68 / 152
第4章 ギルド拡充
第62話 復活
しおりを挟む老害に与えられた精神ダメージも癒えてきて、今日は久々に外出だ。
といっても、行くのはゲーセンなんだけど。
「期間限定イベントがもう始まってるんだよ。出遅れたぜ」
「だんちょ~のせいだよね~」
いつもの様に吉野さんでたらふく腹拵えをしてから、行きつけのゲーセンに向かう。
桜さんが何かを言ってるが無視だ。出遅れた分、お金でカバーしてやるぜ。
「ふははは! これが金持ちってやつよ!」
「嫌味な人間だね~」
これは俺が狭間で死に物狂いで稼いだお金なのだ。誰にも文句は言わせねぇぜ。
みんなも狭間に入って稼ごう! 尚、命の保証はありませぬ。自己責任でお願いしますね。
「散歩感覚で1級攻略するくせに良くそんな事が言えるよね~。世の探索者さん達に土下座しなよ~」
「にゃ、にゃんだとう! 禁忌領域ではちょっと頑張っただろう! あれは頑張った。うん。悪魔まで使ったしね!」
それに魔族共は魔石しか落とさんから実入りが悪い。せっかくの1級なのに損した気分になるよね。
その後もぎゃーぎゃーと言い争いながらゲーセンに到着。
そして、待ち受けていたかのような野次馬。
今日はSNSで告知もしてないんだけど。
「うおっ! 本当に使徒様だ!」
「ここの常連って話は本当だったんだな!」
「ゲームしながら待ってて良かったぜ!」
「きゃー! 使徒様ー!」
「桜たーん! 結婚してくれー!」
圧が凄い。合同攻略のお陰かね? 協会も大々的に宣伝してたし。
でも、今回は俺より他のギルドの方が目立ってたと思うんだけどな。本当に補助程度しかしてないし。
「はぁはぁ。あんなイケメンな顔で指導の時は、容赦なくしごいてくるって…。はぁはぁ」
「ネットでは男もイケるって噂だぜ」
「それなら俺にもワンチャン…」
「ウホッ」
聞きたくない事が聞こえてきたような。
桜さんが爆笑してるから間違いなさそうだけど。
俺はノーマルで女性が大好きです。本当に。
だからそこの筋肉ムキムキ男子。にじり寄って来ないでください。
「老害め。捕まってもなお俺を苦しめるか」
「だんちょ~が欲を出して恥をかかそうとするからだよ~」
あの時は! 殺すだけでは生温いと思ったんだ!
くそっ! 今度から悪魔にもちょくちょく憑依して慣らしておかないとな。
久々すぎたからちょっと調整をミスったんだ。
同じ間違いは犯さないようにしないと。
その後、野次馬達にサインやら写真撮影をして、目的のゲームに向かった。
こういう地道な活動が味方を増やして行くんだよ。
「あ~だんちょ~。面接会場の予約取れたよ~」
「おっ。やっとか」
ゲーセンからの帰り道。桜さんが助手席でスマホをぴこぴこといじっていると、面接会場の予約が取れたらしい。
それなりの人数が来てくれるみたいで、箱も大きめのところを用意した。
「事務所が完成してないから仕方ないけど、結構お金取られるんだな」
「そりゃあねぇ~。必要経費でしょ~」
お金を貯めねばならぬというのに。自家用ジェットが遠のいていくぜ。
まぁ、それならゲーセン通いなんてするなって話なんだけど。それはそれ。これはこれ。
やりたい事は我慢したくない主義。我慢して老害に痛い目に遭わされたからね。
これからは思い立ったらすぐ行動を心掛けていきたいと思う所存です。
「正式採用は事務所というか家が完成してからになるけど。それでも良いのかな?」
「それはちゃんと言ってあるよ~。今働いてる所を辞める人もいるだろうし~。引き継ぎとかもあるから丁度良いんじゃないかな~」
それなら良かった。後、半年ぐらい待ってもらう事になるけど。
「地方からこっちに引っ越してくる人もいるだろうな。家とかも確保しといた方が良いのかね」
「完成した家に住まわせてあげたら~?」
住み込みって事? それはちょっと嫌だなぁ。
プライベートゾーンには眷属ガチャから出て来た面々しかなるべく入れたくない。
遊びに来る程度なら良いけど、ずっと居られると気を抜けないし。素がバレちゃう。
「無し無し。事務所からなるべく近い所の土地を買い取ろう。そこに従業員用の寮的なマンションでも建てれば良いだろ」
「またお金使っちゃうね~」
致し方無い。引っ越してくる人はどれぐらい居るのかな? 地方ばっかりの人じゃないだろうけど、それなりの人数を雇う予定だから、大きめの方が良いのかも? 通勤時間が短くてなるなら、寮に入りたいって人も居るだろうし。
まぁ、それも独身限定だろうけど。
「ふむ。土地を買い取りたい場合はどこに連絡すれば良いのかな? 不動産屋?」
「ちょっと待ってね~。調べてみるよ~。……不動産屋が間に入るのが一般的みたいだね~。後は司法書士とか~。トラブル対策に弁護士を雇うのも居るかも~?」
ふむふむ。結構面倒なんだな。買いたいです。はい、どうぞとはいかないのか。
まぁ、素人が適当にやっても良い事ないだろうし、こういうのはプロに任せる方が無難か。
「じゃあ明日にでも連絡するか。こうなってくると、他のトラブル対策とかの為にも専属の弁護士とかも雇うべきだな」
「一応、今回の面接では税理士とかも雇う予定だよ~。特級探索者の税金とかは特殊だからね~」
ふむ。弁護士の応募とかはありました?
能力で弁護士とかそういうのないのかね。撮影なんて面白い能力があるんだし、そういう現代でも使えそうな能力があってもおかしくないと思うんだ。
大手の事務所とかギルドに雇われたりしてるんだろうか? 稲葉さんに聞いてみようかな。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
760
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる