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第1章 ダンジョン内に放置されたようです……
第六話 思いがけないこと
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目の前の景色が凄い速さで後ろへと抜けていく。アルに抱えられながら結菜はスキル、風の耳を詳しく知りたく思った。
(風の耳の消音ってどこまでが範囲内なんだろ?周辺って言っても曖昧すぎだよね)
《鑑定。術者から半径百メートル圏内なら使用可能。術者の承認しだいで調節可能。》
……本当に便利な鑑定さんである。勝手に自分が疑問に思ったことを調べてくれるとは……。
いつか話し出すのではないだろうか?結菜の頬に冷たい汗が流れた。
《調節を行いますか?―Yes · NO》
じゃあYesで……。
結菜は自分の周りのみに発動していた消音を範囲限界まで広げた。もちろん対象を選ぶのも忘れない。
結菜は消音される対象をダンジョンマスターに指定した。風が吹くはずがないのに自分から風が巻き起こる。自然に音もなく身体から風が吹き出していく感じだ。
結菜は意識をダンジョンマスターへと向けた。
その途端、ダンジョンマスターは音が聞こえなくなるのを感じた。
ダンジョンマスターはクリード達からの攻撃を予測することができなくなってしまった。しかし、その間もクリード達による攻撃の雨は降り続く。
攻撃が決まりやすくなったのをクリード達は実感した。
「やっと攻撃が効いた‼」
「あぁ、突然やりやすくなったな」
「でもどうして……?」
ミリー、クリード、サアシャは不思議そうな顔をしている。
もちろん、攻撃の手は一切休めない。むしろ攻撃しやすくなってから容赦なく剣や魔法を振るっていた。それも喜々として。……鬼畜である。
その一方、アルは戸惑っていた。
クリード達がいきなり攻撃を決めることができ始めたのもあるが、それよりもとてつもない魔力が自分が抱えている少女から発せられている。
(…………何なんだ?この魔力の量は…………………)
少女から魔力が放出された後から、突然クリード達の攻撃が決まりやすくなった。何かをこの少女がしているらしい。アルはそう感じた。
そう、実際結菜がスキルを発動してから状況は一変した。
結菜は自分の身体から何かが大量に流れ出していくのを感じた。これが魔力らしい。水を含んだスポンジを絞って水がたくさん出ていくような感覚だった。
(こんなに魔力放出して大丈夫なのかな?)
《魔力放出をスキル《風の耳》が隠蔽しています。スキルの付与効果です。対象には術者の魔力放出を認識できません。間近にいなければ認識不可能です。》
はい。ありがとうございます。鑑定さんがついに話しました。ただの鑑定ではないみたいだね。
結菜は考えるのをやめた。ザ·思考放棄である。
「いざという時は思考を放棄せよ‼」そう、合田家家訓第二条に結菜は頼ることにしたのだった。………合田家家訓結構ヤバいのではなかろうか。っていうか熱苦しい。
えっ?どうしてただの鑑定が話すのかって?
もう一度よくステータスを見てほしい。ステータスには"鑑定"ではなく"鑑定+"と書かれている。このプラスが原因だと思われる。
そもそもこのスキル自体あの宝珠の実から得たスキルなのだ。つまり今更なのである。
(あれ?でも間近にって、……アルさんもしかして気づいてるんじゃ?)
ふとそう思って、顔を上げる結菜。
そこには驚きを顔に浮かべ、何かに気づいたかのような表情をしたアルの姿があった。
(………うん、だよね~。そりゃ抱えられてるんだもん。気づくよね~)
結菜は頬を引きつらせながら、心の中で力なく笑った。
「おい、今がチャンスだ‼全力で攻撃しろ‼」
アルが指示を出す。
それに従ったクリード達の攻撃によりダンジョンマスターは崩れ落ちるように倒れた。
(風の耳の消音ってどこまでが範囲内なんだろ?周辺って言っても曖昧すぎだよね)
《鑑定。術者から半径百メートル圏内なら使用可能。術者の承認しだいで調節可能。》
……本当に便利な鑑定さんである。勝手に自分が疑問に思ったことを調べてくれるとは……。
いつか話し出すのではないだろうか?結菜の頬に冷たい汗が流れた。
《調節を行いますか?―Yes · NO》
じゃあYesで……。
結菜は自分の周りのみに発動していた消音を範囲限界まで広げた。もちろん対象を選ぶのも忘れない。
結菜は消音される対象をダンジョンマスターに指定した。風が吹くはずがないのに自分から風が巻き起こる。自然に音もなく身体から風が吹き出していく感じだ。
結菜は意識をダンジョンマスターへと向けた。
その途端、ダンジョンマスターは音が聞こえなくなるのを感じた。
ダンジョンマスターはクリード達からの攻撃を予測することができなくなってしまった。しかし、その間もクリード達による攻撃の雨は降り続く。
攻撃が決まりやすくなったのをクリード達は実感した。
「やっと攻撃が効いた‼」
「あぁ、突然やりやすくなったな」
「でもどうして……?」
ミリー、クリード、サアシャは不思議そうな顔をしている。
もちろん、攻撃の手は一切休めない。むしろ攻撃しやすくなってから容赦なく剣や魔法を振るっていた。それも喜々として。……鬼畜である。
その一方、アルは戸惑っていた。
クリード達がいきなり攻撃を決めることができ始めたのもあるが、それよりもとてつもない魔力が自分が抱えている少女から発せられている。
(…………何なんだ?この魔力の量は…………………)
少女から魔力が放出された後から、突然クリード達の攻撃が決まりやすくなった。何かをこの少女がしているらしい。アルはそう感じた。
そう、実際結菜がスキルを発動してから状況は一変した。
結菜は自分の身体から何かが大量に流れ出していくのを感じた。これが魔力らしい。水を含んだスポンジを絞って水がたくさん出ていくような感覚だった。
(こんなに魔力放出して大丈夫なのかな?)
《魔力放出をスキル《風の耳》が隠蔽しています。スキルの付与効果です。対象には術者の魔力放出を認識できません。間近にいなければ認識不可能です。》
はい。ありがとうございます。鑑定さんがついに話しました。ただの鑑定ではないみたいだね。
結菜は考えるのをやめた。ザ·思考放棄である。
「いざという時は思考を放棄せよ‼」そう、合田家家訓第二条に結菜は頼ることにしたのだった。………合田家家訓結構ヤバいのではなかろうか。っていうか熱苦しい。
えっ?どうしてただの鑑定が話すのかって?
もう一度よくステータスを見てほしい。ステータスには"鑑定"ではなく"鑑定+"と書かれている。このプラスが原因だと思われる。
そもそもこのスキル自体あの宝珠の実から得たスキルなのだ。つまり今更なのである。
(あれ?でも間近にって、……アルさんもしかして気づいてるんじゃ?)
ふとそう思って、顔を上げる結菜。
そこには驚きを顔に浮かべ、何かに気づいたかのような表情をしたアルの姿があった。
(………うん、だよね~。そりゃ抱えられてるんだもん。気づくよね~)
結菜は頬を引きつらせながら、心の中で力なく笑った。
「おい、今がチャンスだ‼全力で攻撃しろ‼」
アルが指示を出す。
それに従ったクリード達の攻撃によりダンジョンマスターは崩れ落ちるように倒れた。
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