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第二章 高校受験
第25話 元旦
しおりを挟むあけおめ。ことよろ。うぇーい。
って事で年が明けて2010年になりました。
今年は確かハイチで大地震があったような。
来年は日本でも大地震があるよね。
「こればっかりはステータスボードでもどうしようもない。避難呼び掛けなんてしたって信じてもらえる訳ないしね」
寄付するぐらいしか力になれる事がない。
寄付するのも迷惑なんだっけ? ちょっと後で調べておこう。これから未来の知識を使って荒稼ぎさせてもらうんだ。少しでも貢献出来るならやらないとね。回帰させてくれた恩返しみたいなもんだ。
誰がしてくれたのかは分からんが。日本の神様なんだろうと勝手に思ってます。
そして今は近くの神社に母さんと一緒に初詣に来ている。
そのままパソコンも買いに行きたい所だが、残念ながら銀行が開いてないので、宝くじを換金出来ない。
残念ながらしっかりと始動し始めてから、色々動く事になるだろう。
証券会社の口座開設も未成年は親権者も口座開設しないといけないし。
もうしばらくの我慢だな。
「あれ? この本屋やってるじゃん。母さんちょっと寄っていい?」
「いいわよ」
母さんと歩いて家に帰ってると、元旦なのに本屋が営業していた。
丁度買いたい本があったので少し寄り道。
「あった。これこれ」
「なによそれ。辞典?」
俺が手に取ったのは分厚い一冊の本。
四季報である。株をやるならこれがないと。
回帰前はこの時期に始めてたらなぁとか妄想してたのである程度は知ってるけど、より詳しい情報も欲しいからね。
「学力さんはここでも仕事してくれるのか。最高だな」
家に帰って早速四季報を読み込む。
細かい字ばっかりで電話帳を読んでる気持ちになるが、それでも内容が頭にスルスルと入っていく。
煙草を吸いながら四季報を読んで唸っていると、母さんが気になったのか、声を掛けてきた。
「ちょっとお母さんにも見せてみなさい」
ペラペラと2.3ページめくって返してきた。
面白くなかったらしい。そりゃそうだ。
「ちんぷんかんぷんだわ。あんたが楽しそうに読んでるのが信じられないわね」
「株をやるには必須情報だよ」
「生意気言っちゃって」
まあ、学力70を持ってしても流石に一日で読むのは無理だな。口座開設が終わるまでには読み終わると思うけど。
翌日。
梓といつものカラオケへ。
年中無休でやってるんだよね。ありがたい限りです。
「説得出来たのね」
「ゴリ押ししてやったぜ」
メールでも一応伝えておいたんだけどね。
これで後顧の憂いなしってやつよ。
「私もママに宝くじの事を伝えたわよ。私は特に使う事が無かったから普通に貯金って事で納得してもらったわね。そのうち楽器を揃えようと思ってるけど」
「保管場所がなぁ」
俺は株に投資するため500万はすぐに使えないが、梓がとりあえずの楽器を一通り揃えてくれるらしい。ああいうのってこだわり出したら、500万は一気に溶けるけど。
いつかはしっかり揃えたいけど、とりあえずは予算内でやりたいね。
「トランクルームを借りるべきかしらね」
「それしかないよな。株が軌道に乗って余裕が出来たら引っ越しとかも考えるんだけど」
「親を説得出来る額っていくらぐらいなんでしょうね」
「分からぬ」
どうせならどこかに土地を買って、一軒家を建てたい。敷地内にスタジオも作ったりしたいよね。
「10億とかで足りるのかな。どうせなら豪邸を建てたいし、アクセスの事を考えるなら東京が良いよね。郊外でもいいからさ。ってなると10億じゃ足りないか…」
「いつ建てるかにもよるけど、ローンは組めないと思った方がいいわよね。現金一括となると、もう少し余裕は欲しいわ」
東京の土地ってどれくらい高いんだろ。
先の話だけど、ちょっと考えておいた方がいいかな。
まだ冬休み中だが正月も終わり、日常に戻ってきた。
母さんは今日、わざわざ仕事を午前だけにして口座開設と宝くじの換金に付き合ってくれている。
まずは口座の開設だが、これはすんなり終わった。証券会社の審査は多少時間は掛かるが問題ないだろう。俺もパソコンのセッティングとかに時間がかかるかもだし。
そして次は宝くじ。
取り扱い店舗に行き、受付で宝くじが当たった事を伝える。
「なんか緊張するわね」
「分かる」
応接室に通されて母さんと二人。
ソワソワしてしまうのは仕方ないだろう。
手続きはかなり事務的に終わった。
当てたのが中学生の俺って事で少し確認作業とかはあったけどね。
で、100万を現金で貰い、残りは開設したばかりの口座へ。
400万が俺の軍資金な訳だ。正直充分である。
「母さん。飯食いに行こう」
「お大尽様。焼肉でよろしいでしょうか」
「良きに計らえ」
「ははぁ」
母さんと馬鹿な遊びをしつつ焼肉へ。
普通に食べ放題の店だ。もっと高い所でも良かったんだけど、母さんに気を使われた。
ちょっと早めの晩御飯を食べた後は電気屋さんへ。とりあえずそれなりのスペックのパソコンとノートパソコンを両方購入。
周辺機器も適当に揃えて散財終了。
100万があっという間に残り僅かである。
「あんた度胸あるわね。普通中学生が100万なんて大金持ったらもっと躊躇するもんよ?」
「これからは100万が端金に思えるぐらい稼ぐから」
「はぁ。将来が心配だわ。浪費癖がついたりしないかしら」
任せておいてください。
お金を使っても使っても減らない嬉しい悲鳴をあげさせてやりますよ。
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