俗物夫婦回帰転生

Jaja

文字の大きさ
上 下
32 / 85
第三章 高校入学

第29話 再会

しおりを挟む



 「圭太。希望すれば入試のテストの結果を貰えるみたいだから行きましょうよ」

 「お、それなら行くか」

 入学式が終わって教室に戻ってきてから、担任の先生がやってきた。
 中年の愛想がいいおばちゃんって感じで世間話とかさせたら止まらなそうな印象を受けた。

 で、自己紹介とかするのかなと思ったら、今日は軽い連絡事項の伝達をしてから解散だった。
 そういうのは次の登校の時にするらしい。入学式から次の登校日までちょっと間が空くしね。

 それならもう帰るかってところで、梓がやってきた。さっき担任がサラッと言ってた入試結果が欲しいらしい。どうやら、順位も分かるらしいから俺も気になってたんだ。



 「ブラッディヘル!」

 「ふふっ。私の勝ちね」

 母さん達と合流してせーので入試結果を見せ合った。結果は2位。どうやら国語で2点落としてるらしい。他の教科は満点だった。梓は全教科満点。

 「あらあら凄いわね」

 「我が子がこんなに賢いなんて信じられないわ」

 両方の母親も結果を見て驚いてる様子。
 ちくしょー。点数だけじゃなくて、どこを間違ったのかも教えてほしい。学力を90まで上げたんだぞ? ちょっと納得出来ませんね。

 「くそぅ。100まで上げてやろうか」

 「それなら私も上げるわよ?」

 そうなんだよな。差がつけられない。
 負けっぱなしは性に合わない。
 次のテストで見返してやろう。


 そしてやって来ました大阪杯。
 G1じゃないし迷ったんだけどな。
 これからお金はたくさんいるだろうし、梓に稼いできてって言われたから中山競馬場に来ちゃいました。一応こっちでもG3が開催してるしね。

 「おい! 坊主!」

 「んあ? 自殺未遂のおっちゃんじゃん」

 煙草を吸いたいのを我慢しつつ、マークシートを塗り塗りしてると、有馬記念でちょっとした助言をしたおっちゃんが居た。

 「それを言うな…。久々じゃねぇか! 元気にしてたのか?」

 「それを言うならおっちゃんの方こそでしょ。調子に乗ってやばい事になったりしてない?」

 「ああ。もうあんな思いをするのは懲り懲りだからな。借金も全部返済して、今は程々に楽しんでるよ」

 「それが良いよ」

 「毎週ここに来て坊主の事を探してたんだぜ? 前回の礼も兼ねて飯を奢らせてくれよ」

 どうやら毎週来て俺の事を探してくれてたらしい。最近は競馬に来てなかったからなぁ。
 飯を奢ってくれるそうなので、有り難く奢ってもらおう。ここのカツ丼は美味しいんだ。

 「うまし。やっぱりカツ丼こそ至高よ」

 「馬鹿言え。一番美味しいのは生姜焼きだよ」

 なんて馬鹿話をしながらも徐々にプライベートな話をへ。

 「へぇ。おっちゃんってIT系なんだ。あんまりそうは見えないね」

 「うるせぇ。自分でも分かってらぁ。毎日毎日残業してパソコンをしばいてるよ。坊主は?」

 「内緒」

 言える訳ないじゃんね。
 つい最近高校生になりましただなんて。

 「そうか」

 おっちゃんもあまり気にしてない様子。
 もしかしたら気付いてて触れないようにしてくれてるだけかもしれないけど。

 「おっと。早く食べないと馬券が買えなくなるや。当たり馬券教えてあげようか?」

 「なんで当たり馬券って決め付けてんだよ」

 おっちゃんは笑いながらも俺についてくる。
 あんまり本気にしてない様子。やれやれ。前回救ってやったのを忘れたのか。

 それから一時間後。

 「ぼ、坊主は神様か何かか?」

 「普通の一般人だよ」

 レースの度に馬券を的中させる俺を見ておっちゃんは慄いていた。
 毎回1着か1.2着を的中させてるからなぁ。ちょっと調子に乗り過ぎたかも。

 「坊主は予想屋とかしたら儲かりそうだな」

 「あの胡散臭いやつか」

 未来ではTwitte○とかでかなり出回ってたなぁ。
 今はどうなんだろう。Twitt○rは既にあるけど、まだ未来程滅茶苦茶流行ってる訳じゃないんだよなぁ。スマホが普及し始めると爆発的に増えるんだけど。

 「およ? むしろチャンスか?」

 今なら競争相手も少ないのでは?
 アカウントも一応何個か作ってあるし、それを一つ予想屋アカウントにしてまずは無料で公開する。
 で、俺の予想が当たるって事が知られ始めたら、有料サイトへのご案内だ。
 俺の予想に頼ってた奴は登録せざるを得ないって寸法よ。当て過ぎたら不審に思われるし、適度に外しつつ、回収率は高めに設定すれば…。

 「中々良い副収入になりそうだ」

 「なんだ? どうしたんだ?」

 「いや、予想屋。やってみようかなって」

 ただ有料サイトとかの運営が面倒だなぁ。
 俺はこれからどんどん忙しくなっていくしさ。
 ちょっとしたお小遣い程度の為にそんな労力を割くべきなのか。

 「おっちゃんってさ。インターネット関係は強い方なの?」

 「そりゃ仕事だからな。それなりに詳しいと思うぞ?」

 そういえばここに都合の良い人間が居ました。
 有料サイトの運営はこのおっちゃんに丸投げすれば良いのでは? 
 そういう事をするってなると、会社を作ったりしないといけないし、面倒なんだよね。
 いや、配信者活動をするならいずれ会社は作るんだけど。株の事もあるし。
 でもまだ早い。母さんを説得したりしないといけないし、時間がかかる。

 「いや、とりあえずは顧客を集めるところからか。まずは適当に当たり予想を呟いておこう。おっちゃん、もしかしたら将来手伝って欲しい事があるかも。連絡先教えてくんない?」

 「お、おう?」

 何がなんだか分かってない様子見だが、まだ構想段階ですし。
 成功するかも分からない事を教えてぬか喜びさせるのもよろしくないだろう。
 いや、ある程度説明しておいた方がいいのかな?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

将棋部の眼鏡美少女を抱いた

junk
青春
将棋部の青春恋愛ストーリーです

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

兄になった姉

廣瀬純一
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

処理中です...