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第4章 ルーベルト王国王都
第二十六話 選定されました……。っていうか、何で私が⁉
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ふと気がつくと結菜は泉の中央にある浮島の上にいた。もちろん、ロンも一緒である。
「えっ、嘘。また?」
さっきも階段を登る時に行動が省略された感じがした。意識がふっと遠くなった後に、何か不思議な力で自分が行くべき方向へと導かれるように無意識に動かされたような感覚であった。何で?どうして?とハテナマークが結菜の頭の上を飛び交う。
『……っ‼主気をつけろ‼何か来る‼』
ロンが鬼気迫る表情で叫んだ。辺りに緊迫した空気が流れる。
ロンが忠告するも、また意識が遠くなり、何かを求めるように結菜は無意識に手のひらを空に向け、じっと世界樹の浮かぶ上空を見た。
空気がびりびりと震え、すぐにしんと静まる。遠くから人々の生活の営む音が聞こえてくる。そよ風がさぁぁと結菜の頬を撫でた。
ロンが辺りを見回していると、結菜がふと呟いた。
「来る」
―その瞬間、世界から音が消え、風が止まった。鳥のさえずりや風の音までも、全てのものが息を潜める。
………シャャャャャャャャャン……………………
世界樹がふるふると震えて、眩い光りが流れ星のように結菜に向かって落ちてくる。結菜が手のひらでそれを受け止めると、光りは結菜に吸収されていった。
―新しき聖女よ、歓迎する―
人の声ではない何かの不思議な声が頭に響いた。その途端、世界に音が戻ってくる。
結菜は、はっとして自分の手のひらをまじまじと見た。手のひらには夜空のように輝く一つの鍵が握られていた。
「……今のって、」
『主‼大丈夫か⁉なぁ、主‼』
「あっ、うん‼大丈夫だよロン、心配かけてごめん」
結菜のいつもとは違う様子に慌てていたが、大丈夫だとわかり、ロンはため息をついた。しかし、結菜はまだ難しい顔をしている。
「……ねぇ、ロン。聞き間違いだと思うんだけどさ、今さっき聖女っていう単語が聞こえてきた気がするんだけど、気のせい、だよね?」
むしろ聞き間違いであってほしいと必死に結菜は願った。だがしかし、その願いは無情にも打ち砕かれる。
『む?それなら我にも聞こえたぞ?』
マジか……。結菜は平凡かつ普通の生活を送るという輝かしい夢が遥か彼方へと飛んでいくように感じた。もう笑うしかない……。
結菜の精神的ダメージが1000を超えた‼残りの精神HPは8しかない‼さて、どうするか……‼ゲームのように結菜の頭の中に実況が流れる。
「……聖女。聖女ねぇ……。っていうか何で私が⁉自分のステータス確かめるべきだけど、猛烈に確かめたくない‼どうしよう、ロン‼」
『いや、我に聞かれても……』
ガクンガクンと結菜がロンを揺さぶっている。
『見てみればよかろう‼こっこれ、そんなに揺さぶるでない‼』
「でも、もしそうならゆったりのんびりライフが遥か彼方に……‼」
『あっ主‼そなたはレベル上げとやらが好きだとこの前申していたではないか‼』
結菜がぴたりと止まる。ロンは地味に効く攻撃から難を逃れた。やれやれである。
『はぁ……助かったのだ……。いや、とにかく見てみなくては話にならんのだ。試しにちょちょいと見てみるべきだと思うぞ?』
ロンの言うことは間違ってはいない。だが普通の生活を目指す自分としては誰か代わってほしいと思ってしまう。しかし、もともとゲーマーであった結菜にはわくわくする気持ちも抑えられないのも事実。結菜は諦め半分期待半分、覚悟を決めて自分のステータスを久しぶりに見ることにした。
「ステータス、オープン‼」
「えっ、嘘。また?」
さっきも階段を登る時に行動が省略された感じがした。意識がふっと遠くなった後に、何か不思議な力で自分が行くべき方向へと導かれるように無意識に動かされたような感覚であった。何で?どうして?とハテナマークが結菜の頭の上を飛び交う。
『……っ‼主気をつけろ‼何か来る‼』
ロンが鬼気迫る表情で叫んだ。辺りに緊迫した空気が流れる。
ロンが忠告するも、また意識が遠くなり、何かを求めるように結菜は無意識に手のひらを空に向け、じっと世界樹の浮かぶ上空を見た。
空気がびりびりと震え、すぐにしんと静まる。遠くから人々の生活の営む音が聞こえてくる。そよ風がさぁぁと結菜の頬を撫でた。
ロンが辺りを見回していると、結菜がふと呟いた。
「来る」
―その瞬間、世界から音が消え、風が止まった。鳥のさえずりや風の音までも、全てのものが息を潜める。
………シャャャャャャャャャン……………………
世界樹がふるふると震えて、眩い光りが流れ星のように結菜に向かって落ちてくる。結菜が手のひらでそれを受け止めると、光りは結菜に吸収されていった。
―新しき聖女よ、歓迎する―
人の声ではない何かの不思議な声が頭に響いた。その途端、世界に音が戻ってくる。
結菜は、はっとして自分の手のひらをまじまじと見た。手のひらには夜空のように輝く一つの鍵が握られていた。
「……今のって、」
『主‼大丈夫か⁉なぁ、主‼』
「あっ、うん‼大丈夫だよロン、心配かけてごめん」
結菜のいつもとは違う様子に慌てていたが、大丈夫だとわかり、ロンはため息をついた。しかし、結菜はまだ難しい顔をしている。
「……ねぇ、ロン。聞き間違いだと思うんだけどさ、今さっき聖女っていう単語が聞こえてきた気がするんだけど、気のせい、だよね?」
むしろ聞き間違いであってほしいと必死に結菜は願った。だがしかし、その願いは無情にも打ち砕かれる。
『む?それなら我にも聞こえたぞ?』
マジか……。結菜は平凡かつ普通の生活を送るという輝かしい夢が遥か彼方へと飛んでいくように感じた。もう笑うしかない……。
結菜の精神的ダメージが1000を超えた‼残りの精神HPは8しかない‼さて、どうするか……‼ゲームのように結菜の頭の中に実況が流れる。
「……聖女。聖女ねぇ……。っていうか何で私が⁉自分のステータス確かめるべきだけど、猛烈に確かめたくない‼どうしよう、ロン‼」
『いや、我に聞かれても……』
ガクンガクンと結菜がロンを揺さぶっている。
『見てみればよかろう‼こっこれ、そんなに揺さぶるでない‼』
「でも、もしそうならゆったりのんびりライフが遥か彼方に……‼」
『あっ主‼そなたはレベル上げとやらが好きだとこの前申していたではないか‼』
結菜がぴたりと止まる。ロンは地味に効く攻撃から難を逃れた。やれやれである。
『はぁ……助かったのだ……。いや、とにかく見てみなくては話にならんのだ。試しにちょちょいと見てみるべきだと思うぞ?』
ロンの言うことは間違ってはいない。だが普通の生活を目指す自分としては誰か代わってほしいと思ってしまう。しかし、もともとゲーマーであった結菜にはわくわくする気持ちも抑えられないのも事実。結菜は諦め半分期待半分、覚悟を決めて自分のステータスを久しぶりに見ることにした。
「ステータス、オープン‼」
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