異世界帰りの憑依能力者 〜眷属ガチャを添えて〜

Jaja

文字の大きさ
上 下
55 / 152
第3章 老害

第50話 初日終了

しおりを挟む

 
 攻略初日は中々の成果に終わった。
 『暁の明星』と『協会』は俺のサポート無しでもやってけそうだし、他のギルドも回数を重ねる毎に少しずつ良くなっている。
 俺がちょこちょこアドバイスしてるお陰だと分かっているのか、狭間から出ると早速ブートキャンプの申し込みをされた。

 「天魔ー。わいらのギルドを鍛えてくれー。このままやったら『暁の明星』にどんどん離されてまうわー」

 「勿論良いですよ。この攻略が終わったら詳しく話を詰めましょうか」

 「私達のギルドも」

 「お願いします!」

 「了解です」

 『リア獣撲滅』と『風神雷神』がいの一番に声をかけてきて、その後に『夜明けの時間』と『協会』が続く。

 「織田くん。私達もお願いするよ」

 「協会からも是非」

 吉岡さんのトリハピはどうやって指導したもんか。坐禅とか素直にやってくれる人なのかね。銃を持ったら世紀末になる人を改善するのは中々難しいんだけど。

 「吉岡さんはともかく協会もですか? 今回は問題無かったように思えますけど」

 「一ヶ月指導した『暁の明星』があれだけ伸びてるんですよ? 今回の2級は問題なさそうですけど、魔物によって相性もありますし。協会は救援依頼も請け負っているので、生半可な実力じゃ駄目だと思うんです。圧倒的にレベルアップ出来るなら是非お願いしたいですね」

 まぁ、今回の2級の狭間は比較的戦いやすいよね。相手はオークだし。厄介な能力も特に無くて、肉体性能が高いだけだから。
 不測の事態に対応出来るようになりたいなら、更なるレベルアップをしておくべきだろう。

 「分かりました。皆さんと後日話し合う機会を設けましょう。出来ればまとめてやりたいですね。俺達も少しやる事があるので」

 ゲーセンに行ったり、面接したり、ゲーセンに行ったり、学校巡りをしたり、ゲーセンに行ったり。
 意外とやる事が多いんだ。特に今俺がやってるRPGゲームの期間限定イベントは逃せない。

 「では、今日はここで解散しましょうか。明日は慣れもありますしもっと進めるでしょう。しっかり体を休めて下さいね」

 狭間前で明日の事を少し相談しつつ解散。
 野次馬は相変わらずいるけど、俺と桜は気にせずタクシーに乗り込む。

 「せっかく車買ったけど、遠征にくると結局タクシー移動になるな」

 「主要都市には別荘的なのを作っとく~? そこに車を置いとけばいいじゃ~ん。後はレンタカーを借りるとか~」

 「それもありか」

 でもなー。行く先々で旅館やホテルに泊まるのも観光の醍醐味だと思うんですよ。
 高級ホテルとか旅館ってわくわくするんだよね。
 未知の世界って感じがして。

 「まっ、その辺の話は追々。今はジェットの方が欲しいしな。大金が必要だから、大きな出費は控えたいところ」

 ほんと、1級の狭間10個ぐらい一気に出現しないかな。




 「それで? 今日一日どうだった?」

 「特に怪しそうな所は無かったね~」

 タクシーでホテルに直帰して、部屋でルームサービスを食べつつ話をする。邪な視線があったからずっも警戒してたんだけど、何も無かったんだよね。

 ふーむ。今日は様子見か? はたまた俺の勘違いだったのか。いや、桜も感知してるっぽいしそれはないかな。

 「仕掛けるならさっさとして欲しいな。せめて誰が何をしてるのかぐらい分かりたい」

 「面倒だね~」

 どうせ老害だろ。どこかのギルドにスパイでも潜り込ませてるんじゃないの。
 で、攻略に集中してる所を後ろからぶすり。
 いかにも小悪党が考えそうな事だよね。

 「攻略が終わるまでには炙り出したいな。多分攻略中に手を出してくれると思うけど」

 老害のスパイとか指導したくないしね。
 敵を成長させる舐めプは必要ないだろう。

 「明日は少し隙を見せてみる~?」

 「うーん。迷う」

 一応、他のギルドを預かってる立場だし。
 安全面の観点からあんまり褒められた事ではないだろう。

 「だんちょ~は気にしすぎだと思うな~。探索者なんて自己責任でしょ~。他のギルドの人達もある程度の怪我とかは覚悟してるでしょ~」

 確かにな。おっしゃる通りなんだけど。
 なんか他のギルドが怪我すると俺の名声に傷がつきそうで。2級ぐらい引率出来ないとさ。

 「って事で、考えてるのは保身なのです」

 「完璧を目指しすぎ~。どうせどっかでボロが出るよ~」

 だまらっしゃい。せっかく根付きつつある聖人キャラを無駄にしたくないのです。
 ゲーセンとかで遊び呆けてる人間が聖人かどうかは議論の余地があるけど。

 「っていうか~だんちょ~が少し隙を見せたぐらいで怪我なんてしないでしょ~」

 「憑依してなかったら、そこらにいる程度の人間なんだが?」

 「何かしらに憑依しておいてボケっとしとけばいいじゃ~ん」

 そこらが落とし所かね。忠義ウリエルに憑依しておいて、いつでも結界魔法で守れるようにしておけばいいか。

 「あたしも~常に見えないレベルの糸は出しとくし~。それで対処出来るでしょ~」

 「ほんと便利な能力だな」

 「んふふ~。神様には感謝だね~」

 俺の能力は憑依ってワンクッションいるからな。
 反転は未知には効果があんまり期待出来ないし。
 一応、もう一回各ギルドの能力を確認しておくか。

 
 
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】

一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。 追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。 無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。 そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード! 異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。 【諸注意】 以前投稿した同名の短編の連載版になります。 連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。 なんでも大丈夫な方向けです。 小説の形をしていないので、読む人を選びます。 以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。 disりに見えてしまう表現があります。 以上の点から気分を害されても責任は負えません。 閲覧は自己責任でお願いします。 小説家になろう、pixivでも投稿しています。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

削除予定です

伊藤ほほほ
ファンタジー
削除します

千変万化の最強王〜底辺探索者だった俺は自宅にできたダンジョンで世界最強になって無双する〜

星影 迅
ファンタジー
およそ30年前、地球にはダンジョンが出現した。それは人々に希望や憧れを与え、そして同時に、絶望と恐怖も与えた──。 最弱探索者高校の底辺である宝晶千縁は今日もスライムのみを狩る生活をしていた。夏休みが迫る中、千縁はこのままじゃ“目的”を達成できる日は来ない、と命をかける覚悟をする。 千縁が心から強くなりたいと、そう願った時──自宅のリビングにダンジョンが出現していた! そこでスキルに目覚めた千縁は、自らの目標のため、我が道を歩き出す……! 7つの人格を宿し、7つの性格を操る主人公の1読で7回楽しめる現代ファンタジー、開幕! コメントでキャラを呼ぶと返事をくれるかも!(,,> <,,) カクヨムにて先行連載中!

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

処理中です...