異世界帰りの憑依能力者 〜眷属ガチャを添えて〜

Jaja

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第3章 老害

第54話 合同攻略終了

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 俺の言葉がフラグになるなんて事はなく、ボス部屋にいたのはオークジェネラルと他オーク上位種が多数って感じだった。

 「まずは」

 「私達だよー!」

 最初に出たのは『風神雷神』の面々。
 このギルドは魔法使いが多いって事もあって、多数を相手するのに向いている。
 まずはオーク上位種の露払いって感じだろう。
 それともう一つのギルド。

 「ヒャッハー! 喰らえ喰らえ喰らえぇ!」

 両手でガトリングを持って好き放題してる『夜明けの時間』のリーダーさん。
 あの人達も多数を相手出来るだろうね。オーク上位種が蜂の巣になっていっている。

 「リーダー! 弾切れです! 下がって!」

 「あのギルドの経費半端ないだろうなぁ」

 一応、自分達のギルドで銃弾も作ってるらしいけど。あんな湯水の様に使う相手でもないのに。一発でヘッドショットしてくれよ。
 今からあの人の指導の事を考えると憂鬱になる。

 「『風神雷神』は今回の合同攻略でだいぶ大人になったというか、魔法の使い方に無駄がなくなってきたんだけど」

 「吉岡さんを矯正するのは骨が折れそうだね~」

 頑張れ未来の織田天魔。お前ならやれるぞ。


 「さて、そろそろ僕達も出ますよ!」

 「アスカロン!」

 「織田さん、大村さんの護衛よろしくお願いします」

 少しずつオーク上位種が片付いてきたところで、残りのギルドや協会戦力が戦闘に介入していく。
 そして、一直線にボスのジェネラルに突進していった。

 「『リア獣撲滅』はともかく、他はジェネラルでもなんとかなるだろうな」

 あそこは基礎から教えないとだから、ちょっと成長に時間がかかる。でも基礎さえ覚えれば、アスカロンの強さもあって、一気に頭角を現す事になるだろう。

 「アスカロン強いな。拙い剣術でもジェネラルに傷はつけれてる」

 「斬撃強化と竜への特攻だっけ~?」

 生憎相手は竜じゃないから、効果はないけどね。
 斬撃強化だけでも充分強い。刃さえたってれば、とりあえずダメージは与えれる。

 「が、微妙に膠着してきたか」

 「決め手がないね~」

 協会の真田さんや『暁の明星』がタンクを担当してヘイトを集めて他が攻撃しているけど、桜の言う通り決め手がない。
 ダメージは着実に与えれてるから、長期戦になってもそのうち倒れるだろうけど。

 「周りの上位種も二つのギルドだけじゃ、微妙に抑え切れてないな。そのせいで『暁の明星』のメインアタッカーの明智さんが、ジェネラルに集中し切れてない」

 明智さんは火炎魔法を使えるという事で、少し溜めればそれなりに威力の大きい魔法を使える。
 でも上位種がジェネラルに近付こうとするせいで、それの対処に追われている。

 「露払いをしてる二つのギルドも充分頑張ってるけどな。これだけの強さの魔物が多数ってのは、今回経験したばっかりだし。今後はもっとスムーズになるだろうけど、今はちょっと厳しいか」

 「ちょっとだけ手を貸そうかな~」

 そう言って桜は前方に両手を突き出す。
 十本の指からそれぞれ糸が出てきて、二本一組でオークの首を捉えて一気に刎ねる。

 「おお~。最近練習中の並列起動が上手くいったよ~」

 か、かっけー! やっぱり糸使いのキャラはロマンが溢れたおしてるな! 
 強キャラ感が満載だ! 桜も上手く使いこなしてるし、この能力を与えてくれた神様には感謝を伝えたい。いや、あの性悪女神の姉か…。やっぱり無しで。

 一気に五体の上位種が消えて、二つのギルドはどんどんと盛り返していく。
 ふむ。桜一人で攻略も出来そうだな、これは。


 明智さんがジェネラルに集中出来るようになって、ボス戦も佳境を迎えている。
 傷が増えて明らかに動きが鈍くなったジェネラルを、最後の力を振り絞ると言わんばかりに、攻勢を強めていくそれぞれのギルド。

 「はぁはぁ。しゃーない! 美味しい所は譲ったるわ!」

 柴田さんがジェネラルの側面から、足を斬りつける。とうとう膝をつき、そこに飛び出してきたのは、稲葉さんと真田さん。
 真田さんが顔を殴り、顔が跳ね上がったところを稲葉さんは剣を突き刺した。
 ジェネラルは一瞬、痙攣してそれから光になって消えていった。

 「や、やりましたね!」

 大村さんが興奮気味に手をワタワタと動かして感情表現をしている。それでもカメラはぶれていないのが凄いよね。能力ってすげぇ。

 「大村さんは1級攻略にも立ち会ってるじゃないですか」

 「いや、そうなんですけどね。織田さんの攻略はなんていうか…その…」

 ああ。魔法一発で終わったような? 今回みたいにTHE・戦闘みたいなのは無かったもんね。ちょっと味気なさすぎたかな。

 「どのギルドも疲労困憊って感じか。単独ギルドでの2級攻略はもう少し時間がかかりそう」

 「それでも今日はお祝いだね~」

 そうだな。今は日本の探索者のレベルが上がった事を喜ぼう。
 これで俺の目的も一歩前進したしね。性悪女神の姉、地球を管理している女神からご褒美があっても良いんじゃなかろうか。

 織田天魔のアスカロンはいつでも準備万端なんですがね。あの性悪女神も顔とスタイルだけは素晴らしかった。
 あれの姉だぜ? 嫌でも期待しちゃうってもんだよ。

 
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