216 / 217
フィナール邸での夜
しおりを挟む
クライスとリアは二人っきりでフィナールの邸に来ていた。
リアが住んでいた頃と違い、建て直した邸に面影はなかった。
リアは改めて建て直す前の邸にいい思い出がなかったのだろうと思った。
調度品や家具も立派でさすが陛下が揃えて下さっただけはあると思った。
クライスの部屋と私の部屋は続き部屋で大きなベッドがクライスの部屋にあった。
「グレンはパトリックと仕事上手くいっているかしら?」
「どうかな?」
二人はマルクとパトリックの騒ぎを知らず、二人の時間を楽しんでいた。
帰宅後、クライスは騒ぎを知りパトリックとグリアム伯爵はクライスからクビを言い渡されることになる。
「帰ったらすぐに結婚だ。」
「クライスと本当に結婚できるなんて夢みたいです。」
結婚が近く二人はどこか浮かれていた。
寝る前に入浴するのに、広いお風呂でリアは薔薇風呂を堪能していた。
だが、風呂を出るとリアは固まった。
(な、何ですか!このスケスケの下着は!?)
下着を入れていた紙袋を開けると、いつもの下着ではなかった。
あまりにリアが風呂から出てこない為、クライスが心配でやってきた。
「どうした?遅いぞ。」
「クライス、大変です。下着が変わってます。」
クライスは下着を見て、頷いていた。
「俺がマティスに頼んだんだ。可愛い色っぽい下着を持って来てくれ、と。」
「こんなの着れません!」
「二人っきりだからいいじゃないか?」
「無理です!」
バスタオル姿のリアにクライスは迫り、着てくれ、と耳元で囁く。
リアはクライスに逆らえなくなっていった。
「…っ、す、少しだけですよ…だから離して下さい。」
「早く来てくれよ。」
リアは、恐る恐る下着を着るがなんだか落ち着かない。
下着の上からバスタオルをかけて、てるてる坊主みたいになり、クライスの待っているベッドに行った。
「バスタオルは要らないだろう。」
「…明かりを消して下さい…」
クライスはしょうがないな、とランプを消した。
月明かりだけになり、その中でリアはバスタオルを脱いだ。
ベッドに行くとクライスは、可愛いな、と満足そうだった。
「朝まで寝かさないからな。」
「体が持ちません。」
クライスはリアを抱き、部屋にはリアの声が響いていた。
リアが住んでいた頃と違い、建て直した邸に面影はなかった。
リアは改めて建て直す前の邸にいい思い出がなかったのだろうと思った。
調度品や家具も立派でさすが陛下が揃えて下さっただけはあると思った。
クライスの部屋と私の部屋は続き部屋で大きなベッドがクライスの部屋にあった。
「グレンはパトリックと仕事上手くいっているかしら?」
「どうかな?」
二人はマルクとパトリックの騒ぎを知らず、二人の時間を楽しんでいた。
帰宅後、クライスは騒ぎを知りパトリックとグリアム伯爵はクライスからクビを言い渡されることになる。
「帰ったらすぐに結婚だ。」
「クライスと本当に結婚できるなんて夢みたいです。」
結婚が近く二人はどこか浮かれていた。
寝る前に入浴するのに、広いお風呂でリアは薔薇風呂を堪能していた。
だが、風呂を出るとリアは固まった。
(な、何ですか!このスケスケの下着は!?)
下着を入れていた紙袋を開けると、いつもの下着ではなかった。
あまりにリアが風呂から出てこない為、クライスが心配でやってきた。
「どうした?遅いぞ。」
「クライス、大変です。下着が変わってます。」
クライスは下着を見て、頷いていた。
「俺がマティスに頼んだんだ。可愛い色っぽい下着を持って来てくれ、と。」
「こんなの着れません!」
「二人っきりだからいいじゃないか?」
「無理です!」
バスタオル姿のリアにクライスは迫り、着てくれ、と耳元で囁く。
リアはクライスに逆らえなくなっていった。
「…っ、す、少しだけですよ…だから離して下さい。」
「早く来てくれよ。」
リアは、恐る恐る下着を着るがなんだか落ち着かない。
下着の上からバスタオルをかけて、てるてる坊主みたいになり、クライスの待っているベッドに行った。
「バスタオルは要らないだろう。」
「…明かりを消して下さい…」
クライスはしょうがないな、とランプを消した。
月明かりだけになり、その中でリアはバスタオルを脱いだ。
ベッドに行くとクライスは、可愛いな、と満足そうだった。
「朝まで寝かさないからな。」
「体が持ちません。」
クライスはリアを抱き、部屋にはリアの声が響いていた。
10
お気に入りに追加
454
あなたにおすすめの小説
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。~旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます2~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリアは、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていたところ、とある男の子たちに出会う。
言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。
喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。
12、3歳ほどに見える彼らとひょんな事から共同生活を始めた彼女は、人々の優しさに触れて少しずつ自身の居場所を確立していく。
====
●本作は「ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。」からの続き作品です。
前作では、二人との出会い~同居を描いています。
順番に読んでくださる方は、目次下にリンクを張っておりますので、そちらからお入りください。
※アプリで閲覧くださっている方は、タイトルで検索いただけますと表示されます。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる