君だけの理解者になりたい

彼と彼女の過去……

第39話彼女はの精神はとても強い……

　土日休みを終えて、俺と花は学校へ登校していた……。
　月曜とかいう曜日の中でも、最も憂鬱ゆううつになる曜日……。
　多分嫌いな曜日ランキングとか付けたら間違いなく一位になるだろう……。
　ちなみに最下位は、みんな大好き土曜日。
　休みなのに明日も休みとか、土曜作った人まじリスペクト……。
　俺が物憂げな表情をしていたのを見た花が、声をかけてくる……。

「どうしたの？　今にも死にそうな顔して……」
　
「そんな顔してた？　まあ死にはしないと思うから、多分大丈夫……」

「死なないと言い切って欲しかったわ……」

　まあ多分大丈夫……。
　月曜だからという理由で死んでいたら、いくら残機ざんきがあっても足りない……。
　俺たちは校門を通りこして、二年の下駄箱に向かう……。
　何事もなく上履きを履こうとすると……。

「え……」
　
　花が驚きの表情をしていた……。
　気になって花の下駄箱を見てみると、俺達がいつも履いている靴底くつぞこがオレンジで、周りが青色の上履きが入ってなかった……。
　
「これは……」

　いやな予感は早速的中した……。
　犯人が誰かなんて、推理するまでもなかった……。
　多分花と揉めた女子Aだろう……。
　少なくとも俺たちのクラスの女子の誰かだということはわかる……。

「ちょっと職員室でスリッパを借りてくるわ」

　靴下くつしたのまま、花は廊下をスタスタと歩いて行った……。
　俺も上履きを履いてすぐに教室へ向かう……。
　教室へ入るなりすぐに携帯を取り出す……。
　花がいない今話し相手がいない……。
　なんか一人で暇そうだと思われるのも嫌なので、特にやることがないが携帯をいじる……。
　しばらくしてスリッパを履いた花が教室に入ってきた……。
　花は前の扉から入って来てごみ箱を覗のぞくと、すっと手を突っ込んだ……。
　そしてごみ箱の中から青い上履きを取り出した……。
　何故女子の嫌がらせというのはこうも陰湿なのだろうか……。
　それでも男子のように、暴力的なものに比べたら幾分かましなのだろう……。
　花は俺の隣に座るなり、大きなため息を吐いた……。

「はぁ……。ほんと、くだらないわ……」

　花は怒った様子も悲しんだ様子もなく、ただ呆れていた……。
　さすがの精神力……。
　俺なら保健室に行って早退した後、二度と学校に来ない自信がある……。
　花は上履きに履き替えると、暗い気持ちをごまかすように俺に紙を渡してきた……。
　渡された紙を見ると、テスト一覧表だった……。
　何曜日にどの科目をやるかなどが書かれたプリントを、花は渡してきた……。
　何だ急に？
　俺は少し戸惑いながら、プリントを渡してきた意味を花に問う……。

「なんだよこんなプリント渡してきて……」

「勝負しない？　それぞれの科目の得点で勝負して、より多く相手より高い点数を取ったテストが多いい方が勝ち」

　何言ってんだコイツ？
　俺の頭の悪さを知ってて言ってるのか？

「こんな勝負したところで、結果は見えてるだろ……」

　俺はプリントを突き返すと、花は余計やる気になっていた……。
　
「優太の癖に言うじゃない……。ぼっこぼっこにしてあげるわ」

　何故か俺が挑発したみたいに捉えているが、俺は負けるからやりたくないって言ったるつもりだったんだけど……。

「じゃあ勝負よ！　まけたら何を奢おごってもらおうかしら……」

　もう花はやる気満々になっていた……。
　テストは全部で９科目……。
　多分９対０でストレート負けする自信がある……。
　毎回学年一位の花と、下から５番目ぐらいを彷徨さまよっている俺とじゃ勝負にならない……。
　いままでこんなこと言ってこなかったのに、今回言い出したのはストレス発散の意味もある気がする……。
　今回の合唱コンで、相当ストレスがたまったのだろう……。
　俺なんかボコして発散できるなら、いくらでもボコされよう……。