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第4章 ルーベルト王国王都
第二十四話 転移しました‼
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「おい、大丈夫か?」
またもや心配されてしまった。慌てて結菜は頷く。
「ここは《転移の間》だ。主に緊急の際に王城への帰還などで使われている。今回は急いでいたから、専用の転移魔法陣を使って帰還した。……酔ってないか?」
「酔ってます……」
「……そうか」
そうかじゃなぁぁぁい‼結菜は勇者の耳元で叫びたい衝動を必死で堪えた。もうちょっと心配してくれてもいいのではと結菜は思うのであった。
それにしてもまぁまぁな人数がこの部屋にいるのが確認できる。全員が真っ白のローブを着ていた。それはもう怖いくらい真っっっ白であった。少し薄暗い広い空間に白い姿の人達がポツリポツリといる。……まるでB級ホラー映画である。
その人達が全員こちらを見てひそひそ話をしていた。悪口とかじゃないっぽいが戸惑いが伝わってくる。勇者の言うとおり、本当にここは緊急時以外に使われないみたいだ。
「到着して間もないのですが、本当に時間がないので移動させてください。詳しい説明は移動中にしますから」
本当に緊急のようである。結菜は頷くと、急ぎ足で移動する勇者達についていった。
話によると、ここ数年魔物の発生が急増しているらしい。
ちなみに、魔物とはダンジョンモンスターや野にいる普通のモンスターとは根本的に違う性質を持つ。
ダンジョンモンスターは主にダンジョン内の物質とダンジョンの魔力が融合して生成される。ダンジョンの魔力はある説によると、この王城にある世界樹から供給されているのだとか……。えっ、何で?と思うのも仕方がない。よし‼説明しようではないか‼
実はダンジョンモンスターを討伐すると、強いのは確かなのだが、あらゆるお宝や生活に必要な魔石が取れる。そして、ダンジョンマスターや強いモンスターは例外だが、たいていのモンスターはこちらから攻撃しない限り攻撃してこない。つまりは、人々にとっては恩恵となり得るものなのである。……だいたいはゲームと同じ認識で構わないようだ。
野にいるモンスターは襲って来るものの、ダンジョンモンスターよりも弱いため討伐しやすい。その上、上質な肉も得られる。たまに強いモンスターもいるが、冒険者ギルドのランクの高い所に行かなければ大丈夫である。よってそれほど害はない。
しかし、魔物となると話が変わってくる。ダンジョンマスター並の強さを持ち、人間にすぐ攻撃してくる。もちろんのことながら、意思疎通は完全に不可能‼
その上、厄介なことに倒すと瘴気が出てくる。これは人間だけでなく世界にも毒となるものなのだ。
ちなみに、この瘴気は聖属性の魔法でなくては浄化できないのである。
(その魔物が大量発生しているから私が必要とされているんだ……。確かに私は《聖》のスキルを持ってるし……。)
結菜はやっと自分が誘拐された理由を理解できた。誘拐はいけないことだが、どうしようなかったのだろう。
「あの時は本当にすまなかった。やむを得ないこととはいえ………その……」
申し訳なさそうに勇者が謝る。そこでようやく結菜は彼を許そうと思えた。「ちゃんと謝るのであればいかなる時も許すべし‼」合田家家訓第四条である。そう‼結菜は家訓に従うことにしたのである‼……今日も合田家家訓は熱苦しい。
さて、そうこうしているうちに目的地に着いたようだ。人力では動かせなさそうなくらい大きな扉がある。賢者が自身の持つ賢者の証たる鍵を手にして、合言葉を言った。
『開け‼ごま‼』
………………なんとも気の抜ける合言葉であった。
またもや心配されてしまった。慌てて結菜は頷く。
「ここは《転移の間》だ。主に緊急の際に王城への帰還などで使われている。今回は急いでいたから、専用の転移魔法陣を使って帰還した。……酔ってないか?」
「酔ってます……」
「……そうか」
そうかじゃなぁぁぁい‼結菜は勇者の耳元で叫びたい衝動を必死で堪えた。もうちょっと心配してくれてもいいのではと結菜は思うのであった。
それにしてもまぁまぁな人数がこの部屋にいるのが確認できる。全員が真っ白のローブを着ていた。それはもう怖いくらい真っっっ白であった。少し薄暗い広い空間に白い姿の人達がポツリポツリといる。……まるでB級ホラー映画である。
その人達が全員こちらを見てひそひそ話をしていた。悪口とかじゃないっぽいが戸惑いが伝わってくる。勇者の言うとおり、本当にここは緊急時以外に使われないみたいだ。
「到着して間もないのですが、本当に時間がないので移動させてください。詳しい説明は移動中にしますから」
本当に緊急のようである。結菜は頷くと、急ぎ足で移動する勇者達についていった。
話によると、ここ数年魔物の発生が急増しているらしい。
ちなみに、魔物とはダンジョンモンスターや野にいる普通のモンスターとは根本的に違う性質を持つ。
ダンジョンモンスターは主にダンジョン内の物質とダンジョンの魔力が融合して生成される。ダンジョンの魔力はある説によると、この王城にある世界樹から供給されているのだとか……。えっ、何で?と思うのも仕方がない。よし‼説明しようではないか‼
実はダンジョンモンスターを討伐すると、強いのは確かなのだが、あらゆるお宝や生活に必要な魔石が取れる。そして、ダンジョンマスターや強いモンスターは例外だが、たいていのモンスターはこちらから攻撃しない限り攻撃してこない。つまりは、人々にとっては恩恵となり得るものなのである。……だいたいはゲームと同じ認識で構わないようだ。
野にいるモンスターは襲って来るものの、ダンジョンモンスターよりも弱いため討伐しやすい。その上、上質な肉も得られる。たまに強いモンスターもいるが、冒険者ギルドのランクの高い所に行かなければ大丈夫である。よってそれほど害はない。
しかし、魔物となると話が変わってくる。ダンジョンマスター並の強さを持ち、人間にすぐ攻撃してくる。もちろんのことながら、意思疎通は完全に不可能‼
その上、厄介なことに倒すと瘴気が出てくる。これは人間だけでなく世界にも毒となるものなのだ。
ちなみに、この瘴気は聖属性の魔法でなくては浄化できないのである。
(その魔物が大量発生しているから私が必要とされているんだ……。確かに私は《聖》のスキルを持ってるし……。)
結菜はやっと自分が誘拐された理由を理解できた。誘拐はいけないことだが、どうしようなかったのだろう。
「あの時は本当にすまなかった。やむを得ないこととはいえ………その……」
申し訳なさそうに勇者が謝る。そこでようやく結菜は彼を許そうと思えた。「ちゃんと謝るのであればいかなる時も許すべし‼」合田家家訓第四条である。そう‼結菜は家訓に従うことにしたのである‼……今日も合田家家訓は熱苦しい。
さて、そうこうしているうちに目的地に着いたようだ。人力では動かせなさそうなくらい大きな扉がある。賢者が自身の持つ賢者の証たる鍵を手にして、合言葉を言った。
『開け‼ごま‼』
………………なんとも気の抜ける合言葉であった。
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