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騎士団の到着
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フィンに抱かれたまま、二人の周りを回っている光を見ていると、騎士団がやってきた。
「あれは騎士団か!?団長もいる!」
フィンは騎士団に向かって、ここです!団長!、と叫んだ。
騎士団はフィンに気付き一目散に向かってきた。
「フィン!無事か!」
騎士団長が颯爽と馬からおりると、二人の前で足を止めた。
「フィン、その娘は?その光はなんだ?」
「星の乙女エスカです。この光は、星の乙女が祈りを捧げる豊穣と加護の双神様です。」
「まさか…聖女様か?」
騎士団長が驚くと、後ろの騎士達も、聖女だ、と騒ぎだした。
光は少し上に上がると急に弾けたように何ヵ所かに分かれて崩れた砦の瓦礫に飛んでいった。
光が落ちた所に皆が目を追いかけると、そこから、人が動き始めた。
「団長!エスカ誘拐犯はエレナです。その父親バーンズ侯爵ならびに商人らしき男達と私兵を確認してます。」
騎士団長はフィンの言葉にハッとした。
「そのバーンズ侯爵を捕縛しに来た。」
騎士団長は騎士達に向き、手を上げ指示を出した。
「目標、バーンズを捕縛せよ!ならびに、その娘エレナ、闇商人達を直ちにに捕縛せよ!」
騎士団長のかけ声にて騎士達が光を元に瓦礫から捕縛対象を探し始めた。
光の元には皆が思ったとおり、バーンズ侯爵にエレナ、商人達が見つかった。
「フィン、騎士団長様、オリビアさんもいたんです。早く助けて下さい。お願いします。」
「オリビア?」
「エスカ殿、オリビアとはまさかサジタリアス村の乙女ですか?」
「はい、一緒にいました。」
エスカが話していると、オリビアさんの声がした。
「エスカ!」
「オリビアさん!?よかった!無事だったんですね!?」
オリビアさんは足を怪我したのか引きずりながら来た。
「君がオリビア殿か」
「は、はい!」
「君も騎士団が保護する。」
騎士団長の言葉にオリビアさんはまた泣き始めた。
「エスカ、無事でよかった。先に逃げてごめんなさい!」
「オリビアさんこそ無事でよかったです。」
教会にいた頃と違いオリビアさんはずっと謝っていた。
騎士団長様はオリビアさんには騎士をつけ、手当てされていた。
フィンには、エスカ殿とそこにいなさい、と言って二人にしてくれた。
フィンはずっと抱き抱えてくれていた。
「エスカ、痛みは大丈夫か?かわいそうに、怖い思いをさせてすまない。」
「フィンが来てくれたからもう大丈夫です。」
「腕以外は痛まないか?」
「…実は足も挫いたようで、痛みがあります。」
フィンは優しくまた抱き締めた。
フィンの心臓の音を聞きながらまた眠ってしまった。
まだフィンの顔がみたいのに。
「あれは騎士団か!?団長もいる!」
フィンは騎士団に向かって、ここです!団長!、と叫んだ。
騎士団はフィンに気付き一目散に向かってきた。
「フィン!無事か!」
騎士団長が颯爽と馬からおりると、二人の前で足を止めた。
「フィン、その娘は?その光はなんだ?」
「星の乙女エスカです。この光は、星の乙女が祈りを捧げる豊穣と加護の双神様です。」
「まさか…聖女様か?」
騎士団長が驚くと、後ろの騎士達も、聖女だ、と騒ぎだした。
光は少し上に上がると急に弾けたように何ヵ所かに分かれて崩れた砦の瓦礫に飛んでいった。
光が落ちた所に皆が目を追いかけると、そこから、人が動き始めた。
「団長!エスカ誘拐犯はエレナです。その父親バーンズ侯爵ならびに商人らしき男達と私兵を確認してます。」
騎士団長はフィンの言葉にハッとした。
「そのバーンズ侯爵を捕縛しに来た。」
騎士団長は騎士達に向き、手を上げ指示を出した。
「目標、バーンズを捕縛せよ!ならびに、その娘エレナ、闇商人達を直ちにに捕縛せよ!」
騎士団長のかけ声にて騎士達が光を元に瓦礫から捕縛対象を探し始めた。
光の元には皆が思ったとおり、バーンズ侯爵にエレナ、商人達が見つかった。
「フィン、騎士団長様、オリビアさんもいたんです。早く助けて下さい。お願いします。」
「オリビア?」
「エスカ殿、オリビアとはまさかサジタリアス村の乙女ですか?」
「はい、一緒にいました。」
エスカが話していると、オリビアさんの声がした。
「エスカ!」
「オリビアさん!?よかった!無事だったんですね!?」
オリビアさんは足を怪我したのか引きずりながら来た。
「君がオリビア殿か」
「は、はい!」
「君も騎士団が保護する。」
騎士団長の言葉にオリビアさんはまた泣き始めた。
「エスカ、無事でよかった。先に逃げてごめんなさい!」
「オリビアさんこそ無事でよかったです。」
教会にいた頃と違いオリビアさんはずっと謝っていた。
騎士団長様はオリビアさんには騎士をつけ、手当てされていた。
フィンには、エスカ殿とそこにいなさい、と言って二人にしてくれた。
フィンはずっと抱き抱えてくれていた。
「エスカ、痛みは大丈夫か?かわいそうに、怖い思いをさせてすまない。」
「フィンが来てくれたからもう大丈夫です。」
「腕以外は痛まないか?」
「…実は足も挫いたようで、痛みがあります。」
フィンは優しくまた抱き締めた。
フィンの心臓の音を聞きながらまた眠ってしまった。
まだフィンの顔がみたいのに。
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