異世界帰りの憑依能力者 〜眷属ガチャを添えて〜

Jaja

文字の大きさ
上 下
80 / 152
第4章 ギルド拡充

第73話 大満足

しおりを挟む

 
 リビング中央にある螺旋階段を登って20階へ。
 そこは、19階とは打って変わって落ち着いた雰囲気を醸し出していた。

 「ご要望通り、20階は個室をいくつも用意し、寝室として使える様にしてあります。織田さんと八重さんしか居ないということで、二つの部屋しか真実様の家具は搬入していません。一番奥の部屋以外は空っぽの状態になっています」

 芦田さんが説明しながら部屋を開けていく。
 螺旋階段を登ると左右に通路があり、どちらにも沢山の扉がある。

 「ふむぅ。広いな。主に寝室として使うのにスペース取りすぎたか?」

 「個人のプライベートスペースとしても使うんでしょ~? あたしは部屋に服とかいっぱい保管する予定だし~? 良いんじゃないかな~」

 それもそうか。個人の部屋兼寝室だからな。
 これぐらいの広さがあってもいいか。
 一部屋でリビングの半分ぐらいの部屋の広さはあるけど。しかも各部屋にトイレが設置してある。
 全然引きこもれちゃうね。

 「で、ここが」

 「はい。設置に中々苦労しましたよ」

 最奥に設置された部屋。
 この部屋は家に入る時同様、カードキーが必要になる。
 カードを翳して部屋に入ると、目の前には銀行にあるようなどでかい金庫の扉。

 「防犯対策が世界の銀行と同レベルになっております。現在は警報を切っていますが、後でご自身での設定をお願いしますね」

 金庫を開けると中は当然空っぽ。
 ここには俺が異世界から持ってきた素材やら金銀財宝、美術品、魔道具等を保管する場所だ。
 別にアイテムボックス内で寝かせておいても良かったんだけどな。
 中身を整理したい気持ちもあったし、豪邸にはこういうのがあっても良いかなと。

 「まっ、後で個人的な防犯対策もするけど」

 「だんちょ~のアイテムボックスの中が楽しみだよ~」

 桜とコソコソ話しながら金庫を後にする。
 眷属ガチャから出てきた奴は入れるようにするし、使いたいもんがあれば持って行ってもいい。
 一応、盗難対策の為に何を持って行ったかは報告してもらうけど。

 その後、俺と桜は寝室をチェック。
 俺の部屋はキングサイズよりも大きいフカフカのベッドにウォークインクローゼット。
 壁一面だけは鏡張りになっており、ここで身嗜みを整える事が可能になってある。

 桜の部屋はなんか女子っぽい部屋。
 なんて形容していいか分かりません。
 おしゃれだなとおもいました。まる。

 「これで以上ですね」

 「うむ! 大満足じゃ!」

 「んふふ~! 部屋に住むのが楽しみだよ~!」

 「にゃーご」

 ありがとう、『地震に負けない』。
 最高の仕事だぜ。これは依頼料上乗せだな。
 確かにお金は目減りしてきてるけど、良い仕事にはそれなりの対価ってのが必要だと思うんだ。
 俺の予想以上の満足感だし、上乗せもありだろう。

 「現在階下も随時建設中です。それが終わり次第社宅の改築に入りますね」

 「これからもよろしくお願いします」

 「いえいえ。こちらこそ」

 そう。まだ居住地が完成しただけで、階下にも俺と桜がこだわった施設がどんどんと作られていく予定なんだ。
 まだまだ楽しみは終わらないぜ!



 「よし! まず何からやるべきか」

 「ポテちゃん用品出してよ~。色々作ってあげるんだから~」

 そうね。まずはそれからしようか。トイレとかも早めに設置しておかないと粗相してしまうかもしれない。

 俺と桜は芦田さんが帰って行った後に一通り雄叫びを上げてから落ち着く。
 なんか叫ばずにはいられなかったんだ。
 勿論、防音対策はバッチリなので外に声が漏れてる事はないだろう。

 で、何からして遊ぼうかと思ったけど、まずはポテ周りの事から片付けていく事に。
 芦田さんが帰ってから、早速キャリーケースから出してあげると、ちょびっと警戒しつつも歩き回り始めた。
 急に俺達が叫び出したから、飛び跳ねてびっくりしてたのはご愛嬌。やはり猫の跳躍力はすげぇ。

 「憑依ポゼッション:忠義ウリエル

 俺は天使に憑依して軽く浮かぶ。
 飛べるって便利だよね。

 「は~い。どんどん設置して行ってね~」

 俺は桜と一緒にどんどんキャットウォークを設置していく。
 リビングが広い事は分かってたので、いっぱい買っておいて良かったな。

 「にゃにゃ!?」

 「ふははは! すぐ完成させてやるからな! 楽しみにしておけぇい」

 「ポテちゃんはだんちょ~が浮いてる事に驚いてると思うんだけど~」

 そうか。ポテよ。一つ賢くなったな。
 人間は頑張れば飛べるんだぜ。

 それから小一時間。
 リビングの天井付近にはポテの通り道が沢山出来た。これでポテも楽しめるだろう。

 「お次はキャットタワーか。これはどこに設置するかな」
 
 「空いてるスペースにいくつか作っておけば良いんじゃな~い?」

 それもそうか。適当に置いておこう。

 「にゃご! にゃにゃ!」

 ポテはさっきからぴょこぴょこと跳ねている。
 なんだなんだ? お前も飛ぼうとしてるのか?

 「お前にはまだ研鑽が足らぬ。猫が飛ぼうと思ったら相当な努力が必要だぞ」

 「変な事を教えないでよね~」

 なんでや。ポテはうちの子だぞ?
 頑張れば飛べるはずだ!

 「も~」

 桜はくそでかため息を吐きながら、指から糸を出す。それで上手い事ポテを絡め取り、糸を操作して空中をふよふよさせてあげていた。

 「にゃにゃおーん!」

 どうやらポテは大満足な模様。
 ドヤ顔で空中にいる俺の隣にやってきた。

 「じゃ、俺は桜に遊んでもらってる間に他のやつも設置していきますかね」

 俺はアイテムボックスからトイレを複数個出して色んな所に設置したり、その他トンネルとかを適当にリビングに置いていく。

 「ふむ。一応20階にも何個かトイレは設置しておくか」

 通路に何個か置いておけばいいだろう。
 これは消臭の魔道具とかも必要になるな。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

無限の成長 ~虐げられし少年、貴族を蹴散らし頂点へ~

りおまる
ファンタジー
主人公アレクシスは、異世界の中でも最も冷酷な貴族社会で生まれた平民の少年。幼少の頃から、力なき者は搾取される世界で虐げられ、貴族たちにとっては単なる「道具」として扱われていた。ある日、彼は突如として『無限成長』という異世界最強のスキルに目覚める。このスキルは、どんなことにも限界なく成長できる能力であり、戦闘、魔法、知識、そして社会的な地位ですらも無限に高めることが可能だった。 貴族に抑圧され、常に見下されていたアレクシスは、この力を使って社会の底辺から抜け出し、支配層である貴族たちを打ち破ることを決意する。そして、無限の成長力で貴族たちを次々と出し抜き、復讐と成り上がりの道を歩む。やがて彼は、貴族社会の頂点に立つ。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~

はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。 俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。 ある日の昼休み……高校で事は起こった。 俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。 しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。 ……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます

海夏世もみじ
ファンタジー
 月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。  だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。  彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

千変万化の最強王〜底辺探索者だった俺は自宅にできたダンジョンで世界最強になって無双する〜

星影 迅
ファンタジー
およそ30年前、地球にはダンジョンが出現した。それは人々に希望や憧れを与え、そして同時に、絶望と恐怖も与えた──。 最弱探索者高校の底辺である宝晶千縁は今日もスライムのみを狩る生活をしていた。夏休みが迫る中、千縁はこのままじゃ“目的”を達成できる日は来ない、と命をかける覚悟をする。 千縁が心から強くなりたいと、そう願った時──自宅のリビングにダンジョンが出現していた! そこでスキルに目覚めた千縁は、自らの目標のため、我が道を歩き出す……! 7つの人格を宿し、7つの性格を操る主人公の1読で7回楽しめる現代ファンタジー、開幕! コメントでキャラを呼ぶと返事をくれるかも!(,,> <,,) カクヨムにて先行連載中!

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

処理中です...