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第1章 異世界帰りの男
第27話 1級終了
しおりを挟む「宝箱も魔石かよ。魔族ってほんとケチだよな」
「でもキメラより大きいよ~これ~?」
あんなに頑張ったのに魔石とはな。
かなりの高値にはなるだろうけど、もっとなんかワクワクするものが出てきても良かっただろうに。
「まっ、いいや。予想以上に時間が掛かったからな。さっさとモツ食いに行こうぜ」
「最後の最後にびっくりする場所が出てきたもんだね~」
落ち着いたら日本以外に1級があるのか調べないと。通常の狭間ならともかく、禁忌領域が崩壊して、魔族が現代に溢れかえると目も当てられん。
1匹でも侵入を許してしまうと、住み着いて大量発生しやがるぞ。
「こっちに帰って来て魔族叩きなんてしたくないからな」
「だんちょ~以外に魔族に勝てる人を育てないとね~」
「だな。桜もそろそろ本格的に鍛え始めるか」
「この1級攻略で練習しようと思ってたんだけどね~」
桜の万能糸が優秀だといっても、まだ経験がないからな。生まれたて? だし。
これからは暇になる予定だから、俺が直々に鍛えてしんぜよう。
外に出ると、そろそろ日が暮れるといった頃。
相変わらず野次馬が多いが、他の二つより出て来るのが遅かったからか、周りも心配してたみたいだ。
俺達が出て来てホッとした表情をしている人が大半だが、中には憎々しい嫉妬した様な表情をしている奴らもいる。老害信者の方々かな?
「あいつらってさ、俺がせっかく1級攻略してあげたのに、なんであんな顔するんだろうね。もし全部崩壊してたら、間違いなく日本は終わってたぞ? せめてこの場にいるなら表情隠せよな」
「人間は愚かなんだよ~。感情って厄介だよね~」
別にお礼が欲しいとかそんなんじゃないけどさ。
イラっとはするよね。人を中傷してる暇があるんなら、お前らも狭間攻略しろよ。能力を持ってるかは知らんけど。
「なるほど。あんな奴らがいるから、能力者至上主義なんて風潮も生まれてくるわけか。なんで、全員に能力を付与しなかったんだか」
「能力があれば俺達だって1級ぐらい攻略出来るとか思ってそうだよね~」
「出来るだろ。普通の1級なら。出来ない方がおかしいんだ。大村さんの撮影とか生産系の能力持ちは仕方ないにしても、戦闘系を持ってて、しっかりパーティで連携を取れるんなら、絶対に攻略出来る。単独攻略は流石に能力によるだろうけどな」
桜も頑張れば出来るさ。相性次第だけどな。
この前みたいな、アンデッドは魔法使いの方が効果的だろうけど。
「気にしても仕方ないか。予約時間も迫ってるし、さっさとタクシー捕まえようぜ」
「有名になるとああいう人達が湧くのは分かってた事だしね~」
有名税ってやつだな。甘んじて受け入れよう。
「うわ~。なんか高級料亭って感じだね~」
予約時間ギリギリにお店に到着した。
福岡の老舗らしく、結構なお値段がするお店なのでかなり期待している。
「とりあえずお任せでいいか。モツモツ言ってるけど、食べた事無いんだよな」
「あたしは知識としてしか知らな~い」
そりゃ、一応生まれたてだもんね。
お任せで頼んで、気に入ったのを追加注文するとしよう。
「うんまーい! このニンニクとモツの組み合わせは神では? ニラも良い味を出してやがる。期待以上だ」
「キャベツにスープがしっかり染みてて最高だよ~! モツもおいし~!」
所詮、ホルモンだろと甘く見ていました。
脂っこいけど、胃もたれする程でもなくいくらでも食べれそう。
「とりあえず同じのをもう一回頼むか。ニンニクとモツとニラをマシマシで」
「キャベツと長ネギもおねが~い!」
あー幸せ。モヤシもエノキも美味いんじゃー。
全部美味しい。福岡最高。
「禁忌領域やら、不躾な視線でイライラしてたけど、そんな事どうでも良くなるなぁ」
「食は人生を幸せにしてくれるね~。日本は特に食に力を入れてるから、嬉しいよ~」
確かに。海外のご飯も美味しそうだけどな。
食べた事無いから、イメージでしかないんだけど、大雑把って感じがする。
アメリカとか特にな。なんか、量がドーンってあれば満足みたいな? あくまで偏見でしかないんだけど。
「ビールも美味い。日本酒とも合いそうだな」
「あたしはそんなにお酒好きじゃないけど~今日ばっかりは飲んじゃうね~」
異世界ではこんな料理の種類も豊富じゃなかったし、お酒もエールか蒸留酒かワインぐらいしか無かったからなぁ。
作り方とか知らないから、自分で発明しようとも思わなかったし。
「ふぃー。食った飲んだ。東京帰ってから何するべ。直近のやる事は終わったからな」
「事務所と家の改装でしょ~?」
ああ。それがあったな。
結構大事なミッションだ。
「改装してる間に海外にでも遊びに行くか。1級があればついでに攻略してもいいし」
「スカウトもしないとだし~? 学校にも顔出して見るんでしょ~?」
ふむん。結構やる事あるんだな。
ああ、老害もなんとかしないとな。
遊び相手として、放置して騒いで貰っても良いんだけど、信者みたいなのが増えて面倒が増えても困る。
「まっ、とりあえず少しはダラダラとさせて貰おうかな。働き過ぎた感がある」
「正直贅沢しなければずっと暮らしていけるお金はもうあるよね~」
そうだけどな。俺の寿命が謎だから。
300年以上生きてるからさ。
不老なのかも知らないんだけどね。
性悪女神に聞いておけば良かった。
あの時はムフフな展開に夢中だったからなぁ。
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