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第4章 ルーベルト王国王都
第三十話 お風呂の沸かし方②
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それはちょうど水浸しのバスタブの周りを、何人かの侍女さんが登場して、ささっと素早く水を拭き取っているところであった。……しかし、事はそれだけでは終わらなかった。終わらなかったのである‼
さっきまで魔法を使っていた魔術師が突然ふら~っと倒れそうになったのだ。あまりに突然の出来事で結菜は反応できない。
だがしかし、そこは流石できる侍女さん達である。彼女達は水を拭き取った後、魔術師を引っ掴んでさっさと何処かに退場していった。まるで光のような速さである。その間、約5.04秒。一瞬の出来事に幻かな?と疑いそうである。しかし、《風の耳》を常時展開している結菜にはそれが現実だとわかった。おぉぅ……。どう反応したらいいかな……。
「さぁ、準備ができました。湯加減もちょうどいいと思います。あっ、今お入りになります?」
いや、待て待て待て待てちょっと待て。素知らぬ顔で侍女が聞いてくるが、優秀な彼女のことだ。たぶん、て言うか絶対に背後で起こったことも気が付いている。結菜は思わずツッコまずにはいられなかった。
(魔術師さんはどうするの⁉てか大丈夫なの⁉)
《鑑定した結果、魔力の大量消費による魔力切れを起こした模様。一日たてば回復するでしょう》
「えっ⁉でも私ファイアボールを使った時倒れなかったよ?結構な回数使ったんだけど」
思わず声をあげてしまった。
『主は魔力∞であろうが…………』
「あっ、そういえばそうだった」
何気に魔力∞の恩恵が発揮されていたことに結菜は気付かされた。
ひそひそと話す結菜とロンに侍女は不思議そうな目を向ける。結菜は適当に誤魔化しながら、何でわざわざあんなことをしたのか聞いてみた。
普段ならお湯を沸かす時、水を汲んでいちいち沸かしてから湯船に移す必要があるんだそう。その場合は魔法石か精霊石を組み上げて作られた竈を使用する。
魔法石はダンジョンモンスターを倒した時に出現する。それはモンスターの大きさが大きい程、魔法石も大きいサイズであるので比較的組み上げる必要も少ないんだとか。ちなみに、属性は倒したモンスターによって変わる。しかし、魔力がなくなると使えなくなるので、定期的にいちいち魔力を充填しなければならない。
精霊石はその名の通り、精霊が入り込んでいる石のことである。精霊はあらゆる自然の物質に宿るが、意思を持つ程力がある精霊は物質に宿ることはない。その代わり、弱い精霊が小さな石などに宿るんだとか。それ故、どうしても高価になってしまう。まぁ、意思を持たないが故に使いやすいのも確かだが……。
そして精霊石は魔法石のように魔力を充填する必要がない。精霊が勝手に魔力を補充してくれるからだ。精霊が弱いため、人が属性を選んで使えるのも良い点である。精霊石は本当に使いやすい。だから貴族の家では精霊石を使われる。
しかし、普通にお湯を沸かすのだ。相当時間がかかる。なので高貴な方が急に湯を所望すれば魔術師が湯を沸かすのが一般的なのだそう……。その際、魔力切れで魔術師が倒れるのは日常茶飯事なのだとか……。
これには結菜も唸ってしまった。
(日常茶飯事って……。何か、こう、不便だなぁ。地球の生活を知っている私としては特に……)
これも改革が必要だね、と結菜は思った。こういちいち倒れられたら、申し訳なさ過ぎる。
お風呂を頂きながら、結菜は料理と物作りで改革を起こそうと決意した。自分のスキル、《家事》《物作り》が役立ちそうである。
(明日、自由な時間にでも何か作ってみるか‼)
結菜は目をキラキラさせながら、ふたたびぐっと拳を握り締めた。
さっきまで魔法を使っていた魔術師が突然ふら~っと倒れそうになったのだ。あまりに突然の出来事で結菜は反応できない。
だがしかし、そこは流石できる侍女さん達である。彼女達は水を拭き取った後、魔術師を引っ掴んでさっさと何処かに退場していった。まるで光のような速さである。その間、約5.04秒。一瞬の出来事に幻かな?と疑いそうである。しかし、《風の耳》を常時展開している結菜にはそれが現実だとわかった。おぉぅ……。どう反応したらいいかな……。
「さぁ、準備ができました。湯加減もちょうどいいと思います。あっ、今お入りになります?」
いや、待て待て待て待てちょっと待て。素知らぬ顔で侍女が聞いてくるが、優秀な彼女のことだ。たぶん、て言うか絶対に背後で起こったことも気が付いている。結菜は思わずツッコまずにはいられなかった。
(魔術師さんはどうするの⁉てか大丈夫なの⁉)
《鑑定した結果、魔力の大量消費による魔力切れを起こした模様。一日たてば回復するでしょう》
「えっ⁉でも私ファイアボールを使った時倒れなかったよ?結構な回数使ったんだけど」
思わず声をあげてしまった。
『主は魔力∞であろうが…………』
「あっ、そういえばそうだった」
何気に魔力∞の恩恵が発揮されていたことに結菜は気付かされた。
ひそひそと話す結菜とロンに侍女は不思議そうな目を向ける。結菜は適当に誤魔化しながら、何でわざわざあんなことをしたのか聞いてみた。
普段ならお湯を沸かす時、水を汲んでいちいち沸かしてから湯船に移す必要があるんだそう。その場合は魔法石か精霊石を組み上げて作られた竈を使用する。
魔法石はダンジョンモンスターを倒した時に出現する。それはモンスターの大きさが大きい程、魔法石も大きいサイズであるので比較的組み上げる必要も少ないんだとか。ちなみに、属性は倒したモンスターによって変わる。しかし、魔力がなくなると使えなくなるので、定期的にいちいち魔力を充填しなければならない。
精霊石はその名の通り、精霊が入り込んでいる石のことである。精霊はあらゆる自然の物質に宿るが、意思を持つ程力がある精霊は物質に宿ることはない。その代わり、弱い精霊が小さな石などに宿るんだとか。それ故、どうしても高価になってしまう。まぁ、意思を持たないが故に使いやすいのも確かだが……。
そして精霊石は魔法石のように魔力を充填する必要がない。精霊が勝手に魔力を補充してくれるからだ。精霊が弱いため、人が属性を選んで使えるのも良い点である。精霊石は本当に使いやすい。だから貴族の家では精霊石を使われる。
しかし、普通にお湯を沸かすのだ。相当時間がかかる。なので高貴な方が急に湯を所望すれば魔術師が湯を沸かすのが一般的なのだそう……。その際、魔力切れで魔術師が倒れるのは日常茶飯事なのだとか……。
これには結菜も唸ってしまった。
(日常茶飯事って……。何か、こう、不便だなぁ。地球の生活を知っている私としては特に……)
これも改革が必要だね、と結菜は思った。こういちいち倒れられたら、申し訳なさ過ぎる。
お風呂を頂きながら、結菜は料理と物作りで改革を起こそうと決意した。自分のスキル、《家事》《物作り》が役立ちそうである。
(明日、自由な時間にでも何か作ってみるか‼)
結菜は目をキラキラさせながら、ふたたびぐっと拳を握り締めた。
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