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第一部 一章 始まりの物語~噴壊包輝世界編~
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それから――――、
俺とクロエの二人は境界の修復作業をやり終えたリセと合流して、再びアブネクトの世界の管理者――――オグナーが所有している研究所がある地下洞窟にまで戻ってきていた。
あのよく分からない、動く灰色の植物によって埋め尽くされた空間を通り抜け、通路の突き当たりにあった扉を開けて中へと入る。するとそこにはオグナーの他にもう一人、見知らぬ人物が椅子に座ってくつろぎながら俺たちの帰りを待っていた。
「ようやく戻って来たか。待ちくたびれたぞ。あのクロベールが自ら直々に出向いたにしては、随分と時間がかかったみたいじゃの?」
座っていた椅子から立ち上がりながら、クロエに対して親しそうな様子で話しかける老人。
左右のフレームがそれぞれ違うデザインをしている変わった眼鏡を掛けており、身に纏っている見るからに高価そうなスーツの胸元には蝶のような形をしたバッジを付けていた。
全部で八枚の羽根がある不思議な形をした蝶で、それを見た俺はつい最近にそれと同じようなものを何処かで目にしたような気がした。
(あれは・・・・・・。――――確か夜香の城に置いてあった、魔道具の目録の表紙に描かれていた模様と同じものだったはず)
何かの象徴のようにも思えるが、正確なことまでは分からない。
バッジを見つめる俺の視線に気づいた老人は、真横に立て掛けてあった木製の杖を手に取ると、そのまま真っすぐに歩いて近づいて来る。
「お前さんがクロベールの新しい弟子かね?これまた随分と若い・・・・・・純粋そうな見た目の顔をした子じゃな」
「ギル、どうして貴様がここにいる!――――いや、そもそも何故私が新しい弟子を取ったと・・・・・・知っているんだ?」
「それは勿論、ヘイズワーク君から連絡が入ったからじゃよ。彼女にもしもクロベールが店を訪れることがあれば、真っ先にワシの元にまで連絡を入れてくれと、そう頼んでおいたのじゃ」
クロエからギルと呼ばれた老人は、俺たちのすぐ目の前にまでやって来てから立ち止まると、まるで小さな子供を諭すかのような口調で話し出し始める。
「ヘイズワーク君を・・・・・・ナイラ君を責めてはいかんぞ。元はといえばクロベール、お前さんが悪い。議会に籍を置いている身でありながら、その役目をほっぽり出して自堕落な生活ばかりを送っていたと聞いている。
それにもし今回の件がなくとも近々、私自身が【夜香の城】にまで出向いて様子を見に行くつもりじゃった」
「どいつもこいつも勝手なことばかり・・・・・・。私はな、あの触れる度に指先へ伝わってくる英知の機器の感触を楽しみながら、毎回違った結果を映し出す次元的観測の研究を行っていただけだ!」
「それ、ただゲームをして遊んでるだけですよね?クロエがきちんと魔法使いとしてのお役目を果たした上で、そうしているのであれば良いんですけれど。でもクロエってば私に身の回りの世話を全て任せて、毎日毎日ぐだぐだしているだけじゃありませんか。流石の私もこれ以上は我慢の限界です!
――――ですから今回ばかりは庇ったりしてあげられませんよ。大人しくギルベルトさんの言うとおりにして下さい」
「なっ!リセ、お前まさか・・・・・・こいつに私の近況情報を流していたのか?」
「ワシから頼んだんじゃよ。――――それほどまでに今の議会の上位役員たちはお怒りだということじゃ。いくらワシが現最高議長とはいえ、抑えておける期間にも限界がある。そろそろ数十年ぶりに、魔法世界の表舞台へ戻って来る頃合いではないのかね?」
「・・・・・・ッチ」
リセからギルベルトと呼ばれた老人は、舌打ちをしながら不貞腐れた様子でいるクロエを、呆れた眼差しで見つめながらため息を吐いた。そして――――、
「まあ、とにかくそういうことじゃ。近々・・・・・・とはいっても来年の冬にだが。時期が来たらウィステリアに直接迎えを寄こさせるように頼んである。その時は大人しく言うことを聞いて、必ず議会の会合に参加をするんじゃぞ?」
それからギルベルトさんは俺とリセの立っている方に向き直ると、申し訳なさそうな表情を顔にうかべながら挨拶をしてきた。
「すまんのう、リセルシア君。折角こうして久しぶりに会えたというのに・・・・・・ワシも他に代わりが利かない身体でな。早々に魔法世界にある管理局本部に戻らねばならん。
次に会えるのは来年開催される霊魔大祭の議会の場でとなると思うが、その時は父君や親しい者たちも混ぜて一緒に食事でもどうだね?」
「それは――――はい、是非ご一緒させて頂きます!最近はお父様とあまり連絡が取れていなかったので・・・・・・今から来年の冬が楽しみになりました!」
「それは良かった・・・・・・で、だ。今回クロベールの件以外にももう一つ、どうしてもこの目で確認しておきたいことがあってじゃな。お前さん、確か名前は――――」
「流川悠人です」
「そう・・・・・・確かユウトといったかの。あのクロベールが自らの弟子にした程の人物じゃからな。今後の魔法世界の情勢を見極める為にも、こうして早い段階で会っておくことに越したことはない。既に【知識の共有】も最低限の段階まで済ませてあるようじゃの。
――――クロベール、お前さんの見立てでは、この子が持っている魔法使いとしての才能はどれほどのものなんじゃ?」
「・・・・・・知るか。だいたい、そいつはまだ魔法使いになってから一日も経っていないんだぞ。そんな状態で分かることなど高が知れている。そんな下らん野次馬をやりに来たんだったら、さっさとあの辛気臭い場所へ帰ったらどうだ?
どうやら代わりの利かない大事なお身体のようだからな。役所にいる無能な連中がさぞ、お前の帰りを今か今かと、首を長くして待っているだろうよ」
皮肉めいた言葉で答えを返すクロエに対しリセが「失礼ですよ!クロエ!」と、少々怒りの感情を含んだ声色で咎めようとするが・・・・・・クロエは完全に拗ねてしまっているようであり、分かりやすくそっぽを向いて話を聞こうとしなかった。
おそらく古い知り合いなのだろう。そんなクロエの態度に対して特に怒った様子もなく、ギルベルトさんはポケットから取り出した小さな鍵を、近くの誰もいない空いた空間に向かって差し込んだ。
すると鍵の先端部分のみが跡形もなく消失し、あとから【転移の扉】と思われる木製の扉が音もなく、浮かび上がるようにして現れる。
「ではな。三人とも次に会える時を楽しみにしておるぞ。――――その時はユウト君。改めて互いに自己紹介でもして、色々と君の話を聞かせて貰うとしようかの」
「ええ、機会があれば是非」
「失礼する」――――その言葉を残して、ギルベルトさんは空中に現れた扉を潜り抜け、そのまま転移先である何処かへと去って行ってしまった。
扉が閉ざされると同時に薄らいで消えていく【転移の扉】を忌々しそうに見つめながら、クロエは離れた場所から様子を伺っていたオグナーを引き連れて、研究所の奥の方に歩いて行ってしまう。
「どうやらこれから今回の件に関しての、報酬の相談でもするみたいですね」
「リセは行かなくていいのか?あの調子じゃクロエの奴、大分無茶な要求を吹っ掛けていると思うが・・・・・・」
「まあ、その辺りのことに関しては全てクロエに一任してありますから。そもそも弟子である私の意見なんて、よっぽどのことがない限りは通る可能性なんてほぼゼロです。
――――昔から過保護で、私の事を大切に想ってくれているのは有難いのですけれど・・・・・・クロエのそれは、普通のものとはまたちょっと違ったものですからね」
何やら物憂げな表情で話すリセの様子を見るに、今のクロエとリセの二人の間には色々と込み入った過去や事情があるみたいだが・・・・・・。
しかしただの好奇心だけで“自らがそこまで深く干渉する必要はあるのか?”と問われればそうではない。
それにいつか時期がきたら、リセの方から話をしてくれる日が来ると思う。
クロエから見せて貰ったリセの過去の記憶――――その内容から察するに、二人の関係に横から首を突っ込もうとするのは、何も知らない余所者が藪をつついてしまうようなものだ。ならば――――、
「リセ、これから色々世話になると思うけど、その・・・・・・よろしくな」
「はい!こちらこそ、これからよろしくお願いしますね!――――それと先ほどはクロエに対してあのように言いましたけれど、ユウ君は私のお世話にいくらでも甘えて貰っても良いんですよ。ですから遠慮なんかせずに、これからは同じ【夜香の城】に住まう住人として、本当の家族のような関係になっていければいいと私は思っています」
「か、家族といっても結婚はまだ早いんですからね・・・・・・!」――――焦った様子で後からそのように付け加えるリセの姿を見ながら俺は思う。知りたければ、ただ待っているだけでいい。この目の前にいる魔法使いの少女が、自らの意思で話を聞かせてくれる日を。
これから長い時間を共に歩んでいくことになるのだ。その道の先々で新たな物語が生まれ、或いは過去に起きた昔ばなしなどを聞く機会が訪れるだろう。
「そういえばクロエ、なかなか戻ってきませんね・・・・・・。ユウ君、私ちょっと様子を見に行ってきます!」
頬を赤らめながら小走りで奥に向かって駆けていくリセの後を、俺はゆっくりとした足取りで歩きながら追いかける。徐々に遠ざかっていく小さくて細い背中を視界に収めながら、俺はこれからの未来について思いを馳せるのであった――――。
******
金色の獣の討伐から一週間後。地球に存在する国、日本の何処かで――――。
幼い見た目をした黒髪の少女が、人通りの少ない団地の中を一人きりで歩いていた。
足先まで隠れるほどの長さがあるマントで全身を包んでおり、日常とはかけ離れたどこか異質な雰囲気を放っている少女のことを、周りを行き交う数人の大人たちは見ようともしない。
夕日が沈むのに合わせて頭上を覆う空の色が、徐々に暗いものにへと変わってゆく。
ジジジジジ――――という何かが擦れるような音と共に、道路脇に設置されている街灯の電源が入り出し、過剰とも思える輝きで道を照らす。
周辺にある家々の窓に明かりがともり、その内側から賑やかな話し声が漏れ出し始める。反対に外は静寂によって支配されており、コツコツと道を歩く少女の足音のみが辺りに響き渡っていた。
(・・・・・・この辺りか)
クロエは手元にある一枚のカード――――悠人が持っていた学生証に記載されている住所の欄と照らし合わせながら、道の角に設置されている電柱に取り付けられたプレートを確認して、ようやく目的地と思われる場所に辿り着いたことを理解する。
質素な住宅街の端に不自然に建てられた、高さ五階建ての新築マンション。ガラス張りの玄関ドアの向こう側には、清掃が行き届いたエントランスホールとエレベーターが見えており、最新の設備の為か中に警備員と思われる男まで在中している。
クロエは入り口の自動ドアを通って中に入ると、そのまま宅配ボックスの脇にある受付にいた男に向かって堂々とした態度で話しかけた。
「おい、ちょっといいか?お前に聞きたいことがある」
クロエから話しかけられた警備員の男は、そこで初めて目の前にいる少女の存在に気づいたようだった。 ハッとした様子で読んでいた新聞を机に置き、クロエに対して視線を向けた男の瞳がどこか虚ろ気な・・・・・・ぼんやりとしたものにへと変化する。
「今からここに書かれている部屋の前にまで案内しろ。ああそれと、この部屋のマスターキーなんかは持っていないのか?・・・・・・全て管理会社の方で保管しているからここには無いだと?なら仕方ない、多少強引な手段を取るしかないだろうな。よし、行くぞ」
クロエから受けた指示に対して特に反論する様子もなく、言われるがまま告げられた部屋の前にまで案内を始める警備員の男。
二人で階段脇に設置されているエレベーターに乗り込み、目的地である最上階の階層に向かう道中、クロエは今回ここに来た目的を頭の中で思い浮かべていた。
自身の新たな弟子として迎え入れた悠人。元々はリセルシアの想いを尊重し、クロエ自らが魔法使いにならないかと誘いをかけた――――つまり本来であれば、そこには何一つ不自然な点など無いはずだった。
しかし今回、異世界であるアブネクトに共に同行させた際、その異常ともいえる特筆した潜在能力が浮き彫りになったのだった。
その一つが金色の獣との戦闘行為の際に見せた一連の動きである。地表から数千メートル落下した地点から肉体の身体強化のみで生還したことにも舌を巻いたが、クロエが最も驚かされたのはその後に悠人が放った、自らが過去に考案したことのある固有魔法だった。
あの魔法――――【漆黒の圧潰杭】はその術式構成自体はそこまで難易度の高いものではない。しかしその魔法の発動の為に必要なものは、クロエだけが持つ特別な性質の魔力であり、ましてや魔法使いになったばかりの悠人に使用することは出来ないはずである。
それを自らの唯一の命綱である、クロエが張った魔力のオーラに干渉し、あまつさえそれを媒体にして金色の獣に対する攻撃に利用したのだ。
悠人を魔法使いにした際に行使した【知識の共有】。それは文字通りに自らが持つ知識を他人と共有するというだけの便利なものではない。
与えられた膨大な知識の情報の中から、状況に合わせて最適なものを選び抜くという作業も大変ではあるが、それ以上に選んだ知識を元にして実際に行動を行えるかという事が最も重要となるのだ。
説明文を読んでもそれを練習もなしにやれと言われれば、失敗する可能性の方が極めて高い。初めての実戦で身体強化も含めてあれだけの動きが出来るというのは、はっきり言ってしまえば異常である。
(天賦の才・・・・・・ということか)
一歩間違えれば死に繋がる行動も的確に、何の迷いもなく行えるその胆力。普通、日常からかけ離れた戦場に突然放り込まれれば、大抵の人間は考えることも出来ずに状況に流されるまま終わるだけだ。
クロエ自身も今回、悠人が金色の獣の討伐に成功するとは考えてもいなかった為、最後に放った捨て身の行動とも捉えられる魔法を頭上から目撃した時には思わず目を疑ったものである。
後から悠人に聞かれた点数とやらに関しても、クロエは五点という低い数字で評価をしたが、それも魔法使いとして頂点に位置する存在であるクロエの視点から見れば通常あり得ないことだ。
何故ならクロエからすれば大半の魔法使いたちは、点数すらつけることも出来ないほどの者ばかりだからである。
他にもクロエが違和感を覚えたのは、悠人の話す言動についてだ。
魔法世界から転移の扉を通ってアブネクトにやって来てからのこと。遠く離れた場所にいたリセの元に向かう道中の空の上で、悠人はクロエに対してこう言ったのだ。
――――「ボクもリセのことをを見習って変わらないとな」
それはただの一人称の言い間違い。別にさして気に留める程のことでもないのだが・・・・・・クロエは違った。
何故なら自らが持っているリセルシアの過去の記憶――――その中で悠人は自身のことを“俺”ではなく“ボク”という単語で言い表していたからだ。
リセルシアが悠人と距離を置くことになった前日の夜に、クロエはリセルシアに関する全ての記憶を悠人の頭の中から消去している。
――――しかしたったそれだけの事で、果たして一人称までが変わるものなのだろうか?
それ以外にも悠人の普段の言動は、クロエたちと過ごす時間が長くなるに連れて、徐々に強気なものに変化しているような気がした。それも暗に親しくなったというよりは、まるでそれが本来の悠人自身の性格であるかのように・・・・・・。
更に右肩下がり男爵が悠人の毛髪を素材にして調合した魔法薬――――【生命の設計図】。その中にあった謎の術式跡などの不確定な要素が、クロエの心の内に強い懸念感を湧き上がらせる。
(何にせよその答えが今・・・・・・この場所で得られるはずだ)
悠人の持つこれまでの過去を徹底的に調べ上げ、それによって得られた情報からあらゆる問題要素を排除する。
リセルシアの身の安全を守るという意味もあるが、それ以外にも自らの弟子とした悠人の面倒を、後継人として確認せねばならないという使命感もそこにはあった。
直接悠人自身に聞くという手もあるが、例の【生命の設計図】の中に見られた謎の術式跡のようなものが本人にどう作用するのか分からない今、うかつな手は慎むべきだろう。
「お待たせ致しました、この部屋です。――――202号室。廊下の端から二番目。両隣のお部屋には、今は誰も入居されていらしゃいませんね」
「そんなことはどうでもいい。それよりここに住んでいた奴の表札はどうした?見たところ付いてないようだが」
空の表札入れを見たクロエは、隣に立つ警備員の男にそう尋ねるが――――、
「はい?・・・・・・ああそれなら、そのお部屋にはこのマンションが建ってから、誰も入居されていらっしゃいませんよ。ここが建ったのがちょうど二年前になりますからね。その時から一度もです。間違いありませんよ」
「・・・・・・分かったもういい。要件は済んだ。お前は先に下に戻っていろ」
言われた通り踵を返して去っていく警備員の男を見送っていたクロエは、まるで頭から冷や水を浴びせられたかのような気分になった。
久しく感じるゾクリとした何かが全身を、アスファルトに染み込む水分のように緩やかな速度で浸透していく。伸ばした掌が部屋の扉に触れると、黒い渦と共にその部分が跡形もなく消失し、遮るものが何もない入り口の玄関部分が現れる。
靴も脱がずにそのまま部屋に上がり込んだクロエは、一歩一歩奥に向かって周囲を警戒しながら進んでいく。
人が住んでいる気配はなく、辺りは完全な無と化しており、家具などの生活用品も一切見当たらない。
中にあった全ての扉を開けて浴室の中まで確認し終えたクロエは、そのあり得ない光景に意図せずポツリと呟いた。
「なあ小僧・・・・・・いや、流川悠人。お前はいったい何者なんだ?」
その問いに対して答えを返してくれる者はここにはいない。
闇夜に浮かんだ薄い月明かりが、窓際に立つクロエの姿を静かに照らし出していた――――。
俺とクロエの二人は境界の修復作業をやり終えたリセと合流して、再びアブネクトの世界の管理者――――オグナーが所有している研究所がある地下洞窟にまで戻ってきていた。
あのよく分からない、動く灰色の植物によって埋め尽くされた空間を通り抜け、通路の突き当たりにあった扉を開けて中へと入る。するとそこにはオグナーの他にもう一人、見知らぬ人物が椅子に座ってくつろぎながら俺たちの帰りを待っていた。
「ようやく戻って来たか。待ちくたびれたぞ。あのクロベールが自ら直々に出向いたにしては、随分と時間がかかったみたいじゃの?」
座っていた椅子から立ち上がりながら、クロエに対して親しそうな様子で話しかける老人。
左右のフレームがそれぞれ違うデザインをしている変わった眼鏡を掛けており、身に纏っている見るからに高価そうなスーツの胸元には蝶のような形をしたバッジを付けていた。
全部で八枚の羽根がある不思議な形をした蝶で、それを見た俺はつい最近にそれと同じようなものを何処かで目にしたような気がした。
(あれは・・・・・・。――――確か夜香の城に置いてあった、魔道具の目録の表紙に描かれていた模様と同じものだったはず)
何かの象徴のようにも思えるが、正確なことまでは分からない。
バッジを見つめる俺の視線に気づいた老人は、真横に立て掛けてあった木製の杖を手に取ると、そのまま真っすぐに歩いて近づいて来る。
「お前さんがクロベールの新しい弟子かね?これまた随分と若い・・・・・・純粋そうな見た目の顔をした子じゃな」
「ギル、どうして貴様がここにいる!――――いや、そもそも何故私が新しい弟子を取ったと・・・・・・知っているんだ?」
「それは勿論、ヘイズワーク君から連絡が入ったからじゃよ。彼女にもしもクロベールが店を訪れることがあれば、真っ先にワシの元にまで連絡を入れてくれと、そう頼んでおいたのじゃ」
クロエからギルと呼ばれた老人は、俺たちのすぐ目の前にまでやって来てから立ち止まると、まるで小さな子供を諭すかのような口調で話し出し始める。
「ヘイズワーク君を・・・・・・ナイラ君を責めてはいかんぞ。元はといえばクロベール、お前さんが悪い。議会に籍を置いている身でありながら、その役目をほっぽり出して自堕落な生活ばかりを送っていたと聞いている。
それにもし今回の件がなくとも近々、私自身が【夜香の城】にまで出向いて様子を見に行くつもりじゃった」
「どいつもこいつも勝手なことばかり・・・・・・。私はな、あの触れる度に指先へ伝わってくる英知の機器の感触を楽しみながら、毎回違った結果を映し出す次元的観測の研究を行っていただけだ!」
「それ、ただゲームをして遊んでるだけですよね?クロエがきちんと魔法使いとしてのお役目を果たした上で、そうしているのであれば良いんですけれど。でもクロエってば私に身の回りの世話を全て任せて、毎日毎日ぐだぐだしているだけじゃありませんか。流石の私もこれ以上は我慢の限界です!
――――ですから今回ばかりは庇ったりしてあげられませんよ。大人しくギルベルトさんの言うとおりにして下さい」
「なっ!リセ、お前まさか・・・・・・こいつに私の近況情報を流していたのか?」
「ワシから頼んだんじゃよ。――――それほどまでに今の議会の上位役員たちはお怒りだということじゃ。いくらワシが現最高議長とはいえ、抑えておける期間にも限界がある。そろそろ数十年ぶりに、魔法世界の表舞台へ戻って来る頃合いではないのかね?」
「・・・・・・ッチ」
リセからギルベルトと呼ばれた老人は、舌打ちをしながら不貞腐れた様子でいるクロエを、呆れた眼差しで見つめながらため息を吐いた。そして――――、
「まあ、とにかくそういうことじゃ。近々・・・・・・とはいっても来年の冬にだが。時期が来たらウィステリアに直接迎えを寄こさせるように頼んである。その時は大人しく言うことを聞いて、必ず議会の会合に参加をするんじゃぞ?」
それからギルベルトさんは俺とリセの立っている方に向き直ると、申し訳なさそうな表情を顔にうかべながら挨拶をしてきた。
「すまんのう、リセルシア君。折角こうして久しぶりに会えたというのに・・・・・・ワシも他に代わりが利かない身体でな。早々に魔法世界にある管理局本部に戻らねばならん。
次に会えるのは来年開催される霊魔大祭の議会の場でとなると思うが、その時は父君や親しい者たちも混ぜて一緒に食事でもどうだね?」
「それは――――はい、是非ご一緒させて頂きます!最近はお父様とあまり連絡が取れていなかったので・・・・・・今から来年の冬が楽しみになりました!」
「それは良かった・・・・・・で、だ。今回クロベールの件以外にももう一つ、どうしてもこの目で確認しておきたいことがあってじゃな。お前さん、確か名前は――――」
「流川悠人です」
「そう・・・・・・確かユウトといったかの。あのクロベールが自らの弟子にした程の人物じゃからな。今後の魔法世界の情勢を見極める為にも、こうして早い段階で会っておくことに越したことはない。既に【知識の共有】も最低限の段階まで済ませてあるようじゃの。
――――クロベール、お前さんの見立てでは、この子が持っている魔法使いとしての才能はどれほどのものなんじゃ?」
「・・・・・・知るか。だいたい、そいつはまだ魔法使いになってから一日も経っていないんだぞ。そんな状態で分かることなど高が知れている。そんな下らん野次馬をやりに来たんだったら、さっさとあの辛気臭い場所へ帰ったらどうだ?
どうやら代わりの利かない大事なお身体のようだからな。役所にいる無能な連中がさぞ、お前の帰りを今か今かと、首を長くして待っているだろうよ」
皮肉めいた言葉で答えを返すクロエに対しリセが「失礼ですよ!クロエ!」と、少々怒りの感情を含んだ声色で咎めようとするが・・・・・・クロエは完全に拗ねてしまっているようであり、分かりやすくそっぽを向いて話を聞こうとしなかった。
おそらく古い知り合いなのだろう。そんなクロエの態度に対して特に怒った様子もなく、ギルベルトさんはポケットから取り出した小さな鍵を、近くの誰もいない空いた空間に向かって差し込んだ。
すると鍵の先端部分のみが跡形もなく消失し、あとから【転移の扉】と思われる木製の扉が音もなく、浮かび上がるようにして現れる。
「ではな。三人とも次に会える時を楽しみにしておるぞ。――――その時はユウト君。改めて互いに自己紹介でもして、色々と君の話を聞かせて貰うとしようかの」
「ええ、機会があれば是非」
「失礼する」――――その言葉を残して、ギルベルトさんは空中に現れた扉を潜り抜け、そのまま転移先である何処かへと去って行ってしまった。
扉が閉ざされると同時に薄らいで消えていく【転移の扉】を忌々しそうに見つめながら、クロエは離れた場所から様子を伺っていたオグナーを引き連れて、研究所の奥の方に歩いて行ってしまう。
「どうやらこれから今回の件に関しての、報酬の相談でもするみたいですね」
「リセは行かなくていいのか?あの調子じゃクロエの奴、大分無茶な要求を吹っ掛けていると思うが・・・・・・」
「まあ、その辺りのことに関しては全てクロエに一任してありますから。そもそも弟子である私の意見なんて、よっぽどのことがない限りは通る可能性なんてほぼゼロです。
――――昔から過保護で、私の事を大切に想ってくれているのは有難いのですけれど・・・・・・クロエのそれは、普通のものとはまたちょっと違ったものですからね」
何やら物憂げな表情で話すリセの様子を見るに、今のクロエとリセの二人の間には色々と込み入った過去や事情があるみたいだが・・・・・・。
しかしただの好奇心だけで“自らがそこまで深く干渉する必要はあるのか?”と問われればそうではない。
それにいつか時期がきたら、リセの方から話をしてくれる日が来ると思う。
クロエから見せて貰ったリセの過去の記憶――――その内容から察するに、二人の関係に横から首を突っ込もうとするのは、何も知らない余所者が藪をつついてしまうようなものだ。ならば――――、
「リセ、これから色々世話になると思うけど、その・・・・・・よろしくな」
「はい!こちらこそ、これからよろしくお願いしますね!――――それと先ほどはクロエに対してあのように言いましたけれど、ユウ君は私のお世話にいくらでも甘えて貰っても良いんですよ。ですから遠慮なんかせずに、これからは同じ【夜香の城】に住まう住人として、本当の家族のような関係になっていければいいと私は思っています」
「か、家族といっても結婚はまだ早いんですからね・・・・・・!」――――焦った様子で後からそのように付け加えるリセの姿を見ながら俺は思う。知りたければ、ただ待っているだけでいい。この目の前にいる魔法使いの少女が、自らの意思で話を聞かせてくれる日を。
これから長い時間を共に歩んでいくことになるのだ。その道の先々で新たな物語が生まれ、或いは過去に起きた昔ばなしなどを聞く機会が訪れるだろう。
「そういえばクロエ、なかなか戻ってきませんね・・・・・・。ユウ君、私ちょっと様子を見に行ってきます!」
頬を赤らめながら小走りで奥に向かって駆けていくリセの後を、俺はゆっくりとした足取りで歩きながら追いかける。徐々に遠ざかっていく小さくて細い背中を視界に収めながら、俺はこれからの未来について思いを馳せるのであった――――。
******
金色の獣の討伐から一週間後。地球に存在する国、日本の何処かで――――。
幼い見た目をした黒髪の少女が、人通りの少ない団地の中を一人きりで歩いていた。
足先まで隠れるほどの長さがあるマントで全身を包んでおり、日常とはかけ離れたどこか異質な雰囲気を放っている少女のことを、周りを行き交う数人の大人たちは見ようともしない。
夕日が沈むのに合わせて頭上を覆う空の色が、徐々に暗いものにへと変わってゆく。
ジジジジジ――――という何かが擦れるような音と共に、道路脇に設置されている街灯の電源が入り出し、過剰とも思える輝きで道を照らす。
周辺にある家々の窓に明かりがともり、その内側から賑やかな話し声が漏れ出し始める。反対に外は静寂によって支配されており、コツコツと道を歩く少女の足音のみが辺りに響き渡っていた。
(・・・・・・この辺りか)
クロエは手元にある一枚のカード――――悠人が持っていた学生証に記載されている住所の欄と照らし合わせながら、道の角に設置されている電柱に取り付けられたプレートを確認して、ようやく目的地と思われる場所に辿り着いたことを理解する。
質素な住宅街の端に不自然に建てられた、高さ五階建ての新築マンション。ガラス張りの玄関ドアの向こう側には、清掃が行き届いたエントランスホールとエレベーターが見えており、最新の設備の為か中に警備員と思われる男まで在中している。
クロエは入り口の自動ドアを通って中に入ると、そのまま宅配ボックスの脇にある受付にいた男に向かって堂々とした態度で話しかけた。
「おい、ちょっといいか?お前に聞きたいことがある」
クロエから話しかけられた警備員の男は、そこで初めて目の前にいる少女の存在に気づいたようだった。 ハッとした様子で読んでいた新聞を机に置き、クロエに対して視線を向けた男の瞳がどこか虚ろ気な・・・・・・ぼんやりとしたものにへと変化する。
「今からここに書かれている部屋の前にまで案内しろ。ああそれと、この部屋のマスターキーなんかは持っていないのか?・・・・・・全て管理会社の方で保管しているからここには無いだと?なら仕方ない、多少強引な手段を取るしかないだろうな。よし、行くぞ」
クロエから受けた指示に対して特に反論する様子もなく、言われるがまま告げられた部屋の前にまで案内を始める警備員の男。
二人で階段脇に設置されているエレベーターに乗り込み、目的地である最上階の階層に向かう道中、クロエは今回ここに来た目的を頭の中で思い浮かべていた。
自身の新たな弟子として迎え入れた悠人。元々はリセルシアの想いを尊重し、クロエ自らが魔法使いにならないかと誘いをかけた――――つまり本来であれば、そこには何一つ不自然な点など無いはずだった。
しかし今回、異世界であるアブネクトに共に同行させた際、その異常ともいえる特筆した潜在能力が浮き彫りになったのだった。
その一つが金色の獣との戦闘行為の際に見せた一連の動きである。地表から数千メートル落下した地点から肉体の身体強化のみで生還したことにも舌を巻いたが、クロエが最も驚かされたのはその後に悠人が放った、自らが過去に考案したことのある固有魔法だった。
あの魔法――――【漆黒の圧潰杭】はその術式構成自体はそこまで難易度の高いものではない。しかしその魔法の発動の為に必要なものは、クロエだけが持つ特別な性質の魔力であり、ましてや魔法使いになったばかりの悠人に使用することは出来ないはずである。
それを自らの唯一の命綱である、クロエが張った魔力のオーラに干渉し、あまつさえそれを媒体にして金色の獣に対する攻撃に利用したのだ。
悠人を魔法使いにした際に行使した【知識の共有】。それは文字通りに自らが持つ知識を他人と共有するというだけの便利なものではない。
与えられた膨大な知識の情報の中から、状況に合わせて最適なものを選び抜くという作業も大変ではあるが、それ以上に選んだ知識を元にして実際に行動を行えるかという事が最も重要となるのだ。
説明文を読んでもそれを練習もなしにやれと言われれば、失敗する可能性の方が極めて高い。初めての実戦で身体強化も含めてあれだけの動きが出来るというのは、はっきり言ってしまえば異常である。
(天賦の才・・・・・・ということか)
一歩間違えれば死に繋がる行動も的確に、何の迷いもなく行えるその胆力。普通、日常からかけ離れた戦場に突然放り込まれれば、大抵の人間は考えることも出来ずに状況に流されるまま終わるだけだ。
クロエ自身も今回、悠人が金色の獣の討伐に成功するとは考えてもいなかった為、最後に放った捨て身の行動とも捉えられる魔法を頭上から目撃した時には思わず目を疑ったものである。
後から悠人に聞かれた点数とやらに関しても、クロエは五点という低い数字で評価をしたが、それも魔法使いとして頂点に位置する存在であるクロエの視点から見れば通常あり得ないことだ。
何故ならクロエからすれば大半の魔法使いたちは、点数すらつけることも出来ないほどの者ばかりだからである。
他にもクロエが違和感を覚えたのは、悠人の話す言動についてだ。
魔法世界から転移の扉を通ってアブネクトにやって来てからのこと。遠く離れた場所にいたリセの元に向かう道中の空の上で、悠人はクロエに対してこう言ったのだ。
――――「ボクもリセのことをを見習って変わらないとな」
それはただの一人称の言い間違い。別にさして気に留める程のことでもないのだが・・・・・・クロエは違った。
何故なら自らが持っているリセルシアの過去の記憶――――その中で悠人は自身のことを“俺”ではなく“ボク”という単語で言い表していたからだ。
リセルシアが悠人と距離を置くことになった前日の夜に、クロエはリセルシアに関する全ての記憶を悠人の頭の中から消去している。
――――しかしたったそれだけの事で、果たして一人称までが変わるものなのだろうか?
それ以外にも悠人の普段の言動は、クロエたちと過ごす時間が長くなるに連れて、徐々に強気なものに変化しているような気がした。それも暗に親しくなったというよりは、まるでそれが本来の悠人自身の性格であるかのように・・・・・・。
更に右肩下がり男爵が悠人の毛髪を素材にして調合した魔法薬――――【生命の設計図】。その中にあった謎の術式跡などの不確定な要素が、クロエの心の内に強い懸念感を湧き上がらせる。
(何にせよその答えが今・・・・・・この場所で得られるはずだ)
悠人の持つこれまでの過去を徹底的に調べ上げ、それによって得られた情報からあらゆる問題要素を排除する。
リセルシアの身の安全を守るという意味もあるが、それ以外にも自らの弟子とした悠人の面倒を、後継人として確認せねばならないという使命感もそこにはあった。
直接悠人自身に聞くという手もあるが、例の【生命の設計図】の中に見られた謎の術式跡のようなものが本人にどう作用するのか分からない今、うかつな手は慎むべきだろう。
「お待たせ致しました、この部屋です。――――202号室。廊下の端から二番目。両隣のお部屋には、今は誰も入居されていらしゃいませんね」
「そんなことはどうでもいい。それよりここに住んでいた奴の表札はどうした?見たところ付いてないようだが」
空の表札入れを見たクロエは、隣に立つ警備員の男にそう尋ねるが――――、
「はい?・・・・・・ああそれなら、そのお部屋にはこのマンションが建ってから、誰も入居されていらっしゃいませんよ。ここが建ったのがちょうど二年前になりますからね。その時から一度もです。間違いありませんよ」
「・・・・・・分かったもういい。要件は済んだ。お前は先に下に戻っていろ」
言われた通り踵を返して去っていく警備員の男を見送っていたクロエは、まるで頭から冷や水を浴びせられたかのような気分になった。
久しく感じるゾクリとした何かが全身を、アスファルトに染み込む水分のように緩やかな速度で浸透していく。伸ばした掌が部屋の扉に触れると、黒い渦と共にその部分が跡形もなく消失し、遮るものが何もない入り口の玄関部分が現れる。
靴も脱がずにそのまま部屋に上がり込んだクロエは、一歩一歩奥に向かって周囲を警戒しながら進んでいく。
人が住んでいる気配はなく、辺りは完全な無と化しており、家具などの生活用品も一切見当たらない。
中にあった全ての扉を開けて浴室の中まで確認し終えたクロエは、そのあり得ない光景に意図せずポツリと呟いた。
「なあ小僧・・・・・・いや、流川悠人。お前はいったい何者なんだ?」
その問いに対して答えを返してくれる者はここにはいない。
闇夜に浮かんだ薄い月明かりが、窓際に立つクロエの姿を静かに照らし出していた――――。
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