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第四章 大学受験
第59話 球技大会
しおりを挟む動画ネタどうすんべと思いながらも、月日は過ぎていく。文化祭、中間テストと気疲れし、ようやく少し休めたと思った頃に球技大会である。
色々種目は選べたのだが、結局俺はバスケを、梓はソフトボールにした。
しっかりチヤホヤされる為に加減しつつも、活躍せねばなるまい。
この日の為に運動能力を70に上げたのだ。加減しないといけないのに、70に上げるとは馬鹿なのか。
すみません。勢いでやっちゃったんです。
「バスケってセンターライン付近から入れると10点とかにならないの?」
「ならない。3点だ」
試合前の練習中。
曽川君は卓球の方に行ったので、今日は違うお友達とお話してるんだけど。
バスケのルールってあんまり知らないんだよね。
とにかくゴールに入れたら良いってのと、ボールを持って歩いたらダメってのは知ってる。
球技大会までにルールブックを読んでおこうと思って忘れてたんだよね。
「ふむふむ。これが3点の線か。そんなのここから毎回点を取ればいいじゃんか」
「距離が近い方が決めやすいだろ。遠くて難しいから3点なんだ」
なるほどなるほど。
とりあえず試してみるか。
「バスケの試合はNBAをチラッと見た事があるだけなんだけど、確かこんなフォームだよね?」
「腕を開きすぎだ。左手は添えるだけ」
「あ、それは聞いた事あるな」
バスケがしたいです。だろ? なんか太っちょの先生が印象に残ってる。
それにしても俺に熱心に教えてくれる友達は中々分かりやすい。バスケ部じゃなかったと思うんだが。
「中学の頃にやってたんだ」
「ほーん」
高校では帰宅部らしい。
どうやら土日まで早起きして部活には行きたくなかったらしい。寝るのが大好きなのかね。
「ほっ!」
おおー。入った。
パシュッって音が良いな。
癖になりそう。
「中々筋が良いな。谷ってほんとになんでも出来るよな」
「なんでもじゃないよ。出来る事だけ」
「じゃあお前に出来ない事はなんだ?」
「浮気。殺人」
「そういう事を聞いてる訳じゃないんだがな」
呆れた目で見られちゃいました。
お金で解決出来ちゃうからね。スキル関係は。
浮気は梓という絶世の美女がいるからする訳ないし、殺人なんて以ての外だ。
脱税はやってますが…。その分大人になったら還元するからね。許してクレメンス。
「ほっ!」
「いや、やばすぎだろ。外さねぇじゃねぇか」
ふむ。この距離ぐらいならなんとか。
もう少し離れたきつそう。バスケ楽しい。
ボールがゴールに入る音が良い。
「これは優勝を目指せるかもな」
「梓のソフトボール姿を見に行く余裕あるかな」
優勝はしたいけど、梓のソフト姿も見たい。
いや、普通に体操服でやってるだけだけどさ。
女性がスポーツやってる姿って良いと思うんですよ。ムラムラするとかじゃなく。
後方腕組みおじさんみたいな気持ちになる。
あれは尊いものなんだよ。
「梓のボールを捕れる人がいればな」
「仕方ないわ。楽しめたから良いわよ」
梓女子チームは二回戦で敗北した。
いくら梓が打とうが、それ以上に打たれたらどうしようもない。梓が投手出来れば話は違ったんだろうけど、捕れる人が居なかった。
「まぁ、俺も人の事言えないんだけど」
俺クラスのバスケチームは一回戦負け。
三年生の引退したバスケ部の人が四人も揃ってるクラスだった。
序盤は気持ちよくスパスパと3Pシュートを決めてたんだけど、ディフェンスをしっかりやられると途端に決められなくなった。
運動能力のゴリ押しじゃきついって事だな。
後、チームスポーツは一人が突出してても意味がないって事も分かりました。
「まっ、俺も楽しかったから良しとしよう」
試合が終わった後に、同学年のバスケ部から勧誘されたりしたし。
確かに技術が身に付けばワンチャンあるだろう。
それに、スキルを取るという選択肢もある。
スキルレベル10にしたら、NBAにも行けるんじゃなかろうか。
そっちでチヤホヤされる路線もありなんだけどね。こちとら、配信者でチヤホヤされるって決めたから。
「スポーツ選手の方がチヤホヤ度は高いか?」
「でも気楽に出来るのはこっちよ?」
それな。スポーツ選手は色々と面倒事がありそうだ。やっぱり自分達で好き放題出来る方がいいよね。まぁ、回帰前の俺がもっとスポーツに興味があればありえた未来ですな。
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