは結構必死だ。
 マリオネットの操作が難しいんだろうか。
 両手で操作した方が楽では? と思ったけど、それなら桜が戦った方が早いもんね。
 片手で操作する事に意味があるんだろう。

 「これで終わり~! 砲糸~!」

 今まで弾丸サイズだった糸を大砲クラスの大きさにして射出。
 マザーの大きな体に風穴が空いて、光になって消えていった。

 「疲れた~!」

 「お疲れちゃーん」

 素材やら魔石やらを回収しつつ、桜に労いの言葉をかける。
 なんだかんだ練習しつつ3級を攻略できたな。
 これは2級攻略も頑張れば出来そうだぞ。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

無限の成長 ~虐げられし少年、貴族を蹴散らし頂点へ~

りおまる
ファンタジー
主人公アレクシスは、異世界の中でも最も冷酷な貴族社会で生まれた平民の少年。幼少の頃から、力なき者は搾取される世界で虐げられ、貴族たちにとっては単なる「道具」として扱われていた。ある日、彼は突如として『無限成長』という異世界最強のスキルに目覚める。このスキルは、どんなことにも限界なく成長できる能力であり、戦闘、魔法、知識、そして社会的な地位ですらも無限に高めることが可能だった。 貴族に抑圧され、常に見下されていたアレクシスは、この力を使って社会の底辺から抜け出し、支配層である貴族たちを打ち破ることを決意する。そして、無限の成長力で貴族たちを次々と出し抜き、復讐と成り上がりの道を歩む。やがて彼は、貴族社会の頂点に立つ。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~

はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。 俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。 ある日の昼休み……高校で事は起こった。 俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。 しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。 ……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...