17 / 59
第一部 一章 始まりの物語~噴壊包輝世界編~
ゲートポイント
しおりを挟む
まず初めに広々とした空間のある、立派な造りの玄関ホールが、俺たち二人を出迎えた。
床面から天井までの高さは、おおよそ十メートルほど。豪華な装飾が施された階段の手すりや、大木のような太さの中央にそびえ立つ立派な柱。上階へと続いている幅の広い階段。その手前には白い大理石で造られたフロントデスクが置かれている。
パッと見は俺の世界にもあった、豪華なホテルの内装とあまり変わらないものだ。
「クロエ、この場所は?」
「世界と世界を繋ぐ【転移の扉】。その中継地点となる場所だ。私たちはここから、リセが今いる世界に――――アブネクトへと出発する」
クロエの話によれば、この建物の正式な名称は【地脈の起点】というそうだ。
各世界に存在する【境界の地脈】に接続し、直接的にその場所に続く【転移の扉】を繋げることができるのだとか。
こういった場所は魔法世界にいくつか存在するそうで、今回はクロエが昔からよく使用していた、この建物の【地脈の起点】を使用場所として選んだということだった。
本来、世界から世界への移動を行うには、色々と細々とした手続きをしなければならないらしい。
しかし今回は急ぎの用がある為、その手続きの一切を行わなくて済むように、ここを選んだ――――クロエからはそのように説明された。
そういった魔法使いならば知ってて当然のような情報も、ここにやって来る前におこなった【知識の共有】の効果によって当然理解できるものと思っていたのだが・・・・・・それをクロエに聞いてみると、
「アホか。一度に大量の情報を送り過ぎると、あっという間にお前の小さな脳味噌はキャパオーバーだ。運が悪ければそのまま廃人になるぞ」
「何を馬鹿なことを」と――――そのように言われてしまった。確かにあの時は頭が割れるかと思う程の激痛だったからな。
「リセもこの場所から、そのアブネクトって世界に向かったの?」
「いや、あいつは地球にあった境界の裂け目から直接入ったはずだ。【夜香の城】の中にある【転移の扉】を使っていなかったからな。この場所には来てはいない」
どうやらリセは地球にあった境界の裂け目から、直接アブネクトという世界に向かったらしい。
しかし今回クロエは、まだ半人前以下である俺を同行者として一緒に連れている為、その手段を取るのは難しいと判断したのだ。
「おい、そこのお前。今すぐ支配人を呼んで来てくれ。・・・・・ああそうだ、クロエ・クロベールがやって来たと伝えろ」
「畏まりました」
クロエはフロントにいた受付の女性に対して、そのように命じる。
本当にいちいち偉そうにするな・・・・・・。
その女性はクロエに対して軽く会釈をした後、デスクに備え付けてあった黒電話を使用して誰かに連絡を取りはじめる。
五分後――――一人の支配人と思しきやせ型の男が息を切らしながら、大急ぎで俺たちの方に向かって遠くから走って来るのが見えた。
「これは、これはマスター・クロベール!お久しぶりでございます。ここ最近、全くお見掛けしなかったものですから、心配しておりましたよ。それで、本日はどういった・・・・・・?」
「いいから黙って、さっさと【転移の扉】のマスター鍵を私に寄越せ」
取り付く島もないといったふうに、一方的に自分の要求を告げたクロエ。それを聞いた支配人の男性は青ざめた表情を浮かべ、絞り出すかのような――――か細い声をあげながらクロエに対して抗議した。
「・・・・・・そんな!マスター・クロベール、困りますよ!突然、予約も入れずに参られては。他のお客様になんと言ってご説明すれば良いのか・・・・・・」
「緊急事態なんだ、いいから寄こせ。最悪、私の名前を出しさえすれば何とかなるだろう?最上階の部屋を、一つ使わせて貰うぞ」
そう言うや否や、クロエは無抵抗でその場に突っ立ている哀れな支配人のポケットの中に、自身の手を突き入れる。
しばらくガサゴソと動かした後に、ポケットから抜き出されたクロエの小さな手には、錆びついた銅の鍵が一つ握られていた。
「ご苦労、もう行ってもいいぞ」
「・・・・・・」
鍵を回収した俺たちは用は済んだとばかりに、呆然としている支配人をその場に放置して、建物の最上階である十階に向かった。
外観からは建物の階層がそれほどあるようには思えなかった。せいぜいが三階から四階程度の高さくらいしか無かったはず。しかしここは魔法使いの世界である為、そのような常識的な考えというものは通用しないのだろう。
二階に設置されていた古いエレベーターを使い、俺たち二人はあっという間に目的地である十階に辿り着いた。
最上階のフロアは途中に通った二階の階層と比べると、かなり豪華な雰囲気のものになっていた。赤いレッドカーペットが床全体の廊下の奥にまで敷かれており、各部屋の扉の縁にはメッキではない、本物の金が使用されている。
俺の先を歩いているクロエは、いくつかの部屋の前で立ち止まりながら扉に埋め込まれたプレートの番号を確認しているようだった。
そして廊下の端から二番目――――扉に付けられた部屋番号のプレートに、“0008”と、書いてある部屋の前で立ち止まったクロエは、先程の支配人から勝手に奪い取ったマスター鍵を扉の鍵穴に差し込んだ。
カチリ――――クロエの手元の鍵穴から音が鳴ると同時に、扉に取り付けられているプレートに記された文字が少しずつ・・・・・・ゆっくりと動き出し始めた。
最初からあった四桁の数字の下に、更に幾つもの小さな文字が浮かび上がり、それら全てが0から9の間で、スロットのように高速で回転しながら変化している。
「2550万9307番目の扉を」
クロエがその数字を告げると同時に――――高速で回転していたプレートの文字が次第に変化していき、“025509307”と表示された状態でその動きを止めた。
「当ゲートポイントへようこそ。ゲートNO.025509307、危険度レベル2、“噴壊包輝世界アブネクト”となります」
チーン――――甲高く鳴り響くベルの音と共に、どこからか事務的なアナウンスが聞こえてくる。クロエは扉にさした鍵を鍵穴から引き抜くと、それを自身のポケットに入れた。
「小僧、ここに来る前に話したと思うが、魔法使いは不死ではない。想定外の事態に陥った場合は迷わず逃げろ。今回は私もいるから、そんな事態にはならないだろうが。とにかく油断するなということだ」
「了解・・・・・・それでクロエ、もうこの扉の先は、リセが今いるアブネクトって世界に繋がっているのか?」
「そうだ。本来であれば事前にここに連絡して、ゲートの出現地点を安全な区域に設定したりする事が出来るんだが、今回は横入りで勝手に使用しているせいで、扉を潜った先にどんな場所に出るのかは正直分からん」
(だからあの人は、クロエに鍵を渡すのを渋っていたのか)
この場所のゲートを利用する為には、事前にこの場所へと連絡を入れておかなければならないらしい。
あの支配人の男性からすれば、ゲートを本来利用するはずだった客に対して謝罪をしなくてはならない羽目になる。そのことを踏まえれば、先程のクロエへの態度も納得がいくというものだ。
クロエは俺に一言、「行くぞ」と声を掛けながら扉に付いたドアノブに手を掛ける。クロエを先頭にして、俺たち二人は【転移の扉】の扉を潜った。
視界全体を真っ白な光が覆うが、それに対して不思議と眩しいという感覚は感じられ無い。扉を完全に潜り抜けると徐々に光が薄らいでいき、それが完全に消えると同時に俺たちの目の前に現れた光景は――――
「森?」
見渡す限りに、背の高い木々がどこまでも広がっていた。
久しく嗅いだことの無い、どこか懐かしい自然の香りが風に乗って漂ってくる。
床面から天井までの高さは、おおよそ十メートルほど。豪華な装飾が施された階段の手すりや、大木のような太さの中央にそびえ立つ立派な柱。上階へと続いている幅の広い階段。その手前には白い大理石で造られたフロントデスクが置かれている。
パッと見は俺の世界にもあった、豪華なホテルの内装とあまり変わらないものだ。
「クロエ、この場所は?」
「世界と世界を繋ぐ【転移の扉】。その中継地点となる場所だ。私たちはここから、リセが今いる世界に――――アブネクトへと出発する」
クロエの話によれば、この建物の正式な名称は【地脈の起点】というそうだ。
各世界に存在する【境界の地脈】に接続し、直接的にその場所に続く【転移の扉】を繋げることができるのだとか。
こういった場所は魔法世界にいくつか存在するそうで、今回はクロエが昔からよく使用していた、この建物の【地脈の起点】を使用場所として選んだということだった。
本来、世界から世界への移動を行うには、色々と細々とした手続きをしなければならないらしい。
しかし今回は急ぎの用がある為、その手続きの一切を行わなくて済むように、ここを選んだ――――クロエからはそのように説明された。
そういった魔法使いならば知ってて当然のような情報も、ここにやって来る前におこなった【知識の共有】の効果によって当然理解できるものと思っていたのだが・・・・・・それをクロエに聞いてみると、
「アホか。一度に大量の情報を送り過ぎると、あっという間にお前の小さな脳味噌はキャパオーバーだ。運が悪ければそのまま廃人になるぞ」
「何を馬鹿なことを」と――――そのように言われてしまった。確かにあの時は頭が割れるかと思う程の激痛だったからな。
「リセもこの場所から、そのアブネクトって世界に向かったの?」
「いや、あいつは地球にあった境界の裂け目から直接入ったはずだ。【夜香の城】の中にある【転移の扉】を使っていなかったからな。この場所には来てはいない」
どうやらリセは地球にあった境界の裂け目から、直接アブネクトという世界に向かったらしい。
しかし今回クロエは、まだ半人前以下である俺を同行者として一緒に連れている為、その手段を取るのは難しいと判断したのだ。
「おい、そこのお前。今すぐ支配人を呼んで来てくれ。・・・・・ああそうだ、クロエ・クロベールがやって来たと伝えろ」
「畏まりました」
クロエはフロントにいた受付の女性に対して、そのように命じる。
本当にいちいち偉そうにするな・・・・・・。
その女性はクロエに対して軽く会釈をした後、デスクに備え付けてあった黒電話を使用して誰かに連絡を取りはじめる。
五分後――――一人の支配人と思しきやせ型の男が息を切らしながら、大急ぎで俺たちの方に向かって遠くから走って来るのが見えた。
「これは、これはマスター・クロベール!お久しぶりでございます。ここ最近、全くお見掛けしなかったものですから、心配しておりましたよ。それで、本日はどういった・・・・・・?」
「いいから黙って、さっさと【転移の扉】のマスター鍵を私に寄越せ」
取り付く島もないといったふうに、一方的に自分の要求を告げたクロエ。それを聞いた支配人の男性は青ざめた表情を浮かべ、絞り出すかのような――――か細い声をあげながらクロエに対して抗議した。
「・・・・・・そんな!マスター・クロベール、困りますよ!突然、予約も入れずに参られては。他のお客様になんと言ってご説明すれば良いのか・・・・・・」
「緊急事態なんだ、いいから寄こせ。最悪、私の名前を出しさえすれば何とかなるだろう?最上階の部屋を、一つ使わせて貰うぞ」
そう言うや否や、クロエは無抵抗でその場に突っ立ている哀れな支配人のポケットの中に、自身の手を突き入れる。
しばらくガサゴソと動かした後に、ポケットから抜き出されたクロエの小さな手には、錆びついた銅の鍵が一つ握られていた。
「ご苦労、もう行ってもいいぞ」
「・・・・・・」
鍵を回収した俺たちは用は済んだとばかりに、呆然としている支配人をその場に放置して、建物の最上階である十階に向かった。
外観からは建物の階層がそれほどあるようには思えなかった。せいぜいが三階から四階程度の高さくらいしか無かったはず。しかしここは魔法使いの世界である為、そのような常識的な考えというものは通用しないのだろう。
二階に設置されていた古いエレベーターを使い、俺たち二人はあっという間に目的地である十階に辿り着いた。
最上階のフロアは途中に通った二階の階層と比べると、かなり豪華な雰囲気のものになっていた。赤いレッドカーペットが床全体の廊下の奥にまで敷かれており、各部屋の扉の縁にはメッキではない、本物の金が使用されている。
俺の先を歩いているクロエは、いくつかの部屋の前で立ち止まりながら扉に埋め込まれたプレートの番号を確認しているようだった。
そして廊下の端から二番目――――扉に付けられた部屋番号のプレートに、“0008”と、書いてある部屋の前で立ち止まったクロエは、先程の支配人から勝手に奪い取ったマスター鍵を扉の鍵穴に差し込んだ。
カチリ――――クロエの手元の鍵穴から音が鳴ると同時に、扉に取り付けられているプレートに記された文字が少しずつ・・・・・・ゆっくりと動き出し始めた。
最初からあった四桁の数字の下に、更に幾つもの小さな文字が浮かび上がり、それら全てが0から9の間で、スロットのように高速で回転しながら変化している。
「2550万9307番目の扉を」
クロエがその数字を告げると同時に――――高速で回転していたプレートの文字が次第に変化していき、“025509307”と表示された状態でその動きを止めた。
「当ゲートポイントへようこそ。ゲートNO.025509307、危険度レベル2、“噴壊包輝世界アブネクト”となります」
チーン――――甲高く鳴り響くベルの音と共に、どこからか事務的なアナウンスが聞こえてくる。クロエは扉にさした鍵を鍵穴から引き抜くと、それを自身のポケットに入れた。
「小僧、ここに来る前に話したと思うが、魔法使いは不死ではない。想定外の事態に陥った場合は迷わず逃げろ。今回は私もいるから、そんな事態にはならないだろうが。とにかく油断するなということだ」
「了解・・・・・・それでクロエ、もうこの扉の先は、リセが今いるアブネクトって世界に繋がっているのか?」
「そうだ。本来であれば事前にここに連絡して、ゲートの出現地点を安全な区域に設定したりする事が出来るんだが、今回は横入りで勝手に使用しているせいで、扉を潜った先にどんな場所に出るのかは正直分からん」
(だからあの人は、クロエに鍵を渡すのを渋っていたのか)
この場所のゲートを利用する為には、事前にこの場所へと連絡を入れておかなければならないらしい。
あの支配人の男性からすれば、ゲートを本来利用するはずだった客に対して謝罪をしなくてはならない羽目になる。そのことを踏まえれば、先程のクロエへの態度も納得がいくというものだ。
クロエは俺に一言、「行くぞ」と声を掛けながら扉に付いたドアノブに手を掛ける。クロエを先頭にして、俺たち二人は【転移の扉】の扉を潜った。
視界全体を真っ白な光が覆うが、それに対して不思議と眩しいという感覚は感じられ無い。扉を完全に潜り抜けると徐々に光が薄らいでいき、それが完全に消えると同時に俺たちの目の前に現れた光景は――――
「森?」
見渡す限りに、背の高い木々がどこまでも広がっていた。
久しく嗅いだことの無い、どこか懐かしい自然の香りが風に乗って漂ってくる。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる