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フィナール邸での夜

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クライスとリアは二人っきりでフィナールの邸に来ていた。
リアが住んでいた頃と違い、建て直した邸に面影はなかった。
リアは改めて建て直す前の邸にいい思い出がなかったのだろうと思った。
調度品や家具も立派でさすが陛下が揃えて下さっただけはあると思った。

クライスの部屋と私の部屋は続き部屋で大きなベッドがクライスの部屋にあった。

「グレンはパトリックと仕事上手くいっているかしら?」
「どうかな?」

二人はマルクとパトリックの騒ぎを知らず、二人の時間を楽しんでいた。
帰宅後、クライスは騒ぎを知りパトリックとグリアム伯爵はクライスからクビを言い渡されることになる。

「帰ったらすぐに結婚だ。」
「クライスと本当に結婚できるなんて夢みたいです。」

結婚が近く二人はどこか浮かれていた。

寝る前に入浴するのに、広いお風呂でリアは薔薇風呂を堪能していた。
だが、風呂を出るとリアは固まった。

(な、何ですか!このスケスケの下着は!?)

下着を入れていた紙袋を開けると、いつもの下着ではなかった。
あまりにリアが風呂から出てこない為、クライスが心配でやってきた。

「どうした?遅いぞ。」
「クライス、大変です。下着が変わってます。」

クライスは下着を見て、頷いていた。

「俺がマティスに頼んだんだ。可愛い色っぽい下着を持って来てくれ、と。」
「こんなの着れません!」
「二人っきりだからいいじゃないか?」
「無理です!」

バスタオル姿のリアにクライスは迫り、着てくれ、と耳元で囁く。
リアはクライスに逆らえなくなっていった。

「…っ、す、少しだけですよ…だから離して下さい。」
「早く来てくれよ。」

リアは、恐る恐る下着を着るがなんだか落ち着かない。
下着の上からバスタオルをかけて、てるてる坊主みたいになり、クライスの待っているベッドに行った。

「バスタオルは要らないだろう。」
「…明かりを消して下さい…」

クライスはしょうがないな、とランプを消した。
月明かりだけになり、その中でリアはバスタオルを脱いだ。
ベッドに行くとクライスは、可愛いな、と満足そうだった。

「朝まで寝かさないからな。」
「体が持ちません。」

クライスはリアを抱き、部屋にはリアの声が響いていた。
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