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第3章 ダンジョン脱出から約二週間、早朝に誘拐されました‼
第十七話 絶賛担がれ中です‼
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通りからさらに角をたくさん曲がって誘拐犯は誰もいない大通りを突き進んでゆく。たまに人を見かけるが、彼らが気づいてくれることは一切なかった。そう‼一切なかったのだ‼哀れ、結菜……。
結菜はとりあえず誘拐犯が自分を下ろした瞬間、ダッシュで逃げようとしていた。結菜本人はなかなかいい案だと思っていた。自画自賛である。
(まずはとりあえず全力ダッシュだよね。うん、これに限る‼最悪なのは誘拐犯が屋内に入ることだけど……。うん、でも……まさかね)
何気なく気付かないようにしているがそれ、フラグです。はい。しかし、当時の結菜がそれがフラグだということに気がつくことはなかった。
誘拐犯の足はとても速かった。というか、一歩一歩が大きかったのである。
たぶん自分が後ろをついていったら小走りになるんだろうな。結菜はふとそう思い、主である結菜を助けようとずっと必死になってかけているロンに声援を送った。心の中でだが……。
(ロン頑張って‼私の一縷の望み‼)
結菜は犯人の背中を叩きながら希望を抱いた。
ロンははふはふ言いながら、小さくなった身体で懸命に走っている。もふもふの小さな塊がぴょこぴょこついてくる姿はやはり可愛い。主‼主‼とでも言いながら懸命に追いかけて来ているようだった。
その姿は緊張しきってガチガチになっていた結菜の心に一時の癒やしを与える。結菜は応援の旗をぶんぶん振り回した。心の中でだけど……。
その間もぴょこぴょこついてくるロン。
『主‼待つ……のだ‼今す……ぐ我が助けるからな‼』
息を乱しながらそう叫ぶ可愛い従魔の姿に、結菜はもう泣きたくなった。主に嬉しさと萌死にしそうになったことで……。
しかし、虚しくも誘拐犯の足はやはり速かった。だんだん突き放されていくロン。短い子犬のような手足を必死に動かすも、その差は縮まらない。
えっ?かわいそう?どうしてロンを巨大化させないかって?まぁ落ち着いてよく考えてみてほしい。ここは街中、大通りである。もちろんのことながら、周りには民家がたくさんあった。
結菜はそのことと、アル達からダンジョンマスターは従魔にすることは本当ならできないということを聞いていたので、ロンには街の中でなおかつ人がいる所では大きくならないようにと堅く言いつけてあったのだ。そう、ロンの真の姿はとてつもなく目立つのである‼
ロンはその約束を守っているからこそ、自身のスキル《縮小化》を解くことはできなかったのだ。
だんだん距離が開いていく。ロンの小さな手足もすでに汚れでどろどろになっていた。
(頑張って‼頑張って、ロン‼)
結菜も誘拐犯の背中をバシバシ叩きながら、必死になってロンを応援する。
が、突然ロンが立ち止まった。えっ⁉うそ⁉と思う結菜。誘拐犯との距離がぐんぐん広がっていく。
ロンはいったい何を思ったのか、くるりと方向転換し、誘拐犯の進行方向とは正反対の方向に向かって走り去っていく。
(ロンーーーーーー⁉ちょ、ちょっと、待っ……。ローーーン‼カムバーーーーックッッ‼)
結菜の心の叫びも虚しく、小さな塊はさらに小さくなって、誘拐犯が角を曲がったのを最後に結菜の視界から消えた。
(マジか……。……ぴーんち、まさかいきなりのぴーんち)
結菜はまさかの驚きの展開についていけず、ぱかーんと開いた口を閉じることができなかった。
結菜はとりあえず誘拐犯が自分を下ろした瞬間、ダッシュで逃げようとしていた。結菜本人はなかなかいい案だと思っていた。自画自賛である。
(まずはとりあえず全力ダッシュだよね。うん、これに限る‼最悪なのは誘拐犯が屋内に入ることだけど……。うん、でも……まさかね)
何気なく気付かないようにしているがそれ、フラグです。はい。しかし、当時の結菜がそれがフラグだということに気がつくことはなかった。
誘拐犯の足はとても速かった。というか、一歩一歩が大きかったのである。
たぶん自分が後ろをついていったら小走りになるんだろうな。結菜はふとそう思い、主である結菜を助けようとずっと必死になってかけているロンに声援を送った。心の中でだが……。
(ロン頑張って‼私の一縷の望み‼)
結菜は犯人の背中を叩きながら希望を抱いた。
ロンははふはふ言いながら、小さくなった身体で懸命に走っている。もふもふの小さな塊がぴょこぴょこついてくる姿はやはり可愛い。主‼主‼とでも言いながら懸命に追いかけて来ているようだった。
その姿は緊張しきってガチガチになっていた結菜の心に一時の癒やしを与える。結菜は応援の旗をぶんぶん振り回した。心の中でだけど……。
その間もぴょこぴょこついてくるロン。
『主‼待つ……のだ‼今す……ぐ我が助けるからな‼』
息を乱しながらそう叫ぶ可愛い従魔の姿に、結菜はもう泣きたくなった。主に嬉しさと萌死にしそうになったことで……。
しかし、虚しくも誘拐犯の足はやはり速かった。だんだん突き放されていくロン。短い子犬のような手足を必死に動かすも、その差は縮まらない。
えっ?かわいそう?どうしてロンを巨大化させないかって?まぁ落ち着いてよく考えてみてほしい。ここは街中、大通りである。もちろんのことながら、周りには民家がたくさんあった。
結菜はそのことと、アル達からダンジョンマスターは従魔にすることは本当ならできないということを聞いていたので、ロンには街の中でなおかつ人がいる所では大きくならないようにと堅く言いつけてあったのだ。そう、ロンの真の姿はとてつもなく目立つのである‼
ロンはその約束を守っているからこそ、自身のスキル《縮小化》を解くことはできなかったのだ。
だんだん距離が開いていく。ロンの小さな手足もすでに汚れでどろどろになっていた。
(頑張って‼頑張って、ロン‼)
結菜も誘拐犯の背中をバシバシ叩きながら、必死になってロンを応援する。
が、突然ロンが立ち止まった。えっ⁉うそ⁉と思う結菜。誘拐犯との距離がぐんぐん広がっていく。
ロンはいったい何を思ったのか、くるりと方向転換し、誘拐犯の進行方向とは正反対の方向に向かって走り去っていく。
(ロンーーーーーー⁉ちょ、ちょっと、待っ……。ローーーン‼カムバーーーーックッッ‼)
結菜の心の叫びも虚しく、小さな塊はさらに小さくなって、誘拐犯が角を曲がったのを最後に結菜の視界から消えた。
(マジか……。……ぴーんち、まさかいきなりのぴーんち)
結菜はまさかの驚きの展開についていけず、ぱかーんと開いた口を閉じることができなかった。
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