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第四章 大学受験
第49話 学校での日常
しおりを挟むアプリの正式サービスが始まってしばらく。
俺はちょっとした落とし穴に気が付いた。
学校の休憩中にぴこぴこと遊んでる時に思ってしまったのだ。
「アプデが楽しめん」
「どんなキャラが登場するか知ってるものねぇ」
俺達がキャラデザやらを担当してるせいで、次に出てくる新しいユニットとかが予想出来てしまうのだ。いや、まだ始まったばかりだし、その心配するのは早いんだけどさ。
同じく一緒にやっている梓もしみじみと呟く。
「どういうユニットか分かっちゃうし、防衛設備もネタバレなんだよなぁ」
動き方等は内緒にしてもらってるけど、それでも予想が出来てしまう。
アプリ開発に携わってしまうと、こういう事になるのか。まぁ、それでも遊ぶんだが。
「一応このアプリが流れに乗ってきた時様に、次のアプリの案もあったんだけど」
「その前にあの会社の人員補充が必要よね。広報とかの事を考えると、技術畑しかいないのは困るわ」
おっちゃんもその事で悩んでたなぁ。
新しくアプリを作るなら、新チーム用の人員も用意して、これから成長する事を見越して色々な人員を雇わないと。
せっかく楽する為に仕事を辞めたのに、どんどん仕事に追われていく事になる。
「まぁ、俺があんまり口出しし過ぎるのもな。出資者とはいえ」
「でもせっかく出資してるなら大きく育って欲しいじゃない?」
それはそう。
まぁ、おっちゃんには謎人脈があるから大丈夫っしょ。やばそうと思うまでは見守るスタンスでいこうかなと思います。
「あっ! それ今流行りのゲームじゃない? CMでやってるのを見たよ!!」
「そうそう。これが中々面白いんだよね」
曽川君がプリントをたくさん抱えてやってきた。
現在期末テスト一週間前であるゆえに。
本当は勉強に追われる筈なんだけど、俺と梓は余裕をぶっこいている。
「僕も夏休みまでにはiPhon○にしようと思ってるんだ! そうしたら一緒に遊ぼうね!!」
「それは楽しみだな」
ほんと、曽川君って聖属性の人間だよね。
俺達邪悪属性の人間とは相反する存在なのに、仲良くしてくれてるのが不思議で仕方ない。
まぁ、それだけ俺達が上手く仮面を被ってるって事だろうか。
放課後。
学校の図書室に、五十人程の生徒が集まって勉強会をしている。
これは一年の頃からやっていた事で、最初は曽川君と他数名だったのに、噂で人が人を呼びいつのまにかこんな大所帯になっていた。
俺と梓が教えるのはかなり評判で、去年から引き続き参加してる者、今年から参加し始めた者もいて、中々に盛況だ。
中には学校で上位の成績を残してる人も俺達と一緒に指導に回ってくれたりしている。
人に教えるのは自分の復習になったりするからね。
「コネが増えると考えれば悪い事ではあるまいて。ぐっへっへっへ」
この人達がいずれどんな大学、就職先に向かうかは知らないけど、将来のコネとして使わせてもらいますぜ。
「谷君ここなんだけど…」
「ん? ああ、そこは--」
チヤホヤもされるし。
学力90さんありがとう。
「うーん。もう学力を100まで上げとくか」
「そうね。今はどうしても必要なスキルもないし、どうせ上げるなら今かしら」
期末テスト前日。
俺と梓は家でステータスボードを弄りながら考えていた。スキルもレベル5以上にしたいけどなぁ。
今は大学受験の事を考えたい。
万が一にも失敗はしたくないからね。
《基本情報》
名前 谷圭太
年齢 17
身長 180cm
学力 100/100
運動能力 60/100
容姿 80/100
運 70/100
【歌Lv5】 【競馬Lv5】 【スロットLv2】
【パチンコLv2】 【麻雀Lv3】 【性技Lv5】
【作詞作曲編曲Lv5】 【作画Lv5】 【楽器Lv5】
【編集Lv5】 【音感Lv5】 【健康体Lv5】
【護身術Lv5】 【良匂Lv5】 【話術Lv5】
【カリスマLv3】 【エンパシーLv3】
【危機察知Lv3】 【変装Lv3】
残金 31,000,000円
《基本情報》
名前 中村梓
年齢 17
身長 167cm
学力 100/100
運動能力 60/100
容姿 80/100
運 70/100
【歌Lv5】 【編集Lv5】 【料理Lv5】
【麻雀Lv1】 【性技Lv5】【作詞作曲編曲Lv5】
【作画Lv5】 【楽器Lv5】 【音感Lv5】
【メイクLv5】 【健康体Lv5】 【護身術Lv3】
【良匂Lv5】 【話術Lv5】 【カリスマLv3】
【エンパシーLv3】 【危機察知Lv3】
【変装Lv3】
残金 31,000,000円
「後は、夏休みどこに旅行に行きますかって話だな」
「そうねぇ。回帰してから初の旅行だし、それなりに良い所に行きたいわよね」
まぁ、何処に行っても人が多いのは確定なんだろうけど。それに早く予約しないと夏休みはどんどん埋まってしまう。
「東大のオープンキャンパスにも行かないと」
「夏休みは忙しくなるわよね。動画投稿も早めに準備しておかないと」
そうだなぁ。
秋には京都に行って菊花賞も見に行きたいし。
三冠馬の誕生には是非立ち会いたい。
「来年は来年で、模試やら車の免許を取りに行くやら忙しそうだし、ちゃんと楽しめるのは今年しかないかもな」
因みに一応二人で行く予定だ。
俺達の両方の母は忙しくなる夏休み前を狙って、現在温泉旅行中。
病院でも体に悪いところはなさそうって診断されたし、とりあえずは安心して良いだろう。
ほんと、これが回帰して一番良かったかもしれんな。
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