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第4章 ルーベルト王国王都
第三十二話 魔法属性
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風、聖、光。結菜には三つの属性がある。
結菜にとって、三属性を持っていることはゲームでは当たり前の認識であった。チートなキャラは全属性を網羅していることもあるのだ。
何で勇者達がそんなに反応するのかわからず、結菜は首を傾げる。
「何でそんなに驚くのかって顔をしていますね」
賢者が未だに不思議そうにしている結菜をじとっと恨めしそうに見つめた。
「よく聞いてください。属性には攻撃属性のものと防御属性のものがあります。まぁ主に攻撃属性は火·水·闇で、防御属性は風·土·光に分けられているんです。あなたの言う魔法攻撃力と魔法防御力は、結構属性によって左右されるんです」
「つまり、属性が攻撃属性か防御属性かで威力が変わるってこと?」
賢者は気持ちを落ち着けるために、魔術師がさり気なく出してくれた紅茶を一口飲んで頷いた。
お疲れモードに入りかけている賢者に代わって、勇者が詳しく説明してくれる。
「いいか?お前は今、三属性の魔法を持っている。その三つ全部がお前の言う攻撃属性に当てはまらない。だから威力が激減することはない」
ふむふむと結菜は頷く。
「確かに防御属性の魔法は攻撃には向かないが、状況や場合によっては攻撃属性の魔法を上回る結果を出すこともある。……そんな魔法を二属性も持っているんだ。驚かないはずがないだろう」
確かにそれが本当なら仕方がない。
その上ゲームとは違い、この世界では三属性も持つことは珍しいらしい。それなのに三属性も持っていることがわかったらそりゃ驚くよね、と結菜は皆の反応に納得した。
勇者は聖がどちらの属性にも当てはまらないことや防御属性の魔法を持つ者はあまりいないということまでも色々と細かく教えてくれた。
ちなみに勇者は攻撃属性の魔法の三つを全て持っているらしい。流石勇者である。
しかし、そんな彼でも結菜が珍しい防御属性の魔法を二つも持っているとは思わなかったらしい。結菜は何となく勇者に親近感が湧いた。話が盛り上がる。
ここだけ空気が明るい。何でかな‼
「……あの、そろそろ魔力も測定していただきたいのですが…………」
恐る恐る魔術師が提案した。
その一言ではっとする一同。
「そうですね。そろそろ魔力測定もしましょうか」
賢者は「魔力さえ多くなければ大丈夫‼そうです、魔力さえ多くなければ……」とぶつぶつ言っている。
はて?結菜は首を傾げた。
「では、魔力測定器の上に手をかざしてください」
「ん?それだけ?」
「あぁ、それだけだ」
結菜はさっと魔力測定器の上に手をかざした。またしてもじっと見守る一同。
しばらくすると、魔力測定器についている針がグルングルン周り始めた。それはもう高速で……。
あれ?壊しちゃったかな……?ちょっと心配である。はい。
ちょっと軽く現実逃避する結菜。
自身の魔力測定を鑑定により、予め知っている結菜にとってはこの現象の意図するものがだいたい正確に把握できていたからである。
「回ってる……」
「回ってるな……」
「えぇ、しかも高速で……」
三人が絶句している間も針は回る速度を増していた。さらに速くグルグル回り続ける。
……微風を感じるね‼簡易扇風機だね‼結菜はさらに現実逃避した。
魔力、魔力ね……。気付かれないことを祈るばかりである。まぁ、無理だろうけど‼
「まさか………いやでも……あっ、まさか‼」
魔術師が悲鳴に近い声を出して走って部屋を出て行く。
ぽかんとする結菜達。
「これ、壊しちゃったのかな…………」
「…………そうですね。そういうことにしておきましょう……」
賢者が受け入れ難そうに遠くを見ている。何かに気づいてしまったようだ。そっちは壁である。一体何が見えているのだろうか……。
ドタバタ音が聞こえてきた。どうやら戻って来たらしい。速いね、本当に‼嫌なくらいにね‼
「すいません‼こちらの測定器でもう一度測っていただけますか⁉」
しばらくして、魔術師がゼイッゼイッ言いながら部屋に駆け込んで来た。
手には新たな魔力測定器が握られている。
「魔術師専用の測定器です。宮廷魔術師の中でも魔力が多い人にしか使われないのですが、念の為に…………」
魔力多めの魔術師専用ね、はい。結菜は賢者がまた遠い何処かに意識を飛ばしているのを感じた。結菜も同じ気持ちである。
そんな中、勇者はいつもの無表情で紅茶を飲んでいた。その余裕を分けていただきたいものである。いや、本当切実に。
(賢者さん、ごめん‼)
結菜は思い切って魔力測定器改に手をかざした。
結菜にとって、三属性を持っていることはゲームでは当たり前の認識であった。チートなキャラは全属性を網羅していることもあるのだ。
何で勇者達がそんなに反応するのかわからず、結菜は首を傾げる。
「何でそんなに驚くのかって顔をしていますね」
賢者が未だに不思議そうにしている結菜をじとっと恨めしそうに見つめた。
「よく聞いてください。属性には攻撃属性のものと防御属性のものがあります。まぁ主に攻撃属性は火·水·闇で、防御属性は風·土·光に分けられているんです。あなたの言う魔法攻撃力と魔法防御力は、結構属性によって左右されるんです」
「つまり、属性が攻撃属性か防御属性かで威力が変わるってこと?」
賢者は気持ちを落ち着けるために、魔術師がさり気なく出してくれた紅茶を一口飲んで頷いた。
お疲れモードに入りかけている賢者に代わって、勇者が詳しく説明してくれる。
「いいか?お前は今、三属性の魔法を持っている。その三つ全部がお前の言う攻撃属性に当てはまらない。だから威力が激減することはない」
ふむふむと結菜は頷く。
「確かに防御属性の魔法は攻撃には向かないが、状況や場合によっては攻撃属性の魔法を上回る結果を出すこともある。……そんな魔法を二属性も持っているんだ。驚かないはずがないだろう」
確かにそれが本当なら仕方がない。
その上ゲームとは違い、この世界では三属性も持つことは珍しいらしい。それなのに三属性も持っていることがわかったらそりゃ驚くよね、と結菜は皆の反応に納得した。
勇者は聖がどちらの属性にも当てはまらないことや防御属性の魔法を持つ者はあまりいないということまでも色々と細かく教えてくれた。
ちなみに勇者は攻撃属性の魔法の三つを全て持っているらしい。流石勇者である。
しかし、そんな彼でも結菜が珍しい防御属性の魔法を二つも持っているとは思わなかったらしい。結菜は何となく勇者に親近感が湧いた。話が盛り上がる。
ここだけ空気が明るい。何でかな‼
「……あの、そろそろ魔力も測定していただきたいのですが…………」
恐る恐る魔術師が提案した。
その一言ではっとする一同。
「そうですね。そろそろ魔力測定もしましょうか」
賢者は「魔力さえ多くなければ大丈夫‼そうです、魔力さえ多くなければ……」とぶつぶつ言っている。
はて?結菜は首を傾げた。
「では、魔力測定器の上に手をかざしてください」
「ん?それだけ?」
「あぁ、それだけだ」
結菜はさっと魔力測定器の上に手をかざした。またしてもじっと見守る一同。
しばらくすると、魔力測定器についている針がグルングルン周り始めた。それはもう高速で……。
あれ?壊しちゃったかな……?ちょっと心配である。はい。
ちょっと軽く現実逃避する結菜。
自身の魔力測定を鑑定により、予め知っている結菜にとってはこの現象の意図するものがだいたい正確に把握できていたからである。
「回ってる……」
「回ってるな……」
「えぇ、しかも高速で……」
三人が絶句している間も針は回る速度を増していた。さらに速くグルグル回り続ける。
……微風を感じるね‼簡易扇風機だね‼結菜はさらに現実逃避した。
魔力、魔力ね……。気付かれないことを祈るばかりである。まぁ、無理だろうけど‼
「まさか………いやでも……あっ、まさか‼」
魔術師が悲鳴に近い声を出して走って部屋を出て行く。
ぽかんとする結菜達。
「これ、壊しちゃったのかな…………」
「…………そうですね。そういうことにしておきましょう……」
賢者が受け入れ難そうに遠くを見ている。何かに気づいてしまったようだ。そっちは壁である。一体何が見えているのだろうか……。
ドタバタ音が聞こえてきた。どうやら戻って来たらしい。速いね、本当に‼嫌なくらいにね‼
「すいません‼こちらの測定器でもう一度測っていただけますか⁉」
しばらくして、魔術師がゼイッゼイッ言いながら部屋に駆け込んで来た。
手には新たな魔力測定器が握られている。
「魔術師専用の測定器です。宮廷魔術師の中でも魔力が多い人にしか使われないのですが、念の為に…………」
魔力多めの魔術師専用ね、はい。結菜は賢者がまた遠い何処かに意識を飛ばしているのを感じた。結菜も同じ気持ちである。
そんな中、勇者はいつもの無表情で紅茶を飲んでいた。その余裕を分けていただきたいものである。いや、本当切実に。
(賢者さん、ごめん‼)
結菜は思い切って魔力測定器改に手をかざした。
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