俗物夫婦回帰転生

Jaja

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第二章 高校受験

第13話 修学旅行

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 母さんに説教されつつも、テスト結果で褒められてから早くも二週間が経った。
 体育祭もなんとか無難に終わらせて、お次のイベントは修学旅行である。

 「無難だったかしら? 負けず嫌いが発揮されてなかった?」

 「梓も人の事言えないじゃん」

 体育祭の前にダービーを挟んだお陰でお金が増えた。そこでまた1000万程稼いで梓と半分こ。
 ロジユニヴァー○が懐かしすぎて。
 動画でしか見れなかったレースを生で見れるのはいいよな。結果が分かってるからいまいち盛り上がれないのが残念だけど。

 で、とりあえず運動能力を50まで上げておいたんだけど、やはり50でも充分やばかった。

 「クラスメイトからの羨望の視線は気持ち良かっただろ?」

 「否定はしないわ」

 問題があったのは男女混合リレー。
 俺と梓はこの種目に出場した。
 体育の授業で運動神経が良い事は軽くバレていたので、俺はアンカーの一つ手前。梓は俺の前を走る事になったんだけど…。

 出番が回ってきたとき、我がクラスはぶっちぎりの最下位。一位とは5馬身ぐらい離れてたんじゃなかろうか。
 まず学校中を沸かせたのは梓。バトンを受け取ると、運動能力50をフルに使って前二人を抜き去った。流石に全員抜きとはいかなかったが、次は俺である。
 梓がある程度縮めてくれた先頭との差をこれまた運動能力50の力を使って一気に抜き去って、一位でアンカーにバトンを渡す事が出来た。

 後はアンカーの陸上部が抜かれる事なくゴールインして大逆転の一位で終わる事が出来た。
 リレーが終わった後は俺と梓に拍手喝采。
 二人してドヤ顔ダブルピースである。

 「高校でもやりたいな。あのみんなの視線は中々忘れられん」

 「分かるわ。癖になるわよね」

 承認欲求が存分に満たされた。
 そんな体育祭だった。


 で、現在修学旅行のグループ会議中である。
 ぼっちに悲しいイベントと言うなかれ。
 このクラスは仲が非常に良く、なんとぼっちが存在しない暖かいクラスなのだ。
 グループ決めも10分ほどであっさり決まったぐらいだ。

 「京都かぁ」

 「行くのは久々よね」

 梓と一緒のグループにはなれた。
 クラスで俺達が付き合ってるのは周知の事実なので、クラスメイトが気を使ってくれたのだ。
 他にも男女混合で四人居て、比較的俺が良く話すまさるもいる。

 他の四人がわいわいとどこに行くか決めてる中、俺と梓はぼそぼそ会話を交わしと思い出を振り返る。
 回帰前は五年に一回ぐらい京都に行っていた。
 京都で行われる競馬を現地で見るついでに観光して回っていたのだ。

 「なんか行き尽くしててどこも新鮮味がなさそう」

 「とりあえずお参りはしたいわね。何故か知らないけど回帰出来たんだもの。どこの神様がやってくれたのか知らないけど、しっかり感謝したいわね」

 確かにな。いつか落ち着いたら日本中の神社を回ってお参りしよう。
 日本は神様がいっぱい居て、どこの神様が回帰させてくれたのか分からないからな。
 お賽銭もたくさん放り込んでやる。

 「神様なんて信じてなかったんだけどなぁ」

 「信じざるを得ないじゃない。こんな超常現象を体験してるんだから」

 「おい、お前達ー。仲睦まじいのは結構だけど意見出してくれよなー」

 「あ、ごめんごめん」

 「ごめんなさいね」

 「くそっ。これだから美男美女は。謝ってる姿もサマになりやがる」

 梓と喋ってたらまさるに怒られた。
 怨嗟の視線を向けられてるが何故だろうか。
 ボソボソと何か言ってたけど聞き取れませんでした。

 「清水寺には行きたいな」

 「そうね。そこは外せないわ」

 とりあえず意見は出しておく。
 清水寺って京都に行ったら何故か行きたくなるんだよね。不思議。俺達の旅行でも毎回行っていた。



 最近の放課後はもっぱら受験対策に明け暮れている。金はあるとばかりに、本屋さんで参考書や赤本をたくさん買ってしっかり対策。

 「あんた、本当に勉強頑張ってるのね。そんな賢そうな本をいっぱい買っちゃって。お金は大丈夫なの?」

 「やるなら真剣にやらないとね。落ちたくないし。お金は大丈夫だよ。梓と折半して買ってるから」

 いつも通りの夕食後。
 台所の換気扇の横で煙草を吸いながら、歴史の参考書を見ている。
 学力70はダテじゃない。記憶力が抜群で一回読んだら大体忘れないのだ。
 高校受験なんて大抵暗記でなんとかなるので非常に助かっている。

 「修学旅行の準備は出来てるの?」

 「ばっちりだよ」

 グループ会議からも少し時間が経って、あっという間に明日からは修学旅行だ。
 準備はスーツケースに全部詰めてあるのでばっちりである。

 勿論、その間も日曜日には競馬に出向いている。
 安田記念のウ○ッカは素晴らしかったな。
 ○さんの腕も良かったんだけど、あの馬は相当賢いんだと思う。自分で首を振って進路を探してたっぽいし。あれは結果が分かってても手に汗を握ったもんだ。

 「煙草は置いて行きなさいよ?」

 「分かっております」

 母さんにバレてから。
 マジで家でしか吸ってない。
 毎回競馬場で吸いたい欲求に襲われてるが、なんとか堪えてるんだ。圭太くんは母さんの言い付けを守る良い子ですから。
 大丈夫大丈夫。たかだか二泊三日。
 俺は何回も禁煙に成功してるんだ。
 今回も成功させてみせるぜ。
 
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